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インゴット1gが1万円を超えた「新時代のプラチナ」 今後の行方は?
12月18日、ついにプラチナ(白金)のインゴット1gが1万円を超えた。プラチナは比類無い上昇局面を見せる「金」と同じ貴金属であることに加え、金よりも産業界の勢いや各国の政策金利を反映するといわれている。プラチナが1万円台という新時代を迎えた背景には、どのような理由があるのだろうか。
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■プラチナは金の代替に?
11月中旬から12月にかけてのプラチナのチャートがこちらである。12月15日週からの数日間で、それまでのチャート分析が意味を成さないほど急ピッチで上昇していることが読み取れる。

(画像: なんぼやから引用)
背景は「金の天井感」だ。こちらは同時期の金のチャートだが、プラチナと比較して上昇幅が緩やかであることがわかる。

(画像: なんぼやから引用)
プラチナも金も貴金属だ。貴金属は代替資産であり、一般的に株や債券が下落すると上昇する。その傾向から貴金属は商品(コモディティ)などとともに、オルタナティブ資産と呼ばれることも多かった。
株式相場の不安定感から「これからオルタナティブの1年が来る」とされながらも、2020年以降は米株の上昇基調により、オルタナティブの1年はいつか来るだろう?に変わっていった印象だ。
■新時代のプラチナ
そこに12月中旬の急上昇である。アメリカのFOMCによる利下げと、日本銀行による利上げがほぼ確定し、相場にとって「織り込み済み」となったタイミングだ。一方でFOMC新総裁の人事など、不透明な部分も多い。そこに金の天井感がある。
これまでもインゴット8,000円、9,000円に近付いたプラチナは、直前に足踏みをすることも多かった。「ついに9,000円超えか?」となった際に、数日日足が落ちるような傾向だ。資産のチャートでそれは当然なのだが、プラチナの新時代がまだ来ないかと思わせる要因にもなっていた。
それが今回の一直線の10,000円超えである。さまざまな要因で大台を超えたため、今後反落することもあるだろう。
ただ、プラチナが新時代を迎えたことは間違いない。18日、そのような中でプラチナの価格の大きな要因となる、政策金利を司るFRBの新総裁を、トランプ大統領が指名するという情報が流れてきた。一歩一歩、新時代の構築は進んでいく。(記事:株式会社FP-MYS 工藤 崇・記事一覧を見る)
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