【特集】注目されるPBR1倍割れ銘柄!増えれば歴史的な底値に

2011年12月2日 10:02

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■PBR1倍割れ銘柄増えれば歴史的な底値に

  このところのマーケットでPBR(株価純資産倍率)の低下が顕著となっている。直近では、日本経済新聞の株価指標によると、東証1部の全銘柄平均のPBRは0.91倍、東証2部で0.62倍、ジャスダックでは1.07倍と辛うじて1倍超という状況。

  全体平均がこのような低PBR状況だから、PBRが1.0倍を割り込んでいる銘柄数は相当数に達しているものとみられる。バブル崩壊後の金融パニックの中で日経平均が場中安値7603円をつけたのも「PBR1倍割れ」が注目となり話題となった。当時は全上場銘柄中でPBR1倍割れが4割~5割と言われた記憶がある。

  恐らく、現在も約3600社においてPBR1倍割れは1000社程度に達している可能性がある。短期的には、ともかくとして、中長期的にPBRが1倍を割り込む銘柄が増えたときは大底といえる。2003年のときも日経平均は安値7603円から4年後の2007年2月には1万8300円まで2.4倍の上昇となっている。今回もPBRからの買い場が到来しているといえるのではないか。

■超優良株のトヨタ自動車も0.7倍台

  PBRは「株価」÷「1株当純資産」=「倍」で求める。たとえば、優良銘柄のトヨタ自動車 <7203> もPBRは1倍を割っている。トヨタの11月30日(水)の終値は2509円、前期末実績の1株当純資産は3295円。2509円÷3295円=0.76倍である。

  1株当純資産は解散価値とも呼ばれる。つまり、トヨタ自動車は解散価値を下回る評価しかマーケットでされていない。あくまで、極論ということで言うなら、投資家はマーケットでついている株価で売るより、解散してもらった方が高い値段になる。

  ある短い期間においてPBR1倍割れがあるのは仕方ないとしても、長期間にわたって、こういう状況が続くことは異常であり、何のための株式マーケットかということになる。マーケットというものは、やはり「適正な価格」を形成するところであるはずだからだ。

  ただ、短期的に見た場合、現在のPBR1倍割れの原因を探るとすれば、いくつかのことが浮かんでくる。

 (1)2000~2003年の日本のバブル崩壊による金融不安、2008年のリーマンショックといわれるアメリカ発の金融不安、そして今回のヨーロパ発の金融不安。わずか、10年の間に大金融不安が立て続けに起きていることによる世界的な金融混乱。つまり、リスクを取ることは怖い。

 (2)しかも、日本では老舗企業の陰りもある。JAL、東京電力 <9501> の株価大暴落、さらに、オリンパス <7733> 、大王製紙 <3880> の不始末など、長期投資の投資家は、株を見るのも嫌になって株離れを引き起こしている。

 (3)中国など新興国の経済発展が第1段階を終え、次のステップの前の踊り場にあり、日本の新興国向けビジネスも頭打ちにある。

 (4)2009年には長期政権を続け、企業寄りだった自民党が政権の座を下り、庶民寄り・反企業寄りの民主党が政権の座に着いた。しかも、鳩山政権下での対米外交の失敗で日本の外交軸がブレ、いまだに沖縄、TPP問題などで解決の目処が立っていない。国民に不安がある。さらに、夏場の政治空白で東日本大震災の復興、日本再生への取り組みが遅れている。

  こうしてみると、世界が大きく揺れ動いている中で日本の「どっしり感」のないことが投資家心理を冷え込ませている一番の原因といえる。このため、日本にとっては、まず政治の安定することがいちばん求められる。大阪で橋下徹氏率いる維新の会が飛躍しているのも、国民の期待の表れだろう。

  ここでは、各マーケットにおいて市場別にPBRの低い銘柄30社をピックアップ(11月末現在)した。こうした銘柄は長期投資のチャンスとなるのではないだろうか。

★市場別低PBRランキング

【東証1部】(銘柄、コード、PBR)

・岩井コスモホールディング <8707> = 0.19 ・極東開発工業 <7226> = 0.2 ・ダントーホールディングス <5337> = 0.22 ・ノーリツ鋼機 <7744> = 0.24 ・高田機工 <5923> = 0.25 ・川田テクノロジーズ <3443> = 0.26 ・イトーキ <7972> = 0.26 ・キング <8118> = 0.28 ・イズミヤ <8266> = 0.28 ・ワキタ <8125> = 0.29 ・錢高組 <1811> = 0.3 ・西尾レントオール <9699> = 0.3 ・駒井ハルテック <5915> = 0.31 ・ミツミ電機 <6767> = 0.31 ・フルサト工業 <8087> = 0.31 ・タイガースポリマー <4231> = 0.32 ・ローランド <7944> = 0.32 ・SBIホールディングス <8473> = 0.32 ・だいこう証券ビジネス <8692> = 0.32 ・西部電気工業 <1937> = 0.33 ・名村造船所 <7014> = 0.33 ・ハークスレイ <7561> = 0.33 ・乾汽船 <9113> = 0.33 ・杉本商事 <9932> = 0.34 ・青山商事 <8219> = 0.35 ・大阪証券金融 <8512> = 0.35 ・愛眼 <9854> = 0.35 ・古野電気 <6814> = 0.36 ・ヤマトインタ-ナシヨナル <8127> = 0.36 ・荒川化学工業 <4968> = 0.37

【東証2部】

・川岸工業 <5921> = 0.13 ・サンコー <6964> = 0.15 ・盟和産業 <7284> = 0.17 ・サンテック <1960> = 0.18 ・長大 <9624> = 0.18 ・ジュンテンドー <9835> = 0.18 ・セキド <9878> = 0.18 ・北越メタル <5446> = 0.19 ・ナガホリ <8139> = 0.19 ・那須電機 <5922> = 0.2 ・ラピーヌ <8143> = 0.2 ・高木証券 <8625> = 0.2 ・エムオーテック <9961> = 0.2 ・瀧上工業 <5918> = 0.21 ・アルメディオ <7859> = 0.21 ・高知銀行 <8416> = 0.21 ・赤阪鐵工所 <6022> = 0.22 ・ケーユーホールディングス <9856> = 0.22 ・ベリテ <9904> = 0.22 ・土屋ホールディングス <1840> = 0.23 ・ジオスター <5282> = 0.23 ・田辺工業 <1828> = 0.24 ・ソルコム <1987> = 0.24 ・ソフト99コーポレーション <4464> = 0.24 ・東京インキ <4635> = 0.24 ・オリジナル設計 <4642> = 0.25 ・大都魚類 <8044> = 0.25 ・丸藤シ-トパイル <8046> = 0.25 ・理経 <8226> = 0.25 ・川崎近海汽船 <9179> = 0.25

【東証マザーズ】

・アップルインターナショナル <2788> = 0.13 ・ぷらっとホーム <6836> = 0.17 ・セブンシーズ・テックワークス <2338> = 0.28 ・テラプローブ <6627> = 0.29 ・まんだらけ <2652> = 0.31 ・グッドマンジャパン <8992> = 0.31 ・エリアリンク <8914> = 0.32 ・日本アジアグループ <3751> = 0.34 ・ガイアホールディングス <3727> = 0.35 ・京王ズホールディングス <3731> = 0.36 ・MCJ <6670> = 0.38 ・パシフィックネット <3021> = 0.39 ・アイティメディア <2148> = 0.43 ・システム・テクノロジー・アイ <2345> = 0.43 ・メディアクリエイト <2451> = 0.43 ・アドテック プラズマ テクノロジー <6668> = 0.43 ・ドリームバイザーHD <3772> = 0.44 ・ナノ・メディア <3783> = 0.45 ・リアルビジョン <6786> = 0.47 ・テクノマセマティカル <3787> = 0.48 ・パラカ <4809> = 0.49 ・ACCESS <4813> = 0.49 ・インタートレード <3747> = 0.5 ・総医研ホールディングス <2385> = 0.52 ・NGI GROUP <2497> = 0.53 ・エスティック <6161> = 0.53 ・フェヴリナ <3726> = 0.56 ・シーエスアイ <4320> = 0.57 ・システムインテグレータ <3826> = 0.58 ・カワムラサイクル <7311> = 0.58

【大証1部】

・岩井コスモホールディング <8707> = 0.19 ・極東開発工業 <7226> = 0.2 ・ダントーホールディングス <5337> = 0.22 ・ノーリツ鋼機 <7744> = 0.23 ・高田機工 <5923> = 0.25 ・川田テクノロジーズ <3443> = 0.26 ・イトーキ <7972> = 0.26 ・イズミヤ <8266> = 0.28 ・キング <8118> = 0.29 ・錢高組 <1811> = 0.3 ・ワキタ <8125> = 0.3 ・西尾レントオール <9699> = 0.3 ・駒井ハルテック <5915> = 0.31 ・ミツミ電機 <6767> = 0.31 ・フルサト工業 <8087> = 0.31 ・タイガースポリマー <4231> = 0.32 ・ローランド <7944> = 0.32 ・SBIホールディングス <8473> = 0.32 ・だいこう証券ビジネス <8692> = 0.32 ・西部電気工業 <1937> = 0.33 ・名村造船所 <7014> = 0.33 ・ハークスレイ <7561> = 0.33 ・乾汽船 <9113> = 0.33 ・杉本商事 <9932> = 0.34 ・青山商事 <8219> = 0.35 ・大阪証券金融 <8512> = 0.35 ・愛眼 <9854> = 0.35 ・古野電気 <6814> = 0.36 ・ヤマトインタ-ナシヨナル <8127> = 0.36 ・荒川化学工業 <4968> = 0.37

【大証2部】

・イトーヨーギョー <5287> = 0.14 ・コーアツ工業 <1743> = 0.18 ・日和産業 <2055> = 0.18 ・ダイトーケミックス <4366> = 0.18 ・南海プライウッド <7887> = 0.18 ・上原成商事 <8148> = 0.19 ・日本電線工業 <5817> = 0.2 ・萬世電機 <7565> = 0.2 ・川西倉庫 <9322> = 0.2 ・フジックス <3600> = 0.21 ・トーアミ <5973> = 0.22 ・中西製作所 <5941> = 0.23 ・阪神内燃機工業 <6018> = 0.23 ・ゼット <8135> = 0.23 ・青木マリーン <1875> = 0.24 ・ジャパン・フード&リカー <2538> = 0.24 ・山喜 <3598> = 0.24 ・ウエスコ <9648> = 0.24 ・カワセコンピュータサプライ <7851> = 0.25 ・電響社 <8144> = 0.25 ・英和 <9857> = 0.25 ・タイヨー <9949> = 0.25 ・金下建設 <1897> = 0.26 ・旭松食品 <2911> = 0.26 ・菊川鉄工所 <6346> = 0.26 ・ミロク <7983> = 0.26 ・くろがね工作所 <7997> = 0.26 ・フジコピアン <7957> = 0.27 ・杉村倉庫 <9307> = 0.27 ・高田工業所 <1966> = 0.28

【ジャスダック】

・A.Cホールディングス <1783> = 0.14 ・高橋カーテンウォール <1994> = 0.14 ・トミタ電機 <6898> = 0.14 ・オーエーシステム <7491> = 0.15 ・永大化工 <7877> = 0.16 ・豊商事 <8747> = 0.16 ・雑貨屋ブルドッグ <3331> = 0.17 ・桂川電機 <6416> = 0.17 ・スターホールディングス <8702> = 0.17 ・新潟放送 <9408> = 0.17 ・セレスポ <9625> = 0.17 ・フーマイスターエレクトロニクス <3165> = 0.18 ・アールビバン <7523> = 0.18 ・藍澤證券 <8708> = 0.18 ・レーサム <8890> = 0.18 ・南総通運 <9034> = 0.18 ・両毛システムズ <9691> = 0.18 ・ACKグループ <2498> = 0.19 ・スパンクリート <5277> = 0.19 ・サンユー建設 <1841> = 0.2 ・テノックス <1905> = 0.2 ・細田工務店 <1906> = 0.2 ・ウライ <2658> = 0.2 ・ダイケン <5900> = 0.2 ・精工技研 <6834> = 0.2 ・アムスク <7468> = 0.2 ・トーイン <7923> = 0.2 ・光製作所 <8191> = 0.2 ・ロジコム <8938> = 0.2 ・リリカラ <9827> = 0.2 (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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