国内株式市場見通し:改めてトランプ物色が強まるか注目

2016年12月24日 14:39

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記事提供元:フィスコ

*14:39JST 国内株式市場見通し:改めてトランプ物色が強まるか注目
先週の日経平均は上昇。21日には一時19592.90円まで上げ幅を広げる.場面もみられた。この週は日銀の金融政策決定会合に関心が集まる中、予想通りの現状維持を決定。日銀総裁の会見では「円安が今の時点で行き過ぎとか弊害あるとの見通しない」との発言が伝わるなど、日米金利差拡大を背景とした円先安感などが買い安心感につながった。

しかし、3連休を控えていることもあって積極的な売買は手控えられており、出来高は4営業日のうち3営業日が20億株を下回る状況。日経平均は高値もち合いのなか、持ち高調整による利益確定の売り等も観測された。ただ、米国ではNYダウが2万ドルの大台にあと13ドル程度に迫るなど、トランプ政権に対する期待から先高期待は強い。日経平均も5日線レベルでの底堅さが意識されていた。

今週は大納会を迎える。連休明けにより、改めて物色意欲が強まるかが注目されるところ。日経平均は続落ながらも小幅な下げにとどまっているほか、メガバンクの底堅い値動きをみると、トランプ政権に対する物色意欲の強さも窺える。参加者は限られようが、指値状況の薄い中、小さなエネルギーでトレンドが強まりやすい需給状況となる。また、参加者が限られる中での年内のこう着は想定内であり、完全に年末モードからこう着感が強まるようであれば、直近IPOなどに短期の値幅取り狙いの資金が集中しやすい。ただし、市場のムードとしては、トランプ政権に対する思惑や2017年のテーマ等への物色が意識されそうだ。

2016年は英国のブレグジット、米大統領選での予想が裏切られる波乱の年だったが、トランプ政権への期待が高まるなか、海外勢の買い越し基調によって日経平均は年初来高値を更新し、2万円の大台に迫ってきている。足元で高止まりが続いているが、11月からの海外勢の買い越し基調が継続しているなか、需給変化がみられるまではトレンドに逆らう必要はない信用需給では売り方の評価損益率は-15%を超えており、14年9月26日時点以来となる。

トランプ物色が再燃するようであれば、インフラ関連や金融株に関心が集まるとみられる。年が明けた4日には米FOMC議事録、6日には12月の米雇用統計が発表される。2017年の利上げペースへの思惑等にもつながるため、予想されるペースより早いピッチでの利上げへの見方が強まるようだと、ドル高・円安傾向を強める一因になるため、これが株式市場の変動要因になりそうだ。また、5日から8日まで米ラスベガスで世界最大規模の家電見本市(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー :CES 2017)が開催される。モノのインターネットとされるIoT(インターネットオブシングス)、AI(人工知能)、VR(バーチャルリアリティ)とAR(拡張現実)といった流れに向かいやすい。また、8日から米デトロイトで北米自動車ショーが開催される。PHV(プラグインハイブリッド)EV(電気自動車)、安全支援機能、自動運転車などに関心が集まりそうである。

日経平均は足元のこう着からMACDなどのテクニカル指標は陰転シグナルを発生しており、やや調整ムードが強まりやすい。しかし、2日続落は幾度もあるが、3日続落となると7月22日~26日以来となる。トランプ政権に対する期待や海外勢の買い越し基調を背景に、連休明けは買い先行が意識され、年末高に期待したいところである。《FA》

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