トヨタとNTT、共同で生活支援パートナーロボット開発へ

2017年9月27日 08:07

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

2017年10月3日~6日に幕張メッセで開催する「CEATEC JAPAN 2017」NTTブースにおいて出展する、サービスプロトタイプの概念

2017年10月3日~6日に幕張メッセで開催する「CEATEC JAPAN 2017」NTTブースにおいて出展する、サービスプロトタイプの概念[写真拡大]

 トヨタとNTTが、ロボットの共同開発に取り組む。NTTグループ各社が保有するAI技術「corevo(コレボ)」と、トヨタが開発を進めているパートナーロボットである生活支援ロボット「Human Support Robot(HSR)」を活用して、人の役に立ち、人と共生するパートナーロボット普及に向けて、日常生活のさまざまなシーンにおける行動支援ロボットの共同研究だ。

【こちらも】トヨタ、リハビリ支援ロボットのレンタルを開始

 これまでロボットは、工場などでの人の作業代行を目的とした産業用ロボットを中心に発展してきました。しかしながら近年、ロボット掃除機に代表される家庭内での家事や介護、子育てを手伝ったり、コミュニケーションの相手になったりするパートナーロボットに注目が集まってきた。

 このような背景のもと、NTTは世界最高レベルの精度を誇る音声認識技術に代表されるメディア処理技術や、「R-env:連舞®(れんぶ)」を中心としたインタラクション技術、ロボットを含む擬人化されたエージェントが人の言葉や表情を理解し、身振り手振りも交えて人との高度な対話を実現するAI技術「corevo」の研究開発を進めており、さまざまなメーカーと連携しながらロボット開発に取り組んできた。

 一方のトヨタは、将来、家庭のなかで、人と共に暮らし、より豊かな生活を支援することを目的に、「小型軽量」「安全・安心」「簡単操作」とする生活支援ロボットHSRの開発を進めてきた。なかでも、2015年に複数の大学・研究機関と連携した「HSR開発コミュニティ」を立ち上げ、HSRの機能向上に向けた技術開発を加速している。

 今回2社による共同研究では、AI技術「corevo」を組み込んだコミュニケーションロボットやHSR等を中心に、両社が保有する技術やノウハウを組み合わせて開発に取り組む。多様なロボットや複数nおデバイスを連携させ、人の行動を先回りしてサポートすることができる技術の開発を推進するという。

 また、イベント会場や商業施設向けのサービスプロトタイプを作成し、来場者やなどの体験を基に、実用化に向けた受容性・有効性の検証と技術課題の抽出を行なう。人の役に立ち、人と共生・支援するパートナーロボットの実用化促進と普及を目指すという。

 この共同研究においてNTTは、NTT研究所が開発した音声認識・対話制御・音声合成技術をはじめとする、人とロボットの自然言語による対話を実現する技術や、ロボット他各種デバイスが連携することで、人とロボットの非言語インタラクションを高度化する技術を含むAI技術「corevo」を提供する。同時に、サービスプロトタイプを構築し、多様なシーンにおける生活支援ロボット活用に向けた技術課題の抽出を実施する。

 トヨタは、日常の生活支援に必要な「落ちているモノを拾う」「手が届かない場所のモノを取る」「介護者などとのコミュニケーションを図る」などの基本機能を有するHSRと関連ノウハウ、並びに技術検証に必要な実験フィールドを提供し、HSRの利活用範囲の拡大に向けた受容性・有効性の検証を行なうとしている。

 両社は、まず2017年10月3日~6日に幕張メッセで開催する「CEATEC JAPAN 2017」NTTブースにおいて、サービスプロトタイプを出展。その後、ロボット関連イベントやショールーム等実フィールドでの実証実験を実施することで、HSRを中心としたロボット連携サービスの可能性を探ってゆく。(編集担当:吉田恒)

■関連記事
AIスピーカー、ヒアラブル端末市場 2022年に450億ドル規模に達する予測
工学系の大学が6年制になる? 文科省が検討
鳥獣害対策にドローン活用 ヒトと野生生物の共生目指す
2017年も好調な白物家電市場。高機能化・高付加価値を支える原動力
高齢者の「利用したくない」ロボット介護とは?

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連記事