【アナリスト水田雅展の銘柄分析】アルコニックスは26週線抜きジリ高、高値射程圏、指標割安

2013年10月26日 08:14

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  非鉄金属専門商社のアルコニックス <3036> の株価は戻り高値圏で堅調に推移している。今期(14年3月期)純利益の増額修正に加えて、指標面の割安感にも見直し余地があり、5月高値を試す動きを強めるだろう。

  軽金属・銅製品、電子・機能材、非鉄原料、建設・産業資材などを取り扱う専門商社で、特にレアメタル・レアアースに強みを持っている。M&A戦略も積極化して13年1月に金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社、13年3月にアルミスクラップ販売の大阪アルミセンター、13年4月に産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を連結子会社化した。

  13年5月に発表した中期経営計画では目標値として16年3月期の経常利益50億円以上、純利益30億円以上、ROE13~15%程度などを掲げ、重点戦略として川上・川中・川下でのM&A推進、レアメタル・電子・機能材・リサイクル分野の強化に取り組む方針だ。

  10月22日に今期第2四半期累計(4月~9月)および通期の連結業績見通しの修正を発表した。第2四半期累計に関しては売上高を54億円減額、営業利益を50百万円増額、経常利益を1億50百万円増額、純利益を5億50百万円増額した。売上高についてはレアメタル・レアアースの取り扱いが想定を下回るようだが、純利益については国内連結子会社2社の株式取得における負ののれん発生益計上が寄与する。

  通期の連結業績見通しは、売上高が120億円減額して前期比9.3%増の1800億円、営業利益が3億円減額して同0.4%増の33億円、経常利益が据え置きの同14.1%増の33億円、純利益が4億50百万円増額して同88.8%増の27億円とした。なお11月11日に第2四半期累計業績の発表を予定している。

  株価の動きを見ると、9月の戻り高値圏2100円近辺から全般地合い悪化の影響を受けて反落し、10月8日には1957円まで調整する場面があったが、すぐに切り返しの動きとなった。そして10月23日には戻り高値となる2119円まで上伸する場面があった。今期業績見通しの修正も好感したようだ。

  10月25日の終値2044円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS424円78銭で算出)は4~5倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間60円で算出)は2.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS2414円98銭で算出)は0.9倍近辺である。週足チャートで見ると、13週移動平均線および26週移動平均線がサポートラインとなって水準を切り上げている。強基調の形だろう。依然として指標面の割安感に見直しがあり、5月の高値2398円を試す動きを強めるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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