減益一色から一転、ほぼ全業種が増益に 陸運は黒字転換だが、空運は赤字続く
配信日時: 2021-06-17 14:00:00
最新決算を踏まえて四季報が全社の業績を独自に予想
3月期決算会社の2021年3月期本決算が出そろいました。株式会社東洋経済新報社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:駒橋憲一)では、業界担当記者が決算発表を受けて取材を行い、全上場会社について独自に今期、来期の業績予想を見直しました。
四季報予想を集計した結果、今期(21年4月期~22年3月期、対象3453社)の予想営業利益は、全産業で営業利益が12.5%増加する見通しとなりました。なお前期に投資先の評価益が急膨張した反動から、大幅減益予想のソフトバンクグループを除いたベースで比べると、前期比33.7%増とさらに増益率が拡大します。
業種別では、空運が連続赤字、建設業と電気・ガス業が連続減益の予想です。また前期に黒字転換した石油・石炭製品は小幅減益、ソフトバンクグループが含まれる情報・通信業も減益見通しです。
一方、前期に赤字転落した陸運業は黒字転換します。残り 25業種は営業増益の見通しです(銀行業、保険業を除く)。中でも424.3%増と増益率が大きいのは鉄鋼です。世界的に鉄鋼需要が急回復している一方、供給力が追いつかず市況が高騰していることが主因です。
市場別に見ますと、東証1部企業は12.0%の営業増益です。これに対して、DX(デジタルトランスフォーメーション)化を追い風にする企業が多い新興市場の利益は436.5%増と急伸する見通しです。
新型コロナウイルスワクチンの接種が進んでおり、今後、消費活動が活発化していくことが期待されます。一方、将来の景気回復をすでに先取りしていたのか、日経平均株価やNYダウなどの主要株価指標は高値圏で停滞しています。金融市場で波乱があれば実態経済の回復の足を引っ張る可能性もあります。
(注)業種別、市場別業績集計の算出方法
『会社四季報 2021 年3集』掲載会社で、今期・来期の予想および実績2期分がある企業の業績を集計。実績・予想とも連結決算の数値を優先。ただし、決算期変更企業、連結決算方式変更企業、上場企業の子会社は除く。銀行、保険の営業利益は集計していない
[画像: https://prtimes.jp/i/4767/129/resize/d4767-129-141734-0.jpg ]
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