「夢」を買うテーマ相場から、現実の「業績」を買う展開へ=犬丸正寛の相場展望

2014年10月24日 16:20

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 来週からしばらくは、『夢は要らない、業績が欲しい』という展開が予想される。政府の経済政策などマクロには期待できず、これから発表が本格化する9月中間決算のミクロに注目する相場展開といえそうだ。

 閣僚のゴタゴタで消費税10%判断を前に政府の経済政策はもたついている。期待されたカジノも雲行きが怪しくなっている。とくに、証券コード番号という背番号を持たない非上場企業及び一般庶民の景気は芳しくない。アベノミクスが狙いとする全国津々浦々まで景気回復を実感する、という状況には程遠い。マクロの景気面では相場は強気になり難い。

 これをカバーできるのが、背番号を持つ上場企業の9月中間決算といえる。トヨタ自動車の9月中間期営業利益は円安効果、アメリカ景気の好調効果などで最高益と報道されている。

 アメリカ向け輸出が多く、円安効果の見込める銘柄には好調な決算が予想される、株価も好反応が予想される。

 ただ、ポイントは9月中間決算は良くても今3月期通期がどのていど増額修正されるかである。たとえば、日経平均の予想1株利益が直近の1034円が1100円前後まで上向くかどうかである。

 NYダウが上伸しているのもダウ予想1株利益が1080ドルと高水準にあるからだ。日経平均も1株利益が向上するようなら一段高は期待される。今後は日経平均予想1株利益の動向を見守る展開とみられる。

 物色対象は、9月中間決算の発表が一巡まるまでは、新興系の「夢」を求める銘柄の人気は一服だろう。当面は、「好決算」がもっともおいしい材料だからである。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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