三井住友海上、インドの生命保険大手と戦略的資本提携 約450億円出資

2012年4月12日 21:29

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 三井住友海上火災保険は12日、インドの有力企業グループであるマックス・インディア・グループ(親会社Max India Limited)傘下の生命保険会社、マックス・ニューヨーク生命社の発行済株式26%を273億ルピー(約450億円)で取得することに合意したと発表した。今後、インドの保険監督当局等の認可を前提に出資し、同社の経営に参画する。なお、出資後の新会社名は「マックス生命」とする予定。

 今回の出資により、三井住友海上の海外保険事業におけるアジア生保市場への進出は5ヶ国目となる。三井住友海上は、成長著しいアジア市場における事業基盤の拡大により、今後とも持続的な成長を実現していく方針。

 三井住友海上はマックス・ニューヨーク生命社(非上場)の発行済株式のうち、米国・ニューヨーク生命社が保有している26%分を、インドの保険監督当局等の認可を前提に取得する。この取得割合は、インドの生命保険会社への外資出資割合の上限となる。また、三井住友海上は今回の出資を機に同社へ取締役2人を含む役職員を派遣し、積極的に経営に参画する。三井住友海上がこれまで国内外で培った生保事業の各種ノウハウを提供することで、同社の既存顧客である富裕層への生命保険商品の販売に加え、インドに進出する多国籍企業の生命保険・年金保険ニーズの取り込みを図る。

 インドは約12億人と世界第2位の巨大な人口を背景に、実質GDP成長率が8%前後で推移するなど、著しい経済成長を続けている。また、生命保険ニーズが旺盛な中間所得層の劇的な増加により、生保市場は過去10年間で年平均24%の急成長を遂げている。一方、生命保険浸透率(GDPに占める生命保険料収入の割合)は4.4%(2010年度)と、日本の2分の1前後で推移しており、若年層の厚い人口構成も考えれば、今後もさらなる生保市場の拡大が期待される。このような環境の下、三井住友海上はインドの生命保険市場への効果的な進出を図るべく検討を重ね、今回の提携合意に至った。

 また、三井住友海上の海外事業投資は、成長著しいアジア市場に重点を置いた展開を図り、その結果、アジアの損保業界におけるプレゼンスは外資系損保トップクラスとなっている。生保事業においても、これまでタイ・中国・マレーシア・インドネシアで現地有力生保への出資を行い、各国市場への参入を果たしてきたが、今回の資本提携によってアジアの生保業界におけるプレゼンスも、さらに高まることになる。

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