社会的養護から巣立った子ども・若者たちを応援する「首都圏若者サポートネットワーク」がシンポジウムを開催

プレスリリース発表元企業:生活クラブ事業連合生活協同組合連合会

配信日時: 2018-10-11 13:21:40

首都圏若者サポートネットワークの活動内容と社会的養護の実情を紹介する「社会的養護から巣立った若者を応援する~困難を乗り越えられる社会・地域へ~」を開催しました

児童養護施設や里親など「社会的養護」と呼ばれる公的な支援のもとで育った子どもや若者たちを支援する「首都圏若者サポートネットワーク」(東京都港区、運営委員長:宮本みち子、顧問:村木厚子)が生活クラブ事業連合生活協同組合連合会(本部:東京都新宿区、会員生協組合員数:39万人)との共催で2018年10月4日、シンポジウムを開催しました。
社会的養護から巣立った若者の実情や彼らの直面する困難に寄り添う活動の報告と、彼らを支える社会・地域づくりを考えるパネルディスカッションが行なわれ、200人以上が参加しました。



[画像1: https://prtimes.jp/i/2456/365/resize/d2456-365-684549-0.jpg ]



児童養護施設や里親など「社会的養護」と呼ばれる公的な支援のもとで育つ子どもたちは、現在の制度では、18歳になると施設や里親家庭を出て自立することを求められます。その後、経済的・精神的自立までに困難に直面することが多く、施設の職員など意志ある伴走者たちの持ち出しによる支援で支えられているのが現状です。
「首都圏若者サポートネットワーク」は、そのような子ども・若者たちが社会のなかでみずからの力を発揮して生きていくことを応援する民間のネットワークです。

■困難に直面している子ども・若者たちの現実と伴走者の必要性
シンポジウムは顧問の村木厚子さん(元厚生労働事務次官)による基調講演「すべての子どものために」から始まりました。村木さんは「日本の社会福祉保障は子どもに向けて施策がまだまだ手薄い。その中でも一番厳しい状況にあるのが公的支援を受け終えた若者を支える分野で、熱意ある支援者たちに頼っているのが現状です。ですから、首都圏若者サポートネットワークでは支援者の活動などに助成する「若者おうえん基金」を立ち上げ、寄付を募っています。また、寄付だけでなく支え続ける地域づくりに多くの人が参画してほしい」と呼びかけました。


次に実際に支援活動を行なっている2団体から報告がありました。児童養護施設などを退所した若者たちの就労自立を支援してきた「自立援助ホーム湘南つばさの家」ホーム長の前川礼彦さんは、若者たちの自立を阻む環境要因を挙げ、既存の制度を超えた社会的資源・伴走者の必要性を訴えました。周りに頼れる大人がいない若者たちの生活、仕事、進学などのサポートを行なっている「アフターケア相談室ゆずりは」所長高橋亜美さんは、施設退所後に直面する重労働・性産業への従事・妊娠・自殺・借金などの現実を伝え、そこから人が回復する力は寄り添い続けてくれる人や場所の存在で育まれると話しました。

報告を受けて、首都圏若者サポートネットワークが取組む「若者おうえん基金」の説明や助成金の給付、就労・キャリア支援、調査研究・政策提言などの事業説明がされました。

■困難を乗り越えられる社会・地域を作り出すため


続いて、「若者おうえん基金」おうえん団長の歌手の加藤登紀子さんが登壇し、「無条件に生きることを喜び、祝福できる世の中に変えなくちゃ。お金も必要だけど人間の力を信じるビジョンもあるといい。自然やみんなでワイワイ楽しみながら支援し、一緒に生きられる場所を作ることを目指しましょう」とエールがありました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/2456/365/resize/d2456-365-139422-1.jpg ]

パネルディスカッションでは、伊藤由理子さん(生活クラブ連合会常務理事)、中根康子さん(くらしサポートウィズ)と前出の前川礼彦さん、高橋亜美さんが登壇。困難を乗り越えられる社会・地域を作り出すために、中根さんからは生協が行なっている相談事業からみえる課題や就労支援などが紹介されました。伊藤さんからは生活クラブグループが取り組む多様な福祉事業に若者たちの就労の可能性があること、首都圏若者サポートネットワークと連携して東京・神奈川・埼玉の生活クラブ生協で、「若者おうえん基金」造成カンパに取組むことを始め、息の長い支援活動をするとの報告がありました。

質疑応答では、会場の施設出身者から、紹介された取り組みへの感謝と期待が話され、温かい拍手が起きました。
首都圏若者サポートネットワークに多くの人が関心を持ち、その活動に賛同して、困難に直面する若者と共に生きる社会の実現に向けて一歩前進するシンポジウムとなりました。

シンポジウム『社会的養護から巣立った若者を応援する~困難を乗り越えられる社会・地域へ~』概要
主催:首都圏若者サポートネットワーク
共催:生活クラブ事業連合生活協同組合連合会
後援:生活協同組合パルシステム東京
■開催日時:2018年10月4日 18時半〰21時20分
■会場  :角筈区民ホール(新宿区西新宿4-33-7)
■プログラム
 開会挨拶:宮本みち子氏(放送大学名誉教授)
 基調講演:村木厚子氏(元厚生労働事務次官)
 報告1 :前川礼彦氏(自立援助ホーム湘南つばさの家 ホーム長)
 報告2 :高橋亜美氏(アフターケア相談所 ゆずりは 所長)
 事業説明:池本修悟 (首都圏若者サポートネットワーク事務局長)
 パネルディスカッション
  コーディネーター: 早川悟司氏(児童養護施設 子供の家 施設長)
  パネラー:伊藤由理子氏(生活クラブ連合会 常務理事) 
       高橋亜美氏(アフターケア相談所 ゆずりは 所長)
       中根康子氏(くらしサポートウィズ)
       前川礼彦氏(自立援助ホーム湘南つばさの家 ホーム長)
  特別コメンテーター:加藤登紀子氏(若者おうえん基金 おうえん団長)
 閉会挨拶:池田徹氏(一般社団法人ユニバーサル志縁センター 代表理事)

▼首都圏若者サポートネットワークについてはこちら
https://www.wakamono-support.net/
▼若者おうえん基金についてはこちら
http://seikatsuclub.coop/activity/20180831support.html

▼生活クラブ連合会についてはこちら
http://www.seikatsuclub.coop

PR TIMESプレスリリース詳細へ