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特殊工法でコンクリート構造物の切断・穿孔で独自:第一カッター興業の足元と課題
第一カッター興業(1716、東証スタンダード市場)。ダイヤモンド使用のコンクリート構造物切断・穿孔(せんこう:穴をあける)が主軸。水圧のウォータージェットでも知られる。
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だが手元の四季報の業績欄の書き出しは見出し【増配】のもと、『ビルメンテはタワマンなど受注増』。タワマンは諸々の視点で、時代を象徴する存在。その「建設ラッシュ」も報じられている。
ビルメンテ事業一環として「建築物の排水管清掃」「貯水槽清掃」の展開は、興味深い。前者は「研修」が不可欠、後者は「施行者の資格保有」が求められる。関東圏のマンション・オフィスビル・商業施設などを対象に、コールセンターを設け365日・24時間体制で対応しているのは、主軸事業を引き寄せる上でも効果的といえる。
主軸事業のコンクリートから金属の切断・穿孔では、商標登録された「ダイヤモンド工法」が用いられる。騒音・振動・粉塵の少なさが特徴で、施工時間が他の工法に比べ短くて済むのが特徴。
具体的には<フラットソーイング工法:ダイヤモンドブレードを高速回転させ、道路や床面を垂直に切断する。配管埋設工事や上下水道・道路の改修、目地切り等に適している>/
特異工法を前面に押し出した第一カッター興業の収益動向は順調。過去5期間(2020年6月期~)は平均で「7.32%増収、7.96%営業増益、25円配が38円配」、そして今6月期も「0.4%増収(210億円)、1.8%営業増益(25億円)」計画。第3四半期末の実績は152億円、14億円。
今期から至27年6月期の中計がスタート。「売上高245億円、営業利益24億5000万円」を掲げているが、今期が計画通りの着地なら営業利益はまずクリアな状況。
がそんな第一カッター興業も中長期的に、問題を抱えてもいる。最近頻発している感が強い、道路の陥没。管路の経過化年数増/法定耐用年数接近の管路増/対応労働者数逓減。若手労働力への「切断・穿孔技術の伝承」である。eラーニング方式を採用し着々と・・・とは伝えられているが・・・
本稿作成中の株価は1330円台、予想税引き後配当利回り2.4%余。予想PER8.58倍水準、過熱感は感じられない。この間の値動きは1250円~1500水準のゾーン内。年初来高値は2月の1508円・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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