JT、ベルギーのタバコ企業を約510億円で買収

2012年5月24日 17:48

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 日本たばこ産業(JT)は24日、ベルギーのタバコ企業Gryson NVの全発行済株式を取得することについて、Gryson社株式を保有するGT&Co BVBAと契約を締結したと発表した。Gryson社に加え関連する会社の株式取得を含む同買収の対価については、現時点で4億7,500万ユーロ(約510億円)を見込んでいるという。なお、同買収は必要な手続きを経て2012年中に完了する見込み。

 ベルギーに本社を置くGryson社は、特にフランス、ベルギー、ルクセンブルク、スペイン、ポルトガル等の欧州諸国及びその他多くの市場においてRYO/MYOマーケットに有力な事業基盤を築いてきたたばこ会社。Gryson社の事業基盤は、「Fleur du Pays」、「Orlando」や「Domingo」等といった主力ブランドを含む強力かつ多様性のあるブランドポートフォリオを基礎としている。「Fleur du Pays」については、フランスのRYO/MYOマーケットにおいて2011年に約900トンの販売実績、11%のシェアを有するNo.1ブランド。また、フランスを含むGryson社の2011年総販売実績は約3,900トン(紙巻たばこ換算で52億本相当)となる。なお、「RYO」はRoll Your Ownの略で、一般的に顧客自身の手で巻紙を用いて手巻きするための刻たばこのこと。また、「MYO」はMake Your Ownの略で、一般的に顧客が器具と筒状の巻紙を用いて紙巻たばこを作製するための刻たばこのこと。

 JTグループは今回の買収を通じて、成長性・収益性のある欧州RYO/MYOマーケットにおける事業基盤を更に強化するとともに、Gryson社の有する専門性・技術等を手に入れることとなる。同買収は、成人の顧客が求める幅広いたばこ製品カテゴリーにおける強固なブランドポートフォリオを構築するという、海外たばこ事業における基本戦略に沿ったものだという。


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