西武HD、ハワイのホテル事業「ウェスティン」に加盟 認知度向上目指す

2017年8月17日 07:08

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ホテル全景のイメージ(写真: 西部ホールディングスの発表資料より)

ホテル全景のイメージ(写真: 西部ホールディングスの発表資料より)[写真拡大]

 西武HDは16日、ハワイ島で運営する「ハプナビーチプリンスホテル」が、スターウッドグループの展開する「ウェスティン」ブランドに加盟することを発表した。加盟を機に約4600万ドルを投じる全面バリューアップ投資を実施し、18年2月からはホテルの新名称を「ザ ウェスティン ハプナ ビーチ リゾート」に変更して営業を開始するという。

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 西武HDのハワイ事業は米国での認知度向上を課題としていたため、「ウェスティン」ブランドに加盟することで、来島者の85%が米国本土からというハワイ島における顧客の獲得を目指していく。今回、スターウッドグループとフランチャイズ契約を結んだことで同社が持つ2100万人の会員顧客へアプローチが可能となることも大きい。

 西武HDは16年8月に「ハプナビーチプリンスホテル」の一部の資産を売却したことを公表している。売却により得られた資金を活用して、今回「ウェスティン」ブランドに加盟したハワイ島の新事業にバリューアップ投資を実施していく。

 バリューアップ投資の内容は、ロビー、客室、レストラン、ラウンジ、プールの増設、フィットネスセンターの移設、ホテルから海への導線の整備など同ホテルの大規模な改装になるという。

 同社は現在、ハワイでオアフ島とハワイ島にプリンスホテルブランドを1件ずつ展開。オアフ島の「プリンスワイキキ」は日本人客の利用度も高く90%を超える稼働率だが、「ハプナビーチプリンスホテル」は米国客が中心で苦戦を強いられていた。今回、ホテル名から初めて「プリンス」を外すことで立地や顧客のニーズに柔軟に対応する狙いがある。

 西武HDが3日に発表した17年4~6月期の連結決算では営業利益が前年比47%増の170億円と、同期としては過去最高だった。鉄道事業が好調を維持し、旧赤坂プリンス跡地の複合ビルの収益も大きく貢献した。

 ホテル事業も昨年改装した都内シティホテルの営業再開が売り上げを押し上げている。一方で、ハワイ事業は苦戦が続いていることから、知名度が高い「ウェスティン」ブランドとのタッグにより海外での顧客獲得の狙いは明確である。今後も伝統ある「プリンス」ブランドを外した同社の柔軟な動きには注目をしていきたい。

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