日立、極地研での人工衛星や南極域・北極域からの観測データ解析システムを稼働開始

2015年1月26日 15:24

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日立製作所が開発した、人工衛星や南極域・北極域の観測地から送信される観測データの解析を行うための研究用システム「極域科学コンピューターシステム」の概要を示す図(日立の発表資料より)

日立製作所が開発した、人工衛星や南極域・北極域の観測地から送信される観測データの解析を行うための研究用システム「極域科学コンピューターシステム」の概要を示す図(日立の発表資料より)[写真拡大]

  • 日立製作所が開発した、人工衛星や南極域・北極域の観測地から送信される観測データの解析を行うための研究用システム「極域科学コンピューターシステム」の外観(日立の発表資料より)

 日立製作所は26日、大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所(極地研)における人工衛星や南極域・北極域の観測地から送信される観測データの解析を行うための研究用システム「極域科学コンピューターシステム」の構築を完了したと発表した。極地研は、2月1日からシステムの稼働を開始する。

 このシステムはスーパーテクニカルサーバ「SR24000シリーズ」を中核として、従来システム比約5.6倍となる合計40.4TFLOPSの総合理論演算性能、従来システム比約6.5倍のデータ転送速度で、観測データの解析時間を約4分の1に短縮する。また、総メモリ容量を従来システム比約9.3倍の18.5TBに増強したことで、解析に利用する観測データ量を大幅に拡大し、解析精度を約8倍に向上した。

 例えば、地球環境に大きな影響を及ぼす南極域・北極域における気候・海洋変動のメカニズムを解明する研究に活用され、地球における将来的な気候変動の予測に寄与することが期待できるという。また、オーロラ現象と太陽風による磁気圏変動の因果関係など、宇宙空間の環境変化を解明する地球磁気圏物理分野の研究にも活用される。 なお、極地研に所属する研究者のほか、極地研と共同研究を行う大学や関連研究機関に所属する全国の研究者に共同利用される。

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