酸味が強調された今夏の商品ラインナップとは

2012年7月2日 11:00

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記事提供元:エコノミックニュース

 本格的な夏を前に、食品・飲料メーカーから続々と発表される夏向けの新商品。夏向けの商品といえば、ミントによる清涼感や炭酸による爽快感などが定番であったが、近時は、それに加えて酸味による爽やかさを訴求した商品が多くなっている。

 中でも今年は、健康に良いとされる有機酸や発汗で失われる塩分手軽に補給できるものとして梅を用いた商品が目白押しとなっており、飲料を中心にラインナップが広がっている。6月以降だけでも、伊藤園が、和歌山県産梅果汁の心地よい酸味とすっきりとした甘みが楽しめる、凍らせてもおいしい梅果汁入り飲料「冷梅(ひやしうめ)」冷凍兼用ペットボトルの販売開始を発表。ジャパン・フード&リカー・アライアンスも、事業子会社で清涼飲料水メーカーであるハイピースの新商品として、梅ウォーター『べにさし梅』を発売。福井県の特産品である「紅(べに)映(さし)梅(うめ)」のを用いて、梅本来のさわやかな酸味とすっきりした後味を提案している。

 また飲料以外でも、東ハトが、東ハトを代表するスナック菓子「ポテコ」のシリーズ商品である「こつぶポテコ」から、フリーズドライの梅をたっぷりと使用した、梅のほのかな香りと爽やかな酸味の「こつぶポテコ・梅ぼし味」の発売を発表。アサヒフードアンドヘルスケアも、シュガーレスミントタブレット「ミンティア」シリーズの新商品として、クエン酸と梅干パウダー(塩分含有)を配合した「ミンティア 塩ウメ」を期間限定で発売するなど、暑い夏にも食べやすい味として梅を採用している。

 その他、ハウスウェルネスフーズは、強い刺激が特長的なC1000ブランドの炭酸飲料「C1000ビタミンレモンストロングアップ」のレモン果汁を10%に増量し、より酸味を強調。コカ・コーラシステムも、英国王室御用達にも認定された歴史のある炭酸飲料ブランドである「シュウェップス」から、レモン果汁配合による酸味とほのかな苦味を効かせた切れ味あるさっぱりした味わいの「シュウェップス ブリティッシュ レモントニック」の販売を開始している。

 これらの傾向から窺えるのは、いずれも10代の若い世代というよりは、働き盛りや成熟した大人をターゲットとしていることであろう。コカ・コーラシステムの「シュウェップス ブリティッシュ レモントニック」などは、明確に「40代以上のオトナ世代に向けた新たな炭酸飲料」と銘打っている。以前と比べて、より、世代や性別を絞ったコアなターゲットに向けた商品展開への流れが加速しているのかもしれない。各企業の今後の事業戦略に注目が集まるところであろう。

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

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