東海道・山陽新幹線から初代のぞみ「300系」が来春引退 JR東海・西日本

2011年10月20日 19:06

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新幹線「300系」(画像提供:JR東海・西日本)

新幹線「300系」(画像提供:JR東海・西日本)[写真拡大]

 JR東海とJR西日本は20日、新幹線の「300系」車両が2012年春をもって東海道・山陽新幹線から引退すると発表した。

 「300系」は、1992年3月14日に「のぞみ」としてデビューし、最高速度270キロメートルでの高速運転実用化の道を開き、約20年間もの間多くの人々に親しまれてきた車両。「最終走行にあわせた引退イベント等の実施については現在検討中」と両社はコメントしている。

 2007年度から今年度にかけて進めてきた「N700系」の集中投入で、東海道・山陽新幹線の16両編成車両が「700系」・「N700系」に統一され、より一層の省エネルギー化が進むとともに、ダイヤ設定の柔軟性の向上、列車遅延時の回復力向上も可能となるため、「300系」の引退が決まった。

 「300系」は、JR発足後、初めてデビューした新幹線車両。東海道新幹線の従来の最高速度(0系・100系)の220キロメートルから270キロメートルへ大幅に速度向上し、東京~新大阪駅間で2時間30分の運転を実現。従来の最速到達時分の「ひかり」から19分短縮した。

 「300系」車両の先頭形状は空気抵抗の低減に効果的な形状で、かつデザイン的にも斬新なものを開発。日本の高速鉄道では初めて、交流誘導電動機(VVVF方式)と軽量ボルスタレス台車を採用し、「100系」と同等の定員数を確保しつつ、約25%の軽量化(1両あたり約60トンから約45トン)を実現した。また、電力回生ブレーキを採用することで大幅な省エネルギー化を実現した。

 今後、今年度中に、JR東海からJR西日本へ「700系」9編成(144両)を譲渡し、JR西日本所有の「300系」と置き換える。また、JR東海では、「N700系」を進化させた「N700A」を、2012~2013年度で13編成投入する予定。

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