米株式:下落、S&P500は1700より上での推移続ける

2013年8月2日 23:53

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記事提供元:フィスコ


*23:53JST 米株式:下落、S&P500は1700より上での推移続ける

米株式市場

ギャップダウンして寄りついているが、S&P500の日中安値は現在1700.68で1日に突破した1700より上での推移を続けている。

寄り付き前に発表された7月雇用統計は非農業部門雇用者数が一部では市場予想を下回っていた。前月とは違い、フルタイムも増加しているが、パートタイムの方が大きく増加している。また、失業率は低下しているものの参加率も前月より低下している。

この結果後、PIMCOのエル・エリアン最高経営責任者は、9月に縮小開始となる可能性は低下したとの見解を示している。 一方で同社のポートフォリオ・マネージャーのクレセンジ氏は、依然9月に縮小開始と予想しており、これを覆すには更にもう1カ月分の弱い雇用統計を必要とするとしている。クレセンジ氏は、利上げに関しては2016年までないとの見方を示している。

フルタイム減少、パートタイム増加に関しては、オバマケアの影響で導入を前にして企業がフルタイムを減らしてパートタイムを増やしているとの見解が多い。ゴールドマン・サックスのエコノミストであるハッツイアス氏も雇用統計後にこの見方を否定していない。同氏は、9月の縮小開始との見方を維持しているが、9月の連邦公開市場委員会では同時にフォワードガイダンスの行方が明確になる、との見方を示している。9月には連銀による四半期毎の経済見通しも発表される。ハッツイアス氏は、週前半に市場予想を上回った第2四半期のGDP発表後「(今回の結果は)現在の連銀による今年の成長見通し2.3-2.6%を示唆する数字ではない。よって、四半期毎の経済見通しが発表される9月に連銀が成長見通しを下方修正する」と予想していた。

連銀関連では、投票権を持つセントルイス地区のブラード総裁が、午後から経済に関しての講演を行う予定。氏は、春には資産購入縮小のサイズにまで言及していたが、6月から「連銀の資産購入への行方はタイミングではなく、政策を重視すべき」と態度を変えている。

2日、投票権を持たないフィラデルフィア連銀のプロッサー総裁が金融と財政政策の明確な区別を提言している。夏季に入り、債務上限問題への注目が高まるが、議会は今週末の8月2日以降、9月9日まで夏季休暇に入る予定となっている。財務省の報道官は今週前半に「議会は9月2日以降から協議するだけの時間もある」としていた。

個別銘柄では、ビジネスのソーシャルメディア、リンクトイン(LNKD)が1日引け後に決算を発表、第3四半期の売上見通しが市場予想を下回っているが、株価は時間外で大きな売りの動きを見せず、2日現在は史上最高値を更新している。

S&P 500は3.34安の1703.53前後で推移、ナスダック総合指数2.62ポイント安の3673.12ポイント前後で推移、ダウ平均株価は44.91ドル安の15583.11ドル。(日本時間23時45分時点)。《KG》

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