東芝、北九州工場など半導体事業3拠点を閉鎖 2012年度上期中に生産終了

2011年11月30日 22:17

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 東芝は30日、同社グループのディスクリート(単機能半導体)事業、アナログ・イメージングIC事業の収益改善、事業体質強化を目的に、国内製造拠点の再編や、前工程の大口径化の取り組み等の構造改革を推進すると発表した。

 ディスクリート事業について、現在6か所ある国内製造拠点を、姫路半導体工場(兵庫県揖保郡太子町)、加賀東芝エレクトロニクス株式会社(石川県能美市、以下、加賀東芝)、豊前東芝エレクトロニクス株式会社(福岡県豊前市、以下、豊前東芝)の3拠点に再編・集約する。これに伴い、光半導体の前工程拠点である北九州工場(福岡県北九州市)、浜岡東芝エレクトロニクス株式会社(静岡県御前崎市)、パワー半導体の後工程拠点の一つである東芝コンポーネンツ株式会社(千葉県茂原市)の3拠点は、2012年度上期中に生産を終息する。

 集約後の3拠点については、付加価値の高い製品に集中し、コスト競争力の強化を図る。姫路半導体工場は、これまで通り開発を中心とした拠点として活用する。前工程の主要拠点である加賀東芝は、パワー半導体事業強化のため200mmウェハーラインの能力増強を続けるとともに、光半導体の前工程も展開する。また、豊前東芝は光半導体の組立技術の開発機能を集約するとともに、量産については一部製品の生産を縮小し、従来から進めている海外展開を加速する。

 一方、アナログ・イメージングIC事業では、これまで、生産効率の向上とコスト力改善のために大口径化、及び小口径ラインの廃止を推進しているが、この取り組みをさらに加速させ、2012年度上期中に大分工場の150mmウェハーラインを半減させる。

 東芝グループは、これまでディスクリート事業、アナログ・イメージングIC事業における構造改革の一環として、後工程の海外展開の加速、生産ラインの大口径化、製品数半減化などの施策に取り組んできた。今回、生産拠点の集約によるアセットライト化、生産効率改善等の改革を断行することで、さらなるコスト競争力強化に取り組む。なお、今回の構造改革対象の事業場、関係会社の正規従業員については、原則、東芝グループ内での配置転換を行う予定。

 また、欧米を中心とした景気減速による民生機器の需要の減少を受けて、ディスクリート事業、システムLSI事業の収益改善のための短期的な施策も展開する。民生機器に幅広く使用されているアナログ半導体やイメージセンサを生産する大分工場、ディスクリート半導体を生産する姫路半導体工場、および光半導体を生産する北九州工場において、11月下旬から年末年始にかけて減産を行う。

 具体的には、大分工場では年末年始休日(12/30~1/4)の6日間の稼働停止及び出力調整、姫路半導体工場では年末年始休日(12/29~1/5)を含めて2週間程度の稼働停止、北九州工場では年末年始休日(12/29~1/5)を含めて2週間程度の稼働停止を、それぞれ実施する。年明け以降の生産については、市況の回復具合を見ながら判断するという。

 なお、東芝グループ会社の岩手東芝エレクトロニクス株式会社、加賀東芝エレクトロニクス株式会社、浜岡東芝エレクトロニクス株式会社においても、それぞれの需要動向に応じて減産を実施する。

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