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新興市場見通し:新たな物色の柱の登場が待たれる、テーマ株の物色が中心
*14:36JST 新興市場見通し:新たな物色の柱の登場が待たれる、テーマ株の物色が中心
先週の新興市場は、外部環境の悪化が心理的な重しとなり、換金売り優勢の展開となった。アジア新興国をはじめとした海外株安、円高進行などによってマインドが悪化し、リスクオフムードが強まった。また、週末にかけては、直近で上昇の目立っていたLINE関連などに利益確定売りが膨らみ、値動きの軽さを材料視したテーマ株の物色も限定的に。マザーズ市場の売買代金は21日に1000億円超まで膨らんだものの、週末は再度600億円台まで減少するなど、盛り上がりにも欠けた。なお、週間の騰落率は、日経平均が横ばいであったのに対して、マザーズ指数は-1.9%、日経ジャスダック平均は-1.1%だった。
個別では、ガンホー<3765>が週間で約20%の大幅下落となった。16日時点の信用買い残は依然38万株程度と高水準に積み上がる中で、換金売り優勢となり下値模索に。また、タカラバイオ<4974>やOTS<4564>、ナノキャリア<4571>、テラ<2191>など、バイオ関連が総じて軟調だった。OTSについては、公募増資と第三者割当増資の実施を発表したことも嫌気された。その他、LINE社が「Hello, Friends in Tokyo 2013」を開催し今後のビジネス展開を発表したものの、イベント通過後は材料出尽くし感からアドウェイズ<2489>やネットイヤー<3622>などLINE関連も弱含んだ。一方、ユナイテッド<2497>は、バイドゥとの業務提携を発表し週末は急伸。また、いちよしの高評価が支援材料となり、いちごHD<2337>やエンJPN<4849>などが堅調だった。
今週の新興市場は、直近の大幅下落によるマインド悪化を背景に、上値の重い展開となりそうだ。先週末にかけて、海外株式市場の持ち直しや円高一服など、外部環境に明るさが見えている点は支援材料。ただし、新興市場の中小型株についてはガンホーが下げ止まらないことが需給悪化につながる状況が続いている。マザーズ、ジャスダック市場ともに売買代金は減少傾向となっており、引き続き、手控えムードが強まる可能性があるだろう。昨年末から5月までの上昇局面ではガンホー、7月のリバウンド局面ではユナイテッドなど、物色の柱となる銘柄が新興市場全般の賑わいを支えていた面があるため、新たな物色の柱の登場が待たれるところ。
個別では、値動きの軽さを材料視したテーマ株の物色が中心となりそうだ。直近で賑わいを見せていたLINE関連にはやや一服感があるものの、先週末はユナイテッドがバイドゥとの業務提携を手掛かりに急伸となっており、ユナイテッドの持ち直しがスマホ関連の刺激材料となる可能性も。その他、オリンピック関連のテーマ株に関心が高まることも予想される。新興不動産関連やインフラ関連が中心になるとみられるが、オリンピック開催地の決定する来月7日までは期待感が先行することになろう。
また、29日にマザーズ市場へ上場するN・フィールド<6077>にも関心が高まりそうだ。ビジネスモデルに対する事前の評価は高いほか、人気の高まりやすいマザーズ上場のIPO案件でもあり、高初値が見込まれる。同社が好スタートを切ると、調整色が強まっている直近IPO銘柄の刺激材料となることも期待される。《TN》
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