為替週間見通し:日本・米国・中国の金融政策に注目

2013年10月26日 16:02

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記事提供元:フィスコ


*16:02JST 為替週間見通し:日本・米国・中国の金融政策に注目
■ドル・円下落、FRBの金融緩和継続&中国人民銀行の金融引締観測で

ドル・円は弱含み、98円48銭から96円94銭まで下落した。ドル・円は、米国9月の失業率は7.2%へ低下したものの、非農業部門雇用者数が前月比+14.8万人に留まったことで、米国連邦準備理事会(FRB)のテーパリング(量的緩和縮小)が来年3月以降まで先送りされるとの観測が高まり、ドルは反落。中国人民銀行による金融引締め観測が高まったこと、アジア中銀による外貨準備の円建て資産への選好が強まったことも、ドル売り・円買い材料となった。

取引レンジは、96円94銭から98円48銭となった。

■日本・米国・中国の金融政策に注目

今後のドル・円は、連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリングが先送りされるとの観測が高まっていることで、上げ渋る展開が予想される。日本銀行金融政策決定会合での追加緩和策、中国人民銀行による金融引締めなどの可能性に警戒する展開となる。

■連邦公開市場委員会(FOMC)(29-30日)

連邦公開市場委員会(FOMC)では、米国9月の非農業部門雇用者数が前月比+14.8万人に留まり、過去6ヶ月間の平均非農業部門雇用者数が+16.2万人となり、テーパリング開始の目安である+20.0万人を下回っていること、米国10月の雇用統計が悪化する懸念が高まっていることで、テーパリングは見送られると予想されている。

■米国10月のADP雇用統計(30日)

米国10月のADP雇用統計は、前月比+16.0万人と予想されており、9月の+16.6万人から増加幅が減少することが見込まれている。11月8日に発表される米国10月の雇用統計は、政府機関の一部閉鎖(10月1-16日)の影響で悪化することが予想されており、ADP雇用統計のネガティブ・サプライズに警戒する展開となる。

米国10月のISM製造業景況・雇用指数、シカゴ購買部協会景気・雇用指数も、政府機関の一部閉鎖の影響で悪化する懸念が高まっており、ネガティブ・サプライズに要警戒となる。

■日本銀行金融政策決定会合(31日)

安倍トレード(日本株買い・円売り)は、米国連邦準備理事会(FRB)の量的緩和縮小という出口戦略、日本銀行の異次元の量的・質的金融緩和という入口戦略が両輪だった。米国連邦準備理事会(FRB)のテーパリング(量的緩和縮小)が来年3月以降へ先送りされるという想定外の事態を受けて、黒田日銀総裁による想定外の追加緩和策に警戒する展開。

■米財務省半期為替報告書

米財務省半期為替報告書では、アベノミクス(財政出動策・金融緩和策・成長戦略)の結果としての円安に対する見解に注目する展開となる。

■中国人民銀行の金融引締め観測

中国人民銀行による金融引締め観測が高まっており、リスク回避の円買い圧力が高まることで、ドル・円の上値は限定的と予想される。また、アジア中銀が外貨準備をドル建てから円建てに移行させている模様で、ドル・円の上値を抑える要因となる。

主な発表予定は、28日(月):(米)9月鉱工業生産、29日(火):(米)9月生産者物価指数、(米)9月小売売上高、30日(水):(日)9月鉱工業生産指数、(米)9月消費者物価指数、31日(木):(米)10月シカゴ購買部協会景気指数


[予想レンジ]
・ドル・円95円00銭-100円00銭《FA》

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