マントルで生成されたダイヤモンド

2011年9月19日 19:29

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 地球の炭素循環が下部マントルまで到達しているという研究結果が発表された。論文は9月16日号のScience誌に掲載されている(Science誌の論文概要ScienceDailyの記事msnbcの記事)。

従来の観測では、炭素循環はおよそ地表から400km下の上部マントルに達すると考えられてきた。地震学および地球化学的にみると、海洋地殻が下部マントルにまで沈み込む可能性もあったが、実際の岩石サンプルを入手することは困難だった。

英ブリストル大学のMichael Walter教授は、ブラジルおよび米国の仲間とともにブラジル・ジュイナのキンバリー鉱床で採掘された「超深度」ダイヤモンドを分析した。通常のダイヤモンドが200km程度の深さで生成されるのに対し、希少な超深度ダイヤモンドは非常に深い場所で生成されたことが含有物の組成からわかるという。6個の超深度ダイヤモンドの含有物を分析した結果、極高圧かつ極高温の下部マントルにおいて玄武岩が融解、結晶する際に生成されると考えられる鉱物と同一の組成だったとのこと。このことから、海洋リソスフェアがマントル下部に沈み込み、玄武岩の成分がダイヤモンドを形成する際に取り込まれたものと結論付けている。この説が正しければ、これらのダイヤモンドを構成する炭素は海底の堆積物が元になっていることになる。通常はマントル内に存在しない炭素12が多く含まれることも、この説を裏付けるという。

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