日立、ビッグデータ専任組織を新設 データ分析サービスを本格展開

2012年3月28日 16:22

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 日立製作所は28日、大量データ(ビッグデータ)の利活用の推進に向けて、4月1日付でデータ分析サービスの専任組織として「スマート・ビジネス・イノベーション・ラボ」を情報・通信システム社内に設立すると発表した。日立は、「スマート・ビジネス・イノベーション・ラボ」を中心に、日立グループ内の総力を結集するとともに、さまざまな分野の専門家(ドメイン・エキスパート)である顧客との協創の成果も取り込みながら、今後本格的にデータ分析サービスを展開し、さまざまな分野におけるビッグデータの利活用を推進する。

 近年、クラウドコンピューティングの拡大や、多機能情報端末の急速な普及、センサー技術の進展などを背景として、企業や社会活動で発生するデータが爆発的に増大しており、流通、医療、金融、行政、さらには、エネルギーや水処理、交通をはじめとする社会インフラなど、さまざまな分野で発生するビッグデータを収集し、ビジネスや公共サービスに活用するニーズが高まっている。

 今回設立する「スマート・ビジネス・イノベーション・ラボ」は、これまで研究所や顧客と取り組んできたデータ分析サービスに関する開発成果を本格的に事業展開するべく、ビッグデータの利活用に関する専門家である「データ・アナリティクス・マイスター」を結集した専任組織で、データ分析サービスの開発から事業展開までの戦略を統括する。

 また、「スマート・ビジネス・イノベーション・ラボ」の設立に先立ち、今回、日立グループ内のビッグデータの利活用に関する基盤技術群を「Field to Future Technology」として新たに体系化した。「Field to Future Technology」は、「現場の真実から未来の業務に不可欠な情報を生成する技術」を意味し、ストリームデータ処理技術や分散データ管理技術、並列データ処理技術、時系列圧縮格納技術など、日立グループが有するビッグデータの利活用における課題を解決する技術を、データの「可視化」、「仮想化」、「並列化」、「抽象化」の4分野に区分し、ビッグデータの処理基盤として整備したもので、順次、各技術を活用した製品・サービスを拡充していく。

 日立は今後、「スマート・ビジネス・イノベーション・ラボ」を中心に、データ分析に関する研究者、BI(Business Intelligence)や大量データ処理などのシステムの構築・運営に携わるコンサルタントおよびSEなど、日立グループ全体で200人超の体制で、これまで研究所と取り組んできた開発成果や、新たにビッグデータの処理基盤として整備した「Field to Future Technology」を活用し、同時に業界の状況に精通したドメイン・エキスパートである日立グループ内の事業部門、顧客・パートナーとの協創を推進して、幅広い分野でデータ分析サービスを展開していく。

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