欧米為替見通し:危険な8月の始まり

2013年8月1日 17:19

印刷

記事提供元:フィスコ


*17:19JST 欧米為替見通し:危険な8月の始まり

本日1日の欧米市場のドル・円は、英国中銀と欧州中銀による「フォワードガイダンス(将来の金融政策指針)」の進展、米国7月のISM製造業景況指数、雇用指数を見極める展開となる。

テクニカル分析では、ドル・円は一目均衡表の「雲」の中(97円53銭-98円75銭)で暗中模索しており、東京市場では、98円80銭までの上昇で上抜けたものの、本日のニューヨーク市場の終値が97円52銭以下だった場合は、「三役逆転」となり、強い売りシグナルが点灯するため要警戒か。

ドル・円は、97円50-60銭には本邦年金筋と噂される大口のドル買いオーダー、97円50銭のオプション・バリアーの防戦買いが控えている模様で、ハト派的なFOMC声明でも底堅い展開となっている。

ドル・円の今週のレンジは、7/29:97円64銭-98円26銭、7/30:97円76銭-98円47銭、7/31:97円59銭-98円57銭、8/1:97円66銭-98円80銭、となっている。おそらく、97円50銭のオプション・バリアーの防戦買い(97円60-70銭)で買ったドルを、98円台で売却していると思われるが、明日の米国7月雇用統計を控えて満期となる可能性にも警戒することになる。

8月は、「8月の砲声」に象徴されるように、夏のバカンスの隙を突いて戦争が勃発しがちな月であるとともに、市場関係者には、テールリスクを連想させられる季節でもある。1993年、欧州為替相場メカニズム(ERM)が崩壊、1998年、ロシアがデフォルト(債務不履行)宣言、2007年、パリバショックによりサブプライム問題が発覚、2011年、米国債格下げ。

バーナンキFRB議長がサブプライム問題での損失は1000億ドル程度、と議会で証言したのは2007年7月だったが、その後、2.5兆ドルの資産を買い上げて、後始末に右往左往している。

明日発表される米国7月の雇用統計(予想:失業率7.5%、非農業部門雇用者数+18.5万人、最高+22万人、最低+8.7万人)が少々改善していても、次回の連邦公開市場委員会(FOMC)は9月17-18日まで待たなければならないことから、市場関係者は、危険な8月にポジションを抱えたくないのではないだろうか。

【今日の欧米市場の予定】

17:30 英・7月PMI製造業(予想:52.8、6月:52.5)
20:00 英国中央銀行が金融政策発表(政策金利は0.5%で現状維持の予想)
20:45 欧州中央銀行が金融政策発表(政策金利は0.5%で現状維持の予想)
21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:34.5万件、前回:34.3万件)
22:45 米・6月建設支出(前月比予想:+0.4%、5月:+0.5%)
23:00 米・7月ISM製造業景況指数(予想:52.0、6月:50.9)
06:00 米・7月国内自動車販売(予想:1240万台、6月:1243万台)《KO》

関連記事