観光立国を牽引する:ダイブを、株価も人気化で後押ししている

2025年7月22日 09:20

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 ダイブ(151A、東証グロース市場)。暇つぶしの四季報パラパラ読みで出会った、時代を象徴する企業。リゾート地でのバイトに特化した人材派遣・紹介を展開。非観光地でのグランッピング施設の展開も手掛ける。

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 周知の通り政府は、観光立国を標榜している。具体的に、2030年の「旅行消費額」37兆円(2010年比増10兆円)を目標数字として掲げている。ダイブはその道先案内人の役割を担っていると言える。

 ダイブの事業は、こう理解すればよい。

 『観光HR事業』: 従来、観光地(リゾート地)の働き手は地域内の採用が主だった。対してテクノロジーの活用で、全国から人材獲得を可能にする。観光施設と広範な人材のマッチング事業。前2024年6月期のサイト利用数は209万uu(一定期間に訪れた員数)、実現就業数9320人。

 『地方再生事業』: 「2040年までに消滅が懸念される都市は日本全体の約49.8%、896の自治体に及ぶ」という調査結果がある。それを裏付けるように遊休施設や遊休地、空き家が急増している。

 ダイブではそうした非観光地の遊休資産に着目、マーケティング/企画開発で収益化を図っている。非観光地を旅の目的地とする事業の創出。

 具体的には「ザランタン」「クラフトホテル」。前者は自然の中を前提とした「冷暖房・バストイレ付き施設」で、1泊2食1万5000円前後。後者は、いわば、そのスモールホテル版。非観光地にテクノロジーを活かし、人流を創り出す事業展開。前期のメディア使用数は430万uu、掲載施設数467。

 ダイブは日本エンタープライズ(4829、東証スタンダード市場。スマフォアプリの開発からサポートまでを展開)のグループ子会社とし2003年に創業。24年3月に上場。時代を映し出す収益動向を見せている。

 上場直後の初決算:23年6月期は「106.2%増収、営業利益1億2000万円」、前6月期は「49.6%増収、351.9%営業増益」。そして今6月期は「18.6%の増収(146億円)、48.2%の営業増益(8億300万円)」計画で立ち上がり、第3四半期時点の実績は「105億6100万円、7億400万円」。

 本稿作成時点の株価は912円。昨年3月24日の初値は3225円。公開価格1820円を上回る期待を背負った水準で始まった。株価は4月の年初来安値675円まで整理され、時価の予想PERは14.74倍/ROE22%強。時流人気を反映している。急がず騒がず、配当実施の予定・実施を待ってみたいと思うが・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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