【アナリストの眼】マルサンアイ株価動意、「ひとつ上の豆乳」ブランド育成に期待

2012年11月28日 10:54

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<業績&株価分析>

  マルサンアイ <2551> (名2)は大豆を利用した食品メーカーで、業界2位の豆乳と業界4位のみそを主力としている。健康志向の高まりを背景に豆乳事業が好調であり、収益拡大が期待されるだろう。

  今期(13年9月期)連結業績の会社予想は、第2四半期累計(12年10月~13年3月期)では売上高が前年同期比4.6%増、営業利益が同5.5%減、経常利益が同27.9%減、純利益が同15.1%減の増収減益見込みだが、通期では売上高が前期比2.6%増、営業利益が同18.7%増、経常利益が同9.3%増、純利益が同37.6%増の増収増益見込みとしている。第2四半期累計は原料の大豆価格上昇の影響などで減益見込みだが、通期ベースでは拡販効果などで増益見込みの模様だ。

  みそ事業は前期が生みその需要減少や販売価格下落などで低調だったが、今期は工場統合による固定費削減などの効果に加えて、中国に設立した販売子会社による海外市場強化、業務用販路の新規開拓などの戦略を掲げている。健康志向の高まりを背景に好調な豆乳飲料事業は「ひとつ上の豆乳」ブランドの育成、業務用やネット通販など新規販路の開拓、ヘリキャップ導入による拡販、中部エリア限定販売の豆乳グルト(ヨーグルト風の食べる豆乳)の販売地域拡大などの戦略を掲げている。

  株価の動きを見ると、10月31日に直近高値となる415円、11月12日に直近安値となる394円を付ける場面があったが、足元では概ね400円近辺のレンジで推移している。27日の終値405円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS24円50銭で算出)は16~17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は1%台半ば、実績PBR(前期実績の連結BPS249円72銭で算出)は1.6倍台となる。

  週足チャートで見ると26週移動平均線を挟んで小動きだが、下値を着実に切り上げて戻り高値圏に回帰している。今期の好業績見通しや豆乳事業の成長性を評価して、8月15日に付けた年初来高値419円を試す展開が期待されそうだ。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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