ブランド見聞録:ブランドはマーケットを勝ち抜く経営ツールです:第6回 技術をブランド化する(2)

2011年8月29日 16:27

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 「当社はB2B企業だから、ブランディングは必要ないよ。技術が売りで、業界でもそれなりに有名だしね」…と思い込んでいる経営者の方はいませんか?

■技術重視のB2B企業が陥りやすい罠
 先回のコラムに引き続き、“技術のブランド化=技術ブランディング”について書かせていただきます。私はこれまでに数多くの技術系のB2B企業の方々と、コンサルティングの事前ヒアリングやセミナーを通してお会いし、ブランディングに関する意識や課題を聞いてきました。そんな中で、マーケットに対する現状の認識が甘く、ブランディングに関する典型的な勘違い例が、冒頭に紹介したコメントです。

 このような勘違いコメントは、大企業ではなく、中堅企業で、これまで技術重視で成功を収めてきた企業の方からよく聞かされます。コンサルタントとしては心配になり、ブランドの重要性を説くのですが、なかなか聞く耳を持っていただけません。

■今なぜ技術ブランディングが重要なのか?
 B2Bマーケットのグローバル化は物凄いスピードで加速し、今や潜在顧客も、競合先も、日本国内とは限りません。常にコストパフォーマンスが求められ、日本特有の古き良き系列取引は激減。明確に差別化が図れない、同じような技術や製品は、激しい価格競争に巻き込まれるのがオチです。また、一方で独自と思っていた技術やノウハウも、特許や実用新案などでしっかりとプロテクトしておかないと足元をすくわれます。

 このような状況で、自社の技術やノウハウを再評価し、独自の知的財産として守りながら、ブランド化を図り、これまで開拓していなかった業界にも積極的に訴求し、攻めていく位の姿勢は欲しいものです。実際に、私が過去にコンサルティングをした染布会社は、もともとは水着用であった防水加工を施した製品をブランド化し、他業界の展示会に出品したところ、精密機器メーカーに部品の保護膜として採用されました。優れた技術やノウハウも上手くアピールしなければ、井の中の蛙で終わってしまいます。

■技術ブランディングの主な効果
 “技術のブランド化=技術ブランディング”の最終目的は、他のブランディング手法と同様に企業ブランドの価値の向上です。その主な効果は●技術供与先との連携の強化●新たな技術供与先の開拓●単なる価格競争からの脱却●社員のモチベーションアップ●リクルート効果●株主の獲得●社会的な信用の獲得…などです。

 このように“技術ブランディング”は、技術を売りにしている企業にとって、厳しいマーケットを生き抜くための良い手法だと言えます。しかし、取組んでいる企業がまだまだ少ないのが現実です。それには日本ならではの理由があります。

 次回は、“技術をブランド化する”の最終回として、「技術ブランディングが実行できない理由」、「技術ブランディングの手順」…などに関して述べさせていただく予定です。

著者プロフィール

町田 芳之

町田 芳之(まちだ・よしゆき) 有限会社クリエイティブ・コネクション代表取締役

ブランド戦略コンサルタント/クリエイティブディレクター
公益財団法人 日本生産性本部認定 経営コンサルタント
大学を卒業し、松下電器の広告制作会社にコピーライターとして入社。その後、大手外資系広告会社でクリエイティブディレクターとして勤務し、独立。国内外の大手企業だけでも80社120ブランド以上のブランディングに携わる。また著名な広告賞を数多く受賞。現在は中小企業を中心に“ブランド戦略の策定から、各種アクションプランの企画・実施まで”ワンストップで提供している。
■経済産業省・関東経済産業局 平成22年度「地域中小企業知財経営基盤定着支援モデル調査委員会」委員 /「中小企業応援センター事業」コンサルタント 
■農林水産省・まちむら交流きこう「食と農林水産業の地域ブランド協議会」地域アドバイザーなども務める。
有限会社クリエイティブ・コネクション http://www.creative-connection.jp

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