【アナリストの眼】マーベラスAQL株価出直る、「閃乱カグラ」寄与で業績上ブレも

2012年12月19日 10:09

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<業績&株価分析>

  ゲーム開発を主力とするマーベラスAQL <7844> に注目したい。株価は短期調整が完了して上値を窺う態勢のようだ。

  旧マーベラスエンターテイメント、旧AQインタラクティブ、旧ライブウェアの3社が経営統合して、オンライン事業(オンラインゲーム開発)、コンシューマ事業(家庭用ゲーム機向けソフト開発)、そして音楽映像事業(アニメ映像商品、ミュージカル公演など)を展開している。

  今期(13年3月期)連結業績見通しは、売上高が185億円、営業利益が22億円、経常利益が21.3億円、純利益が12.9億円としている。合併前を含む前期との単純比較はできないが、通期会社予想に対する第2四半期累計(4~9月期)の進捗率は、売上高が42.7%、営業利益が50.2%、経常利益が47.9%、純利益が50.0%と順調な水準である。11月28日に配信開始した「閃乱カグラ」シリーズ初のソーシャルゲームなどの寄与も期待され、通期上振れの可能性もあるだろう。

  株価の動きを見ると、10月19日の第2四半期累計業績の増額修正、10月25日の東証1部市場指定替え発表を材料視して、11月1日に年初来高値2万8000円まで急騰した。短期的な過熱感を強めたこともあり、その後は12月4日に2万4000円まで調整するなど上げ一服の展開だったが、足元では2万7000円近辺に戻している。上値を窺う態勢のようだ。12月18日の終値2万6690円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS2413円24銭で算出)は11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間1000円で算出)は3.8%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1万7028円50銭で算出)は1.6倍近辺となる。

  日足チャートで見ると、一旦は割り込んだ25日移動平均線を回復して強基調に転換した。週足チャートで見ても、13週移動平均線近辺から反発して調整一巡感を強めている。利益確定売りが一巡して短期的な過熱感が解消された形だろう。通期業績見通し上振れに対する思惑もあるだけに、上値を試す展開が期待されそうだ。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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