テクマトリックス:東京証券取引所のアナリスト協会で個人投資家向け説明会を開催

2012年4月2日 16:36

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

■リーマン・ショックの影響を受けたものの、業績は回復

  テクマトリックス <3762> (東2)は21日、東京証券取引所のアナリスト協会で個人投資家向け説明会を開催した。

  代表取締役社長由利孝氏は、テクマトリックスについて、事業環境、取組み、業績と見通しの順で説明を行った。

  同社は1984年にニチメンデータシステム(株)としてスタートしたが、2000年に社名を現在のテクマトリックス(株)に変更した。地方拠点は、大阪支店、九州営業所、名古屋営業所、仙台営業所の4拠点。従業員数は2011年12月末現在で、868名。連結子会社は、合同会社医知悟、クロス・ヘッド(株)、沖縄クロス・ヘッド(株)、エヌ・シー・エル・コミュニケーション(株)、(株)カサレアルの5社である。

  第3四半期業績の過去3年間の推移を見ると、10年第3四半期売上高97億92百万円、営業利益2億2百万円、11年第3四半期売上高99億46百万円、営業利益2億53百万円、12年第3四半期売上高109億11百万円、営業利益5億63百万円と08年9月15日に発生したリーマン・ショックの影響を受けたものの、業績は回復している。

■事業は情報基盤事業とアプリケーション・サービス事業の2つ

  「私共の事業、どういう仕事をしているかということですけれども、我々はIT系の企業といっていますが、ITといっても非常に幅が広いので、もう少し分かりやすく言いますと、基本的には個人向けではなく、企業様向けの仕事を行っています。特に、コンピュータの仕組みを使って、業務の効率化を図ったり、インターネットを使った色々なサービスを開始するとか、インターネットの回線に係るようなネットワークに関するものを構築したりする事業を展開しています。基本的にはコンピュータ技術を持った集団といえます。事業は、情報基盤事業とアプリケーション・サービス事業に分けることができます。情報基盤というのは、まさに基盤なんですが、コンピュータのシステムの場合は、サーバーといわれるコンピュータ機器、あるいはネットワークに接続するネットワーク機器であるとか、あるいはストレージといわれているデータを蓄積する仕組みであったり、あるいはコンピュータのセキュリティを維持するための仕組みであったり、まさに基盤となる様な主なハードウェアの事業があります。その中でもネットワークとセキュリティとに分かれています。基本的にはハードウェアを中心にした基盤の技術を提供する部隊です。もう一つのアプリケーション・サービスは、こちらはどちらかというと、ソフトウェアの技術なので、今申し上げたような基盤の上でプログラム、ソフトウェアが走ることになります。そのソフトウェアが、どの様なものに使われるかということで、いくつかの分野に事業が分かれています。現在5つの事業(医療、コンタクトセンターCRM、インターネット・サービス、金融、ソフトウェア品質保証)がございます」と事業分野について紹介した。

■事業環境は所有から利用へ移りクラウドの時代

  現在の事業環境に関しては、「今我々が行っているビジネスの中で、大きな流れができています。従来コンピュータの設備というのは、企業様が、企業毎に設備を買って、資産を買って、償却しながら運用していくというのが一般的でありました。ところが最近は、皆様もよく耳にするクラウドという流れが出てきています。これは、一つはデータセンターという、自社内ではない、地震や災害に対しても非常に堅牢な設備の中にコンピュータを置いて、企業はそこにある設備をインターネットで使うようになってきています。今までのように所有するのではなく、第三者のサービスを利用するように変わってきています。これが何故実現できるかというと、一つには、今日本ではインターネットの高速回線が世界で一番安く使えるためです。従いまして、大量のデータをストレス無くやり取りすることができます。もう一つには、セキュリティの技術が発達しましたので、外部にデータを置いていても、其処を攻撃されて、データを盗まれるというリスクが減ってきていることが挙げられます。それからもう一つは専門的になるのですが、仮想化という技術がここ数年で大幅に進展したことです。様々な会社様が様々な設備を使うとしたら、たくさんの台数のコンピュータ設備を用意しなければならないのかということになりますが、仮想化の技術は複数のコンピュータを繋ぎ合せて、まるで一つの大きなコンピュータのように使うとか、また、あるいは大きなコンピュータを分割して、複数のユーザーがそれぞれ別々使うとか、物理的な制約を超越してしまう技術が進展しました。結果的に、設備をデータセンター側に用意して、其処にあるプログラムなり、サービスをインターネット越しに使うという大きな流れになってきています。これは一つのきっかけというのは、リーマン・ショック以降、各企業様がコストダウンしなければならないということで、大きな初期投資をしないでも、月々利用した月額料金だけで使えるようにしたいというニーズがあります。それから、自社で設備を抱えるということが、自社内で色々なエンジニアを採用して運用の業務であるとか、日々使えるようにしておかなければならないことから、その様なコストを削減するために、クラウドを使用するという流れになっています」とこれまでの設備・資産の所有から、利用するクラウドの時代になっていることを説明。

■BCPが今期の業績にとってプラス材料

  その様な事業環境の中で、同社が取組んでいる事業について紹介が行われた。まず、BCPに関する事業について、「BCPというのは事業継続計画という意味です。東日本大震災が昨年発生したことで、我々IT業界も大きな衝撃を受けました。データセンターのような堅牢な設備の中にコンピュータ設備を入れていなくて、自社内に設置していて、倒れて動かなくなった場合、どうやって復旧させればいいのか、あるいは、東京が震災地となった場合、データセンターも被災し、ビジネスが止まってしまうのではないか、そのため、東京以外の地域にコンピュータ設備を分散する必要があるのではないか、あるいは放射能が漏れたことで、屋外に出ることが出来ない場合、自宅から会社のシステムを利用できるようにする必要があるのではないか、その様なことを考えなければならないということです。クラウドの話にも繋がるのですけれども、震災という一つのきっかけが、コンピュータの設備をより頑丈にして複数の拠点に分散させるか、或いは、クラウドで利用するという流れが促進したということであります。リーマン・ショック以降、各企業様が設備投資を控えていたということで、脆弱性が露呈したということだといえます。従いまして、このBCP需要が今期の業績にとってプラス材料となっています」とBCP関連の事業が増加している理由を紹介した。

■『パロアルト』がネットセキュリティ製品のグランプリを受賞

  サイバー攻撃に関しては、「去年多くの企業、政府の機関がサイバー攻撃に晒されました。意図的に情報を盗むために侵入し、内部から外部に情報を送り出したり、企業のシステムを停止させてしまう行為です。多くの企業はかなりの費用を掛けて防御していますけれども、それでも実際日本の大手企業、政府機関が攻撃されました。昨今の攻撃は非常に巧妙であるため、より高度なセキュリティ技術が必要となってきています。その様な中で、我々が扱っている製品『パロアルト』がネットセキュリティ製品のグランプリを受賞しました。これは、外部からの攻撃を防ぐファイアーウォールという仕組みだけではなく、昨今は内部から外に情報を流すという例が多いことから、中の社員がどのような事をしているか見ることが出来る仕組みになっています。この製品が今期待の成長株になっています」とサイバー攻撃対応製品を紹介した。

■コールセンターのCRM事業で大きなシェアを占める

  「アプリケーション事業の中で、我々がどのような取組をしているかということですが、一つはコールセンター向けの業務が挙げられます。CRM(カスタマー・リレーション・マネジメント)事業というお客様との関係をどの様に管理するか、主にはお客様の問合せを受け付ける業務です。例えばコンピュータの使い方が分からないとか、或いはこういう契約を申し込みたいのだか、或いはこのコースに加入したいとか、不都合があってどうにかしてもらいたいとか、様々な質問を受け付けるコールセンターというのがあります。大体大手の企業様はその様な部署を持っています。これまでは電話でコンタクトするのが普通でありましたが、現在はメールであるとか、携帯、Web、パソコンから色んなチャネルから問合せが来ます。だけど我々が提供しています仕組みを使いますと、例えば電話が掛かってきた時、ナンバーディスプレーが登録されていれば、コンピュータを検索して、そのお客様が誰であって、過去にどんなお取引をしていて、どんな商品を買っているか、或いは過去にどのようなお問合せが来て、どのような返答をしているのかその様な過去のデータが検索できるような仕組みになっていて、そういったコールセンターで使われる仕組みを日本で約550社程使っていただいていまして、この分野では非常に大きなシェアをいただいています。この装置をこれまでは企業様毎にシステムを納めていたのですが、そうではなくて我々がクラウドで設備を運営して、お客様にはインターネット越しにクラウドサービスを利用してもらい、コールセンターではパソコン端末だけを使っていただくということを行っています。事業としましても黒字化し始めています。一つはお客様から見るとコストの削減、いわゆる初期投資を小さくできます。また、システムを運営するスタッフを雇わなくてもよいうえに、運用から保守までこちらで行います。また、システムを自前で構築すると時間がかかりますが、ある設備をそのまま使っていただくので、加入していただければすぐ使えます。そのため、我々の事業もクラウド化しつつあります」とコールセンターのCRM事業でも同社が大きなシェアを占めていることを紹介した。

■医療分野で活躍する医知悟LLC

  「医療分野については、我々は10年以上取組んでいます。医療機関、病院内では検査の目的でCTとかMRIとか撮影します。そうすると医用画像が出てきます。かつてはこの画像をフィルムに出力していましたが、今はフィルムではなくてデジタルでコンピュータに保存するのが当り前になってきております。ただ問題がありまして、色んな検査をするのはよろしいのですが、病院の数が日本には約9,000あるといわれていますが、一方で、画像を診断できる放射線科専門の医師は約5,500名ほどです。ということは一つの病院に一人の専門医がいないということになります。そのため、その専門医は、自分の病院以外の他の病院に行って、画像を読んだり、場合によってはフィルムに出して送ってもらったり、それを読んで送り返したりと、非常に非効率なことも行っています。これを何とかしようということで、我々は、医療画像システムを300以上の病院に納め事業として行っていますが、各病院にコンピュータベースの画像システムが入るだけでは足りない部分があるということで、我々は子会社を一つ作りまして、それが医知悟というものです。医知悟はインターネットを通して画像をやりとりします。病院で検査したが、診断してくれる先生がいないときは、我々のサービスを使い、インターネットで画像を送り、読影医と呼ばれる放射線の専門医が、例えば自宅で読むとか、或いは常勤の病院で読むとかして、遠隔にいても医師が画像診断できるシステムを提供できるのが医知悟というサービスです。これもクラウドといえます」と医療画像を遠隔で読影するシステムを紹介した。

■楽天市場を支える楽楽バックオフィス

  「それから三つ目がネットショップ向けのクラウドサービスです。皆さんご存じの楽天市場では、色々な商品を買うことができます。楽天市場で実際モノを売っている店舗は、数万店舗ほどあります。楽天は一つのデパートのように見えていますけれども、実際には裏側でリアルにモノを売っている仕事をしていることを含めて、お店を持っている人達がいます。楽天の仕組みで皆さんは簡単にモノが買えて、配送されて、家に配送されるという仕組みになっていますが、ネットショップそのものの中身を見ますと、在庫からの引き落としであるとか、宅急便で配送する手配とか、或いは、クレジットカードの認証であるとか、受注データの管理であるとか、そういったネットショップ側のバックオフィス業務がございます。楽天の仕組みは、ネットショップとモノの情報を掲載して、お金を決済することは行っているのですが、リアルな部分でのモノの出荷、伝票・納品書を入れるとか、そういった物理的な部分を完全にカバーしていませんので、楽天のサービスのネットショップ側の人達をご支援するような仕組みを我々で開発しました。ネットショップ側で楽天のサービスを活用しつつ我々の楽楽バックオフィスを使っていただいて、各ネットショップさんはインターネット越しに我々の仕組みを使っていただくということが可能です」とネットショップ向けのサービスでも事業を展開している。

■システムの運用・保守を行うクロス・ヘッド(株)

  「我々は、医療画像、ネットショップ向けのサービス等色々なシステムを開発していますが、システムをおさめたあとで、お客様のところに常駐してシステムの運用・保守を行う会社として、クロス・ヘッド(株)という子会社を持っています。あるいは我々が納めたシステムがトラブルになったときに、それを修理しに行くためのアフターケアを行う会社です。この様にグループ企業の力を集結しまして、お客様の業務を支援するというのが我々の仕事です」と子会社クロス・ヘッド(株)の役割を紹介した。

■医用画像に関するスマートフォンの活用

  医用画像とスマートフォンを組合わせた取組みについても、「スマートフォンの登場で、画面の大きな携帯電話が普及していますが、これ自体はかなりの性能がありまして、携帯電話なんですけれどもパソコンに近いことが色々できます。例えば、企業であるとか病院であるとか色んな局面で使われるシステムに関して、こういったデバイスをうまく使っていきましょうということになってきています。ひとつは先程申し上げました医療の画像の部分、そして遠隔医療の部分ですけれども、そういったシステムの中で、この携帯端末をうまく使いましょうということで、先生が今日は当直でなくて、もう帰宅しているんですという場合に、緊急で入院された患者さんがいて、緊急で撮影して、すぐに診断しなければいけない場合に、帰宅している先生に携帯型の端末ですぐ診ることによって対応しましょうということができます」と高機能化した携帯端末の画像を活用し、医療の分野でも活用できる。

  この他にも、楽天証券専用に開発したスマートフォン専用の最先端の総合トレーディングツール、同じくスマートフォンを利用した次世代観光ナビゲーションシステム「おもてナビ」、ソフトウェア品質ソリューションについても詳しく紹介された。特に最後のソフトウェア品質ソリューションに関しては、組込ソフトに関する機能安全規格であり、機能安全規格で認証が取れない場合は、欧米への輸出が禁止される場合もあることから、自動車会社、家電メーカーにとっては最重要視され課題である。この点、同社は、組込ソフトの品質を向上させることに関しては、16年の実績を持っていることから今後の事業拡大が期待できる。

  今期12年3月期連結業績予想は、売上高147億円(前期比3.3%減)、営業利益8億80百万円(同32.1%増)、経常利益8億80百万円(同29.6%増)、純利益4億(同114.8%増)と大幅増益を見込む。

  売上高については、前期は子会社3社が決算期変更の影響で15ヶ月決算となったことから今期減収を見込んでいるが、実質は増収大幅増益といえる。

  2日の株価は1,800円高の61,700円で引けているが、PER9.3倍、PBR0.77倍、配当利回り4.05%と割負け感が強い。株価の見直しが予想される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【株式市場】自動車株は高安マチマチに転じるもののソニーなどは堅調(2012/04/02)
【太陽光発電関連ワンコメント】創エネ・蓄エネ住宅の積水は、増配へ(2012/04/02)
【介護サービス関連特集(1)】市場は高齢者の増加を背景に拡大基調(2012/03/25)
【再生可能エネルギー特集(3)】発電装置の役割を担う太陽電池(2012/04/01)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事