阪大、核融合燃料を2000万度まで加熱することに成功

2015年5月31日 23:15

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 大阪大学の北川米喜特任教授と有川安信講師らの研究チームは、世界最大のペタワットレーザー「LFEX」を用いて、核融合燃料をおよそ2000万度に加熱することに成功した。

 核融合は、太陽エネルギーの源で、地上で実現しようという試みが過去60年以上にわたり続いている。

 今回の研究では、緑色の爆縮用光レーザー2ビームで燃料コアを形成し、その直角方向から赤色の加熱レーザーを直接に照射加熱することで、加熱前と比べて1000倍の核融合反応の増大を確認し、爆縮コア温度が2000万度近くに達していることを示した。太陽中心の温度が1500万度といわれているため、今回の成果は、高速点火方式で、太陽中心温度を越えたことになる。

 研究メンバーは「今回世界のトップレベルの研究組織である大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの大型レーザー『LFEX』を用いて光産業創成大学院大学ほかの11研究機関が産学官一体となって2000万度の加熱を実証したことは日本の研究レベルが世界最先端にあることを示すことであり今後の研究の発展が大いに期待できる。」とコメントしている。

 なお、この内容は「Physical Review Letters」に掲載された。論文タイトルは、「Direct Heating of a Laser-Imploded Core by UltraIntense Laser-Driven Ions」。

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