双日と児湯食鳥、ベトナムでブロイラー事業進出に向けて検討を開始

2012年12月18日 13:39

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 双日と国内大手ブロイラーインテグレーターである児湯食鳥(本社:宮崎県川南町)は18日、ユニテック・エンタープライズ社(本社:ベトナム)と組み、ベトナムでブロイラー養鶏事業への進出を前提とした事業検証を行うことで合意したと発表した。

 ベトナムの食肉市場では消費の約8割を豚肉が占めているが、人口増、食肉消費の拡大に対応するため、政府方針(マスタープラン)により鶏肉の増産が計画されており、養鶏生産羽数は2010年の2億2千万羽から2020年に4億5千万羽へと倍増する見込みとなっている。

 今回の事業は、まずホーチミン近郊にて試験規模によるヒナ生産から養鶏・加工・販売を通して事業性の検証を行った後、2013年度中を目途に合弁会社を設立し、当面1,200万羽/年の生産・販売とし、将来的には3,000万羽~5,000万羽規模までベトナムで拡大していく予定。

 双日は、ベトナム最大手の製粉会社インタフラワーベトナム社に20%出資し製粉事業に進出、同社のもつASEAN最大級の穀物専用港を物流拠点とし、2013年2月にはロンアン省にて独自の技術をもつ配合飼料会社である双日協同飼料(51%出資)の生産開始を予定するなど、飼料畜産サプライチェーンの構築を進めている。また、ベトナム最大級の食品卸企業のフン・トゥイ・マニュファクチャー・サービス・トレーディング社を今年度に連結子会社化(51%)し、同国の旺盛な消費意欲に対応している。

 今回参入するブロイラー養鶏事業は未進出であった畜産分野への進出となり、先行事業との相乗効果を期待しているという。将来的には双日協同飼料より、養鶏の生産効率を向上させる高品質の配合飼料を供給することを検討しているという。

 一方、児湯食鳥は日本国内で約10%のシェアを持ち、生産から製造・販売までの高度な養鶏事業経営ノウハウを活用して鶏肉一貫事業を展開している。今回将来の伸び行く市場を見据え、日本の畜産企業ではいち早く東南アジア進出を決定した。

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