【注目銘柄】伊藤園は好業績見通し、株価は新たな成長ステージも評価して上値追いの期待、3000円台も視野

2013年4月4日 09:03

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<業績&株価分析>

  飲料大手の伊藤園 <2593> に注目したい。株価は好業績見通しを評価して上値追いの展開が期待されるだろう。事業領域の広がりなどで新たな成長ステージを迎えていることも評価したい。

  今期(13年4月期)連結業績見通しは、売上高が前期比8.6%増の4010億円、営業利益が同5.8%増の200億円、経常利益が同3.4%増の186億円、純利益が同8.1%増の100億円としている。日本茶は伸び悩んでいるが、野菜飲料とコーヒー飲料の好調が牽引し、飲食関連事業のタリーズコーヒージャパンの好調も続いている模様だ。自動販売機で各種飲料を販売するネオスの新規連結も寄与する。通期予想に対する第3四半期累計(12年5月~13年1月期)の進捗率は売上高が76.6%、営業利益が77.8%、経常利益が81.9%、純利益が87.0%と高水準である。通期上振れの可能性があるだろう。

  なお12年5月~13年2月累計の販売状況(単独ベースの売上高速報値)を見ると、ドリンク事業全体では前年同期比7.2%増となり、このうち日本茶飲料は同0.5%増にとどまっているが、野菜飲料は同22.2%増、コーヒー飲料は同22.5%増と好調を維持している。

  株価の動きを見ると、水準を切り上げる展開が続き上げ足を速めている。3月28日には2299円まで上値を伸ばして08年2月の2325円に接近した。好業績見通しを評価する動きだろう。地合い悪化の影響を受けた4月2日には2049円まで下落する場面があったが終値で2179円に戻し、さらに4月3日には2213円まで戻すなど、いち早く高値圏に回帰して強さを見せている。4月3日の終値2206円を指標面(1株当たり指標は普通株式に係る数値)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS78円48銭で算出)は28倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間38円で算出)は1.7%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS856円76銭で算出)は2.6倍近辺である。

  日足チャートで見ると、4月2日の急落も25日移動平均線がサポートする形となった。また週足チャートで見ても上昇トレンドを継続している。指標面での割安感は薄れたが、好業績見通しや事業領域の広がりを評価して上値追いの展開が期待されるだろう。08年1月の2300円は射程圏であり、07年8月以来の3000円台も視野に入りそうだ。(本紙シニアアナリスト・水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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