三菱商事とみずほコーポ銀など、世界最大のインフラ共同投資連合に参画

2012年4月30日 23:59

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 三菱商事は27日、主に北米・欧州諸国の大型インフラへの投資を目的とした世界最大規模を誇るグローバル戦略投資アライアンス(Global Strategic Investment Alliance 以下GSIA)に参画したと発表した。

 三菱商事は、企業年金連合会、国際協力銀行、みずほコーポレート銀行と共にGSIAへの参画を通じて、世界の有力なインフラ事業への投資を推進していく。出資総額25億ドル(約2,000億円)規模となる今回の取り組みは日本初の試みで、三菱商事は子会社を通じて国内の投資家のために総合的な運営管理業務を行う。なお、日本の公的年金基金がインフラ事業へ大規模な投資を実行するのは初めてのこととなる。

 GSIAは、世界の年金基金を中心メンバーとして投資総額200億ドル(約1.7兆円)を目指すインフラ投資家の連合体で、カナダの公的年金基金Ontario Municipal Employee Retirement System(オンタリオ州公務員年金基金、以下OMERS)が主導するもの。参画メンバーは、GSIAを通して、主に北米、欧州諸国において空港、鉄道、港湾、電力送・配電、ガスパイプラインなど、事業価値にして20億ドルを超える大型インフラ事業へ投資を行う。世界の年金基金がこうした連合を組んでインフラ投資を推進する先駆的な取り組みとなる。

 世界の趨勢を見れば、巨大規模の資金を長期間にわたって必要とするインフラの運営は年金や機関投資家等の長期的な資本提供によって支えられている。一方で年金基金、機関投資家にとって地域経済の基盤を担う大型インフラ資産は、安定的で確実な投資収益をもたらす運用機会と考えられている。日本ではそうした大型インフラへの投資機会は極めて限定的なものだが、三菱商事はインフラ分野で世界有数の投資実績を持つOMERSと海外での共同投資を推進する枠組みを立ち上げる事により、将来の日本インフラ投資マーケットの拡大に取組んでいく方針。

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