カルビー、中国でスナック菓子製造事業に参入 伊藤忠などと合弁会社設立

2012年4月9日 18:18

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 伊藤忠商事は9日、カルビー、および康師傅方便食品投資(中国)有限公司(本社:中国天津市)と、中国におけるスナック菓子の製造会社を設立することで合意したと発表した。今年7月を目処に合弁会社を設立し、2012年度中の工場稼動及び商品販売を予定している。

 合弁会社の名称は「天津カルビー食品」となる予定。所在地は中国天津市で、資本金は約16億円。出資比率はカルビー:51%、康師傅方便食品投資(中国)有限公司:45%、伊藤忠商事:4%。

 中国のスナック菓子市場規模は約1,500億円ともいわれており、年平均10%以上で成長を続けている。一人当たり消費量はまだ先進国の100分の1以下だが、中国の経済成長に伴う生活スタイルの変化に伴い、今後も長期にわたり2桁成長が続くと予測されている。

 今回設立する合弁会社では、日本のスナック菓子最大手カルビーが技術・ノウハウを提供し、康師傅投資と共同で商品開発を推進し、中国の即席麺・飲料最大手の康師傅グループの物流網・販売力を利用して、早期にブランドの確立を目指す。具体的には、事業開始後5年以内に中国スナック菓子市場シェア10%の獲得を目標としている。

 康師傅投資は、伊藤忠商事が出資をしている頂新(ケイマン)ホールディングの傘下企業であり、今回のスナック菓子製造事業への参入は、伊藤忠商事が頂新グループと加速して展開している中国における食品及び小売市場への取組の一環となる。

 また伊藤忠商事は、川上における食料資源供給体制作りとして、中国国内における農産物の大供給地において、安全・安心な食料を安定供給する仕組みの構築に取り組んでおり、将来的には今回の合弁事業への馬鈴薯などの原料供給体制を構築することで中国国内でのグローバルSIS戦略(Strategic Integrated System:戦略的統合システムの略)を展開していく方針。

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