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大日本スクリーンと大阪大学 太陽電池の瞬間的な発電の可視化に世界初成功

太陽電池から発生するテラヘルツ波(画像提供:大日本スクリーン製造)[写真拡大]
大日本スクリーン製造と大阪大学は25日、太陽電池に極めて短時間のレーザー光を照射することで発生するテラヘルツ波の検出に世界で初めて成功。従来は確認できなかった、1兆分の1秒という瞬間的な太陽電池の発電状態の可視化を実現したと発表した。「この現象を太陽電池の発電効率向上につながる技術と考え、今後、実用化に向けた研究をさらに進めていく」と同社および大阪大学はコメントしている。
テラヘルツ波は、X線や可視光などの光と、無線やレーダーに代表される電波との境界の波長を持つ電磁波で、物質を透過しやすく、また相互作用によって物質を分析できるという特長を備えている。その半面、発生源や検出手法などに課題が多く、未開拓の電磁波領域といわれていた。しかし、近年の研究の進展によって開発が進み、現在では、空港のセキュリティーチェックや非破壊検査など、さまざまな分野での応用が期待されている。
一方、太陽光発電は、地球温暖化防止だけでなく安全な自然エネルギーとして、その活用に一層注目が集まっている。しかし、一般家庭から発電所まで幅広い普及を実現するためには、製造コストや設置スペースなど長年の課題を克服する必要があるため、発電効率の向上は関連業界において最大のテーマとなっている。地球に降り注ぐ太陽エネルギーを100%変換できれば、世界の年間消費エネルギーをわずか1時間で賄えるといわれていることから、太陽電池の発電効率の向上は今後のエネルギー問題を解決する大きな鍵となるという。
このような動向を受け、大日本スクリーンと大阪大学は、太陽電池におけるテラヘルツ波検出・分析技術に関する共同研究を進め、今回1兆分の1秒という太陽電池の瞬間的な発電状態の可視化に世界で初めて成功。大阪大学が開発したレーザーテラヘルツ放射顕微鏡(LTEM)と、大日本スクリーンが培ってきた計測・画像処理技術を活用し、太陽電池にレーザー光を極めて短い時間照射することにより、発生したテラヘルツ波の状態を非接触で計測することを可能にした。
「これにより、太陽電池内部の発電の仕組みを詳しく解析できるため、より発電効率に優れた太陽電池の開発や評価につながる大きな可能性を持った技術となっている」と大日本スクリーンと大阪大学はコメントしている。
大日本スクリーンと大阪大学は、今回の共同研究の成果を踏まえ、今後もテラヘルツ波検出・分析技術の応用展開を推進し、エネルギー問題を解決する最有力手段として期待される太陽電池業界を担う、新たな製造技術の確立を目指す。
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