東大、ヒトからハエまで共通した頭部を形成する遺伝子メカニズムを解明

2014年7月11日 23:08

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ネッタイツメガエル胚における頭部欠損胚。正常胚(上)と、Otx2、Lim1、Gscの機能喪失による頭部欠損胚(下)を示す(東京大学の発表資料より)

ネッタイツメガエル胚における頭部欠損胚。正常胚(上)と、Otx2、Lim1、Gscの機能喪失による頭部欠損胚(下)を示す(東京大学の発表資料より)[写真拡大]

  • アフリカツメガエル胚における頭部誘導。この実験ではGscを除いた「頭部オーガナイザーカクテル」の合成mRNAを4細胞期の腹側にガラス管を用いて顕微鏡下で注入して、第二の頭部を誘導した(東京大学の発表資料より)

 東京大学の平良眞規准教授・安岡有理博士らによる研究グループは、ツメガエルを用いた研究によって頭部を形成する遺伝子のメカニズムを明らかにした。

 遺伝子の働きを操作する遺伝子制御タンパク質のうち、Otxタンパク質はヒトからハエまで頭部を持つ動物に共通して存在している。しかし、ヒトとハエの頭部は全く違う形態を持っており、どのようにしてその違いが生まれるのかは明らかになっていなかった。

 今回の研究では、ツメガエルの胚を用いて実験をおこなったところ、Otxは別の遺伝子制御タンパク質Lim1と一緒に標的遺伝子を活性化し、Gscと一緒に標的遺伝子を抑制することで頭部の形成に寄与していることが分かった。

 この結果からは、Otxが胚の中で頭部という場を決め、その場所でどのような形態を作るかは、Otxが一緒に結合する他の遺伝子制御タンパク質によって決まり、頭部形成に必要な遺伝子を活性化し、頭部形成を妨げる遺伝子を抑制することで、ヒトとハエはそれぞれ7億年をかけて異なる頭部を進化させてきたと示唆される。

 今回の研究成果は、頭部が形成されるメカニズムの一端を解明したことで、異なる形態の頭部が進化してきた道筋を知る手掛かりになると期待されている。

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