日産、ブラジルのリオに新工場を建設 約1150億円投資し2014年に稼動

2011年10月7日 10:28

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 日産自動車は6日、ブラジルのリオデジャネイロ州レゼンデに工場を建設し、開発、生産および新商品投入を行うために、26億ブラジルレアル(15億米ドル、約1150億円)を投資すると発表した。

 新工場は、2014年前半に稼働開始予定で、ブラジル市場向けVプラットフォーム車両を年間20万台生産する能力を持つことになる。また、新たに最大2,000人の雇用を創出し、サプライチェーン全体等を含むと、その2倍以上の雇用を創出する。

 今回新工場を建設するリオデジャネイロ州レゼンデは、イタグアイ港およびリオデジャネイロ港に近く、すぐに生産開始が可能で、能力の高い労働力とサプライヤーにアクセスしやすいという理由で選ばれた。

 同工場建設により、ブラジルにおける現在の生産能力(パラナ州にあるルノーの工場、通称 "クリチバ工場"、59,000台/年)がさらに上乗せされることになる。ルノーの工場では、リヴィナ、グランドリヴィナ、X-Gear、フロンティアの生産を引き続き行うと共に、ルノー商品の生産を拡大していく。

 同工場建設は、成長著しいBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)市場におけるトップ自動車メーカーとしての、同社の戦略における大きな一歩となる。今年6月、同社は中期経営計画「日産パワー88」を発表した。同社は、その中で、世界第4位の台数規模を持つブラジルの自動車市場において、アジア系自動車ブランドとして「No.1」となることを目指すと報告している。

 日産自動車のカルロス・ゴーン社長は、「私たちは、中国、ロシア、インドでの取り組みで示したように、成長の可能性が最も高い地域への投資を行っている。ブラジルは、間違いなくラテンアメリカの成長を牽引する機動力となっており、日産は21世紀におけるブラジル経済並びに自動車産業の発展に貢献できることを期待している」と述べている。

 同社はブラジルで、過去2年の間に著しい成長を遂げている。市場占有率は倍増し、2011年は現在までのところ1.7%へ増加させている。「マーチ」、「ヴァーサ」等の人気の高い新型車を投入し、ディーラー網を2倍に拡張することにより、2016年までにブラジル市場での占有率を最低5%にすることを目指している。

 具体的には、2016年までに、10の新車種を発売する予定であり、セグメントのカバー率を「マーチ」投入前の23%から2016年までには87%以上へ伸ばす計画。今年11月には、新型セダン「ヴァーサ」を投入し83%に上げていく。また、現在、ブラジル国内には117店舗の日産ディーラーがあるが、これを2016年までには239店以上とすることを目指している。

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