ChatGPTのシェアが初の50%割れ、GeminiとClaudeが猛追――Sensor Tower調査

2026年6月18日 21:56

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記事提供元:Tech Times

生成AI(人工知能)アシスタント市場で独占的地位を築いてきた「ChatGPT」の市場シェアが初めて過半数を割り込んだことが明らかになった。Photo by Levart_Photographer on Unsplash

生成AI(人工知能)アシスタント市場で独占的地位を築いてきた「ChatGPT」の市場シェアが初めて過半数を割り込んだことが明らかになった。Photo by Levart_Photographer on Unsplash[写真拡大]

生成AI(人工知能)アシスタント市場で長らく独占的地位を築いてきたOpenAIの「ChatGPT」だが、その市場シェアがついに初めて過半数を割り込んだことが明らかになった。米調査会社Sensor Towerの最新レポートによると、2026年5月末時点のChatGPTの世界シェアは46.4%に低下し、競合するGoogleの「Gemini」やAnthropicの「Claude」が急速にシェアを拡大している。この変化は、AIアシスタントのユーザーだけでなく、近く新規株式公開(IPO)を控えているとされるOpenAIの投資家にとっても、今後のプラットフォーム評価に大きな影響を与える可能性がある。

■ChatGPT初の過半数割れ、3強が競う新局面へ

OpenAIの主力製品である「ChatGPT」が2022年11月に近代的なAIアシスタントというカテゴリーを創出して以来、初めて世界のAIアシスタント市場における過半数のシェアを失った。

米調査会社Sensor Towerが2026年6月16日に発表したレポート「State of AI 2026」によると、2026年5月末時点でChatGPTの世界のAIアシスタントユーザー数シェアは46.4%に低下し、初めて50%を下回った。半年前の2026年1月時点ではまだ過半数を維持していたが、3月に50%の境界線を下回ったという。

この変化は単なる数値以上の意味を持つ。かつてAIアシスタントの代名詞であり、アプリ史上最速で月間アクティブユーザー数(MAU)10億人を達成した製品が、今や明確に異なる特徴を持つ3つのプラットフォームと競合する市場に直面している。ユーザーが状況に応じてこれらを使い分ける行為は、もはや理論上の選択肢ではなく、実際の行動となっている。

■依然リードするChatGPTだが、シェアは減少傾向

絶対的なユーザー数では依然としてOpenAIが優位に立っている。ChatGPTは2026年5月にMAUが11億人を突破し、TikTokやYouTube、Instagramを上回るペースでこの節目に達した。これは紛れもない実績である。

しかし、Sensor Towerのデータが示すのは別の側面だ。爆発的に拡大する市場において、ChatGPTが占めるユーザーの関心の割合は着実に縮小している。同シェアは2024年12月時点で65.3%だったが、2025年12月には52.8%に低下し、2026年5月には46.4%まで落ち込んでいる。

モバイルアプリ、モバイルWeb、デスクトップWebのユニークユーザー数を重複排除して集計したSensor Towerの指標「True Audience」による、2026年5月時点の主要プラットフォームの市場シェアとMAUは以下の通りである。

・ChatGPT:シェア46.4%(MAU 11億人以上)
・Gemini:シェア27.7%(MAU 6億6200万人)
・Claude:シェア10.3%(MAU 2億4500万人)

これら3つのプラットフォームで、AIアシスタントアプリにおける総利用時間の約90%を占めている。ただし、利用時間順のランキングはユーザー数シェアのランキングとは異なり、上位からChatGPT、DeepSeek、Geminiの順となる。Claudeのシェア10.3%はユーザーの存在場所を示しているが、必ずしも滞在時間の長さを意味するものではない。

■Geminiが「デフォルトの優位性」で急成長した理由

Googleの「Gemini」は、MAUを2025年12月の5億3300万人から2026年5月には6億6200万人へと、5カ月で1億2900万人増加させた。この急成長は、主に機能面の向上によるものではなく、配信(ディストリビューション)の構造によるものである。

Googleの構造的強みは、GeminiがAndroid OSレベルで組み込まれ、世界で最も普及しているモバイルプラットフォームで「Googleアシスタント」に取って代わった点にある。また、GmailやGoogleドキュメント、スプレッドシート、スライド、Googleドライブに標準統合されている。

GoogleのTensorチップを搭載したAndroid端末では、アラーム設定やメッセージ送信、スマートホームデバイスの制御などの一般的なタスクをオンデバイスで処理するため、オフラインでも機能する。Googleのエコシステムで生活するユーザーにとって、Geminiは別途ダウンロードするアプリではなく、最初からそこにあるAIなのだ。

これは、意識的なダウンロードやログインを必要とするChatGPTや、主にWebインターフェースとAPI経由でアクセスされるClaudeとは異なる競争モデルである。プラットフォームがデフォルト(標準設定)になると、ユーザーは代替製品と比較することなくそれを利用する。Geminiのシェア拡大は、このデフォルトの優位性がもたらした結果と言える。

■Chat GPTからユーザーが離れる背景

Geminiの成長が構造的なものであるのに対し、Anthropicの「Claude」の成長は一部でユーザーの価値観に起因している。Sensor Towerのデータは、そのメカニズムを浮き彫りにしている。

2026年2月にOpenAIが米国国防総省との提携を発表した際、Sensor Towerは米国におけるChatGPTのアンインストール数の顕著なスパイク(急増)と、同期間におけるClaudeのダウンロード数の急増を記録した。この出来事は、少なからぬユーザーにとって、企業の倫理的スタンスや方針の選択が製品の品質と同等に重要であることを数値で裏付けた。

この動向は現在も続いているとみられる。OpenAIは、2026年2月にChatGPTでの広告表示テストを開始し、5月時点でデイリーアクティブユーザーの約17%に広告を表示している。また、ウォルマートやターゲット、コストコなどの小売業者とのショッピング連携も構築した。これらは有料プランへの移行を促すのではなく、大規模なマネタイズ(収益化)を優先する戦略的選択を反映しているが、無料プランの利用体験を構造的に変えるものでもある。

■有料移行率13%を誇るClaudeの「隠れた強み」

Claudeの成長は、今回のSensor Towerのレポートの中で最も劇的である。MAUは2025年12月の6020万人から2026年5月には2億4500万人へと、5カ月で約4倍(前年同月比452%増)に達した。特に米国市場でのシェアは、2025年12月の約4.4%から2026年5月には約14%へと急上昇した。

しかし、Claudeのデータで最も注目すべきはユーザー数ではなく、有料プランへの移行率である。ユーザー2億4500万人のうち13%が有料サブスクリプションを契約しており、これはSensor Towerが追跡したすべてのAIアシスタントプラットフォームの中で最も高い移行率である。一般的な消費者向けソフトウエア製品の無料から有料への移行率は通常2%から5%の間にとどまる。

この差が生じる理由は、単にClaudeが有料移行の誘導に長けているからだけではない。ChatGPTが一部のユーザー層に広告を表示し始めたことで、実質的に自ら顧客をセグメント化してしまっていることも影響している。広告のない利用体験を求めるユーザーにとって、代替手段を探す構造的な理由が生じ、その主な受け皿がClaudeとなった。13%という移行率は、競合が一部のユーザーを広告のターゲットとして扱う一方で、有料層の経済性を強めているプラットフォームの先行シグナルと言える。

■OpenAIの新規株式公開(IPO)への影響

Sensor Towerによるこのレポートの発表時期は極めて重要である。OpenAIは2026年6月8日、米証券取引委員会(SEC)に対して非公開でS-1登録届出書を提出し、株式公開に向けた最初の正式な手続きを踏んだ。同社は上場予定日を公表していない。

この届出書を評価する投資家は、相反する2つの客観的データを調和させる必要がある。片やMAU11億人を誇り、アプリ史上最速のユーザー獲得を達成した製品であり、もう片や18カ月連続でシェアが低下の一途をたどっているという軌道である。

シェアの低下は、ChatGPTが絶対的な意味で衰退していることを意味しない。市場の他の部分がより速く成長したことを示している。しかし、株式公開を目指す企業にとって、これらは異なる評価につながり得る。

なお、OpenAI自身の数字によると、同社は2026年初頭時点で月間20億ドル(約3200億円、1ドル=160円換算)の売上を上げており、有料加入者は5000万人を超えているとされる。シェアが低下する中でもユーザーあたりの売上は上昇しており、ユーザーの関心シェアが比例して成長していなくても、収益化戦略は機能していることがうかがえる。

■どのAIアシスタントを選ぶべきか

この問いに対する率直な答えは、実際の仕事の進め方や、製品に何を許容できるかによって異なる。

ChatGPTは依然として最も無難な汎用の選択肢である。プラグインや連携エコシステムは最も広く、機能更新の頻度も最も高い。MAU11億人の基盤があるため、サードパーティの開発者はChatGPT向けの開発を優先する。特定のワークフローがない場合は、ChatGPTの強みが活きる。ただし、無料プランの一部ユーザーには広告が表示され、政府や国防関連の提携方針などが一部のユーザー層から敬遠されている点には留意が必要である。

Geminiは、すでにGoogleのエコシステムを利用しているユーザーにとって最良の選択肢となる。GmailやGoogleドライブ、Googleドキュメント、Androidとの統合は、サードパーティのプラグインでは代替できない構造的な特徴である。Google Workspaceを多用する場合、カレンダーやメール、ドキュメントに直接アクセスできる利便性は、ChatGPTやClaudeには真似できない。シェア27.7%はその実用性を反映している。

Claudeは、ユーザー満足度がビジネス上の数字に最も強く表れているプラットフォームである。13%の有料移行率は、無料版の価値を認めて課金するユーザーが多いことを示している。きめ細かくニュアンスを含んだ推論や高品質な長文執筆に定評があり、ライターや研究者、開発者、知識労働者の間で特に支持を集めている。3月以降は解約率も低下しており、獲得したユーザーが定着している。回答の品質を重視し、広告のない環境を好むユーザーにとって、ClaudeはChatGPTの極めて有力な選択肢となっている。

■「独占」から「競争市場」へ

Sensor Towerのデータが示す最も重要な意味は、数字そのものではなく構造の変化である。1つの製品がシェア65%を占めていた頃、そのカテゴリーは事実上の独占状態だった。しかし、そのシェアが46%に下がり、競合がそれぞれ28%と10%を保持し、ユーザーの乗り換え行動が発生している現状は、健全な「市場」が成立したことを示している。

市場競争の発生は、機能改善の加速、価格設定の適正化、明確な差別化をもたらす。そしてAIアシスタント分野で初めて、ユーザーの同意を得られない方針を選択した企業が、実際にシェア低下という代償を払うことになった。

OpenAIにとってはIPOの評価算定が複雑になり、GoogleにとってはAndroidの配信力というデフォルトの優位性がシェアとして実を結びつつある。Anthropicにとっては、最多のユーザーを持つことよりも、業界最高水準の有料移行率を誇るユーザーに支持されるプラットフォームであることが重要になるかもしれない。そして毎日これらの製品を利用する無数のユーザーにとって、選択肢は現実のものとなり、主体的な選択が求められる時代が到来している。

■注目ポイントQ&A

●ChatGPTの市場シェアが低下しているのはなぜですか?

ChatGPTの絶対的なユーザー数が減少しているわけではありません。2026年5月には月間アクティブユーザー数(MAU)が過去最高の11億人に達していますが、それ以外の市場がより速いペースで成長しているためです。具体的には、AndroidやGoogle Workspaceに標準搭載されているGeminiのデフォルトの優位性、2026年2月の米国国防総省との提携合意を機に生じたユーザーの他サービスへの移行、そして無料プランの一部ユーザーに対する広告表示の開始などが要因として挙げられます。

●2026年現在、GeminiはChatGPTよりも優れていると言えますか?

一概にどちらが優れているとは言えず、利用目的によって異なります。Geminiの強みは機能そのものよりもシステム構造にあり、Android OSやGoogle Workspaceアプリとネイティブに統合されているため、カレンダーやメール、ドキュメントとシームレスに連携できます。一方、Googleのエコシステムを使用しない場合はその利点が得られないため、外部連携やプラグインが豊富なChatGPTや、有料ユーザーの満足度が高いClaudeが有力な選択肢となります。

●どのAIアシスタントが最も有料プランの契約率が高いですか?

AnthropicのClaudeです。Sensor Towerの報告によると、ClaudeのMAU 2億4500万人のうち13%が有料サブスクリプションを利用しており、これは主要なAIアシスタントの中で最も高い移行率です。一般的な消費者向けソフトウェア製品の有料移行率は2〜5%程度であるため、Claudeの移行率は極めて高い水準にあります。

●ChatGPTからClaudeやGeminiに乗り換えるべきでしょうか?

ご自身の作業環境に応じて判断することをお勧めします。Google Workspaceを中心に業務を行っている場合は、連携機能が強力なGeminiへの移行が適しています。長文執筆やリサーチ、複雑な推論タスクが多く、広告のない快適な利用体験を求める場合は、Claudeへの移行が適しています。一方で、多様な外部プラグインやサードパーティツールとの連携を重視する場合は、ChatGPTを使い続けるのが良いでしょう。

元記事: hatGPT’s AI Assistant Market Share Falls Below 50% for the First Time: Gemini, Claude Surge

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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