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雇用統計ショックで株式市場はどうなる⁉
●雇用統計下振れで日経平均4万円割れ
8月1日に発表された7月の米国雇用統計が市場予想を下回ったことを受けて、1日の米国株はS&P500が前日比1.6%安となり、約2カ月半ぶりの大幅下落。週明けの日経平均も寄り付きで680円安となり、その後も続落し、一時4万円台(終値は4万290円)を割り込んだ。
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株式市場は、4月からのトランプ大統領による関税措置で大荒れだったが、最近では“TACOトレード”と揶揄されているものの、株価は強さを見せていた。
米国の強い経済があってこその強気相場だったが、弱い雇用統計の結果を受けて、リスクオフ相場へと変化するのだろうか?
●雇用統計の中身
非農業者部門は7万3000人(市場予想は11万人)の増加に留まった。
合わせては修正値が発表された5・6月分は、当初の発表ではそれぞれ12万5000人増・14万7000人増だったものが、1万4000人増と1万9000人増へと大幅に下方修正された。失業率は4.2%で市場の予想通りだった。
ロイター通信によると、建設業とレジャー・接客が小幅増に留まっており、トランプ政権の不法移民取り締まりが背景にあるとエコノミストが分析している。
外国生まれの労働者が34万1000人減少している。
●利下げに影響?FRB人事も警戒
トランプ大統領はパウエルFRB議長に利下げ圧力をかけ続けてきたが、9月の利下げは避けられないとの見方が強くなっている。
弱い雇用統計を受けて、トランプ大統領は激怒し、労働統計局長を解雇した。金利引き下げ要求を拒否し続けてきたパウエル氏にも怒りの矛先を向け、「あまりにものろい」「頑固なまぬけ」とSNSで批判している。
クグラ―理事の退任も決まっており、トランプ政権に意中の人物を送り込むことも可能となっている。パウエル議長の解任は法的に根拠がなく実現可能性は低いが、確率は高まっている。
一方で前年の2024年7月も、雇用統計は大幅に悪化していた。
雇用統計の悪化がトランプ関税の楽観論を吹き飛ばした感じがあるが、そもそもこの季節は投資家の夏休みの時期であり、夏休み前の手じまい売りの可能性も否定できない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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