スノーフレイク、第3四半期は増収も赤字継続 AI需要は追い風、収益化は課題

2025年12月8日 10:16

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 スノーフレイクの2026年度第3四半期(8~10月)決算が、12月3日(米国時間)の引け後に公表され、売上は堅調に伸びたものの赤字が続いた。

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 第3四半期の売上高は12億1290万ドルと前年同期比28.7%増を記録。

 データ分析の高度化やAI導入が広がるなかで、企業が扱うデータ量は増加しており、クラウド環境でのデータ管理や処理能力を高めたい需要がスノーフレイクの成長を支えている。

 顧客企業の利用量が増えたほか、新規顧客の獲得も進み、売上の押し上げにつながった。

 ただし、収益面の改善は限定的だった。営業損益は3億2947万ドルの赤字で、前年同期の3億6545万ドルの赤字からは縮小したが、依然として黒字化のハードルは高い。

 EPS(希薄化後)はマイナス0.87ドルとなり、前年のマイナス0.98ドルからは改善したものの、赤字継続の状況が続く。AI関連機能の強化やプラットフォーム拡張に向けた研究開発費、顧客基盤を広げるための営業費用が利益を圧迫したとみられる。

 AIシフトが追い風も、コスト構造改善が焦点に

 スノーフレイクは、クラウド上でデータを統合し、AIモデルの学習や推論に活用できる基盤を提供する企業として存在感を高めてきた。

 特にこの数年で、企業のAI投資が一段と加速し、データ基盤の整備が競争力に直結する時代に入ったことで、スノーフレイクのサービスが選ばれやすくなっている。

 AIの活用度合いが高まればデータ処理量も増えるため、中長期的には安定した成長が期待できる。

 一方で、競争環境は激しさを増している。

 大手クラウド企業もAI・データ基盤領域への投資を強めており、スノーフレイクは価格競争や差別化のために継続的な開発費を必要とする状況にある。

 市場では、増収基調を評価する声がある一方、赤字の継続をどう捉えるかが焦点になりつつある。金利が高止まりする環境では収益性への視線が厳しくなりやすく、コスト構造の見直しや効率的な成長戦略を示せるかが今後の株価に影響しそうだ。

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