4日の中国本土市場概況:4営業日続落、成長鈍化懸念の再燃などが圧迫材料

2013年6月4日 17:02

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記事提供元:フィスコ


*17:02JST 4日の中国本土市場概況:4営業日続落、成長鈍化懸念の再燃などが圧迫材料

4日の中国本土市場は4営業日続落。上海総合指数は前日比26.84ポイント安(-1.17%)の2272.42、深セン成分指数は同126.97ポイント安(-1.37%)の9124.27で取引を終えた。おおむねマイナス圏で推移し、後場下げ幅を一段と拡大させた。

外資金融機関が相次いで中国の成長見通しを下方修正していることが成長鈍化懸念を強めた。また、HSBCが発表した5月の中国製造業購買担当者指数(PMI)が8カ月ぶりの低水準を記録し、好不況の節目となる50を下回ったことも改めて嫌気されたようだ。

また、省エネ家電の購入補助が5月末で終了したことが家電などの圧迫材料。さらに、最近の上昇を受けた反動から通信やハイテク関連にも利益確定売りが広がった。このほか、新規株式公開(IPO)が8月に再開するとの観測も需給不足懸念をやや強めた。

一方、前半には不動産関連が買われた。上場デベロッパーの負債率が4年ぶりに低下したとの報告が好感されたほか、都市化推進に対する期待が引き続き支援材料。また、輸出セクターも買われた。外貨管理新規定の実施に伴い、元の対米ドルの上昇ペースが今後は鈍化するとの期待が高まった。

なお、中国の成長見通しについて、今年は昨年から一段と鈍化するとの見方が多い。一方、一連の政策の実施効果が徐々に現れるため、中国の製造業が今年下期に回復するとの見方が出ている。また、JPモルガン・チェース(JPM)は最新リポートで、これまで経済成長の脇役だったサービス業や新興産業などが急速に成長するとの見方を示し、中国が急速な景気減速にならないと予測した。


《KO》

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