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株式評論家の海老原紀雄氏に今後の相場を聞く

ギリシャは、再選挙の結果、緊縮政策受入れということでユーロからの離脱は一応、避けられたのでしょう。[写真拡大]
【株式評論家・海老原紀雄氏に今後の相場を聞く】
■足元は多くを期待できず、今年も「11月」がボトムの可能性
――欧州信用不安は峠を越えましたか。
【海老原氏】 ギリシャは、再選挙の結果、緊縮政策受入れということでユーロからの離脱は一応、避けられたのでしょう。しかし、ユーロ参加国間の経済力、財政力などのいろいろな違いが、むしろ鮮明になっているのではないでしょうか。ユーロの根本的な問題は解決されていないと思います。
――日本の企業業績は決して悪くなく、今期は2ケタ増益も見込まれています。しかし、株式マーケットは停滞です。
【海老原氏】 日本のマーケットは今や外国人投資家が主役です。個人投資家は長期投資にあまり積極的ではないように見受けられます。やはり、安心し信頼していた名門企業の相次ぐ問題が影響しているようです。結局、今の個人投資家は今日買って明日には売る、日計りの短期売買が中心です。それでは、主役の「外国人投資家」が、日本株を買って来るだろうかといえば、2つの理由で多くは期待できそうにありません。
――理由とは。
【海老原氏】 5月の貿易収支速報では9073億円の赤字でしたね。1兆円近い赤字です。しかも、赤字が3ヶ月連続で、赤字幅が大きくなる傾向を見せていることは心配です。外国人投資家の立場では、日本は経済的にこの先、大丈夫だろうかと心配になっているはずです。もう1点は外国人投資家が基本的に重要視する「政治の安定」ということです。今の日本の政治の不安定な姿には不安感を抱いているはずです。仮に、消費税が通らないとなると日本国債の格付け引下げ等につながる心配があります。
――この先、相場は期待できませんか。
【海老原氏】 足元は多くは期待できそうにありませんが、秋以降に期待できるでしょう。以前から今年の相場は「後半高」と申し上げてきました。とくに、この数年は10~11月頃がボトムとなって、その後、年明けに向け上昇しています。2008年は10月の6994円、2009年は11月の9076円、2010年は9月の8796円、2011年は11月の8135円と、いずれも秋に当面のボトムを打っています。今年も、恐らく11月頃に底をつける同じような展開が予想されそうです。ただ、何がきっかけとなって上昇となるのか予測は難しいですね。アメリカの大統領選挙かもしれませんし欧州信用不安の霧が晴れることかも知れません。あるいは、日本の新しい政治体制かもしれません。日立製作所 <6501> 、トヨタ自動車 <7203> など総合力のある優良銘柄への投資がよいでしょう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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