アクセル Research Memo(1):遊技機器向けLSI事業はシェア拡大と製品ポートフォリオ拡充で成長目指す

2026年6月10日 12:41

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記事提供元:フィスコ

*12:41JST アクセル Research Memo(1):遊技機器向けLSI事業はシェア拡大と製品ポートフォリオ拡充で成長目指す
■要約

アクセル<6730>は、パチンコ・パチスロ機(以下、遊技機器)向けグラフィックスLSI(以下、G-LSI)市場で約55%のシェアを握るファブレス半導体メーカーである。LSI事業で培った開発力を生かして、AI事業の育成に取り組んでいる。

1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高で前期比3.9%減の14,656百万円と2期連続の減収となったものの、営業利益は同13.9%増の1,664百万円と2期ぶりの増益に転じた。遊技機器の市場規模(年間販売台数)が同3.3%減の148万台と低調に推移するなか、遊技機器向けLSI事業の売上高がメモリモジュールの販売減等により同6.8%減と落ち込んだことが減収要因となった。一方、利益面ではAI事業で大口案件の売上計上があったこともあり、同事業の損失額が前期の495百万円から168百万円に縮小したことが増益要因となった。なお、主力の遊技機器向けG-LSIは販売数量で同10%減の46万個となったものの、プロダクトミックスの変化による販売単価の上昇で売上高は同約5%増となり、市場シェアも約55%と前期並みの水準を維持した。

2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績は売上高で前期比2.3%増の15,000百万円、営業利益で同27.9%減の1,200百万円を見込んでいる。事業セグメント別売上高は、LSI事業が同3.7%増の14,300百万円、AI事業が大口案件の剥落により同18.8%減の700百万円となる見通しだ。前提となる遊技機器の市場規模は同8.8%減の135万台、G-LSIの市場シェアは約55%と変わらないものの、リユース率が前期の35%から50%に上昇し、販売数量は同32.6%減の31万個を見込んでいる。特に2026年はメモリ価格が急騰していることもあり、遊技機器メーカーがコスト削減のためリユース率を高める動きになると見ている。

3. 今後の成長戦略
同社は今後の成長戦略として、遊技機器市場向けはG-LSIのシェア拡大と製品ポートフォリオの拡充により、LSI事業の拡大を目指す。G-LSIは競合メーカーの撤退が予想されることから、市場シェアを5年後に約85%まで拡大する。メモリモジュールの市場シェアも現状の約80%から約90%を目指す。遊技機器の市場規模が今後も135万台の水準が続くことを前提にすれば、2031年3月期の売上高は200億円超、営業利益は30億円超に拡大する見通しだ。一方、AI事業はAIコンピューティング事業におけるAI実装支援サービスやAI高速化サービスの引き合いが自動車やFAメーカーを中心に増加していることから、今までAIアプリケーション事業などに分散していたリソースを同領域に振り向け収益化フェーズへの早期移行を図る。同支援案件については実用化段階でライセンス収入が見込めるため、短期的な収益貢献は小さいものの、将来的に安定したストック収入が期待できる。また、LSI事業やAI事業以外の新規事業を立ち上げるべく、新たに新事業創出室を立ち上げた。まずは3年以内に10億円規模の新たな市場・事業創出の目途を立てることに取り組む。

4. 株主還元策
同社は連結配当性向50%を基準に配当を行うことを配当方針としている。同方針に基づき2026年3月期の1株当たり配当金は、前期比12.0円増配の57.0円(配当性向50.1%)とした。2027年3月期は減益見込みのため同16.0円減配の41.0円(同49.6%)を予定しているが、業績が上振れすれば配当も上積みされる可能性が高い。また、株主優待制度も導入しており、毎年3月末の株主を対象に保有期間や保有株数に応じてQUOカードを贈呈する。継続保有期間が1年以上の株主には500円相当、5年以上かつ500株以上継続保有の株主に対しては3,000円相当のQUOカードを贈呈している。

■Key Points
・2026年3月期はG-LSIの新製品が順調に立ち上がり2期ぶりの増益に転じる
・2027年3月期の業績見通しは増収減益と保守的な予想
・LSI事業は5年後に売上高200億円、営業利益30億円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《HN》

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