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Apple、新リース「Apple Upgrade」を米国で開始へ 月額負担は減るが端末を自動取得できず

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Appleは7月28日、Klarnaと提携した新たなリースプログラム「Apple Upgrade」を米国で開始する。これに伴い、支払いを終えれば端末を所有できる従来の「iPhone Upgrade Program」は、新規受け付けを終了する。月額負担を抑えられる一方、契約終了時に端末の所有権が自動的に移らないなど、消費者にとって重要な仕組みの変更となる。プログラムの詳しい料金や残価、早期アップグレード手数料などは、記事公開時点では明らかになっていない。
■Apple Upgradeの開始と従来プログラムの終了
Appleは7月28日(火)、Klarnaが提供するリースプログラム「Apple Upgrade」を開始する。対象となるのは、大半のiPhone、Mac、iPad、Apple Watchだ。訴求の中心は月額負担の軽減だが、仕組みの変更はマーケティング上の説明から受ける印象以上に大きい。BloombergのMark Gurman氏によると、Appleの小売事業の歴史上初めて、同社の販売チャネルを通じてハードウェアの購入資金を調達する米国の消費者は、支払期間の終了時に端末を自動的に所有できなくなる。
この変更はすぐに消費者へ影響する。Appleが同時に「iPhone Upgrade Program」の新規受け付けを終了するためだ。同プログラムは約10年前に始まった金利0%の分割払いローンで、数百万人の米国人が24カ月の支払いを終えた時点で端末を完全に所有できる仕組みだった。Apple Upgradeの開始後、Appleが用意するファイナンス手段を利用したい消費者は、リースを契約するか、代金を一括で支払うかの二者択一となる。第3の選択肢はない。
9to5Macによると、Appleの2026年度第3四半期決算説明会は、プログラム開始の2日後に当たる7月30日に予定されている。アナリストの間では、端末所有につながる従来の分割払いによる収入と比較して、リースによる収入が貸借対照表上でどのように扱われるのかについて、経営陣が厳しい質問を受けるとの見方が広がっている。
■Apple UpgradeとiPhone Upgrade Programの違い
AppleInsiderによると、Appleが2015年9月に開始したiPhone Upgrade Programは、24カ月の分割払いローンだった。顧客は毎月支払い、残高がゼロになると端末を所有できた。AppleCare+は当初から月々の支払いに組み込まれており、ローンの引受先はCitizens One Bankだった。Appleが顧客との関係を維持する一方、銀行が債権を保有する仕組みだった。
Apple Upgradeは、この仕組みを住宅ローン型の分割払いではなく、自動車のリースに近い本格的なリースへと置き換える。契約期間中、端末の法的な所有者は顧客ではなくKlarnaとなる。月々の支払いは端末の代金を完済するためのものではなく、資産を利用するための費用に当たる。TechCrunchによると、24カ月のiPhoneリース、または36カ月のMacやiPadのリースが終了した時点で、顧客には3つの選択肢がある。残価を支払って端末を買い取る、端末を返却する、または新しいモデルへアップグレードする、のいずれかだ。アップグレードでは、元の契約期間がどの程度残っているかによって追加料金が発生する可能性がある。
従来のプログラムと異なり、Apple UpgradeにはAppleCare+が含まれない。旧プログラムでは、偶発的な損傷や盗難などを補償するAppleのハードウェア保護プランが月々の支払いに組み込まれていた。9to5Macが消費者への影響を分析した記事で指摘しているように、Apple Upgradeで補償を希望する消費者はAppleCare+を別途購入する必要があり、実質的な月額負担は増える。補償に加入せず、リース中の端末を紛失したり偶発的に破損させたりした場合は、とりわけ大きな負担を負う可能性がある。手元にない端末についても月々の支払いが続き、契約終了時には残価の支払いが残るためだ。
AppleInsiderによると、このプログラムではApple Watch SE、標準モデルのiPad、iPhone 16、MacBook Neoが対象外となる。法人向けおよび教育向けの購入も利用できない。この対象外製品の構成には一定の共通点がある。いずれも、それぞれの製品ラインでエントリークラスに位置するモデルだ。Apple Upgradeは、Appleのエコシステムへ初めて入る顧客よりも、すでに製品を利用し、上位モデルを購入する顧客を主な対象としている。
■Klarnaがリース債権を保有する仕組みとその意味
Apple Upgradeの中核となる信用リスクの移転は、Appleにとってプログラムを財務的に成立させる一方、消費者とKlarnaの間に新たな契約上の依存関係を生み出す仕組みである。
この取り決めでは、顧客が契約すると、AppleではなくKlarnaが端末代金をAppleへ前払いする。その後、顧客は24カ月または36カ月にわたってKlarnaへ支払う。Appleはハードウェアの売上を直ちに計上できる。Klarnaはリース債権を貸借対照表に計上し、Appleが支払う加盟店手数料と、契約終了時に返却された端末から回収できる残存価値によって収益を得る。BNPL業界が公表している料率によると、後払い決済事業者が加盟店に請求する手数料は通常、取引額の2〜8%で、クレジットカードの1.3〜3.5%を上回る。
実務上、リースしたiPhoneについてKlarnaへの支払いを滞納した場合、問題を処理する相手はAppleではなくKlarnaになる。両者の関係にはKlarnaの利用規約が適用される。Cult of Macによると、iOS 27には、支払いの滞納時に端末の機能を制限する可能性がある「制限モード(Restricted Mode)」のコードが含まれていると報じられている。ただし、この機能がApple Upgradeの開始時に導入されることは確認されていない。
消費者の信用スコアに影響しないソフトクレジットチェックは、利用の間口を広げる仕組みであると同時に、信用リスクを示す要素でもある。BNPL事業者がソフトチェックを用いる背景には、利用者の相当部分が従来型の信用商品では審査を通過しない可能性があることが挙げられる。米消費者金融保護局(CFPB)が公表した調査によると、2022年にはBNPL利用者の63%が複数の未返済ローンを同時に抱えていた。また、同年に提供されたBNPLローンの約3分の2は、信用力がサブプライムまたはディープサブプライムに分類される利用者向けだった。
Klarnaは、5億1,800万ドル(約850億円、1ドル=164円換算)規模の重要なリスク移転(Significant Risk Transfer)取引も完了している。これは、金融事業者が消費者向け信用ポートフォリオの一部を機関投資家へ移し、自己資本の余力を確保するために使う証券化の仕組みである。この取引は、Klarnaが大規模な信用エクスポージャーを積極的に管理していることを示す。Appleの米国におけるハードウェアファイナンスのポートフォリオ全体を引き受ける企業を評価するうえで、重要な背景となる。
■Klarnaにとって複雑な局面での大きな成果
KlarnaにとってAppleとの提携は、1株40ドル(約6,560円)で公開価格が決まり、13億7,000万ドル(約2,247億円)を調達した2025年9月のニューヨーク証券取引所(NYSE)上場以来、最も重要な加盟店獲得となる。スウェーデンのフィンテック企業であるKlarnaは、当初の4回払いモデルから、高額商品の購入に対応するファイナンス商品へ事業を広げてきた。Apple Upgradeは、まさにその方向性を体現するものだ。
2026年第1四半期、Klarnaの米国における流通取引総額(GMV)は前年同期比33%増の約337億ドル(約5兆5,268億円)となった。高額商品の購入を主な対象とする長期型の「Fair Financing」ローンも大幅に増え、店頭分割払い全体の12%に達した。Appleとの提携により、Klarnaは世界でも特に価値の高い小売エコシステムの一つへ直接組み込まれることになる。
市場も反応した。Bloombergが7月21日に提携を報じると、Klarnaの株価は一時、前日比で最大9%上昇した。その後は上昇分の大半を失い、終値は1株約19ドル(約3,116円)となった。Keefe Bruyetteは「アウトパフォーム」の投資判断と26ドル(約4,264円)の目標株価を維持し、この提携によってKlarnaの米国加盟店市場での地位が強化されると指摘した。Goldman Sachs、UBS、JPMorganもここ数週間、KLARに「買い」または「オーバーウェイト」の投資判断を付けており、目標株価は22〜25ドル(約3,608〜4,100円)となっている。
一方、市場の短期的な反応だけでは見えない背景もある。KLARは現在、1株約17〜19ドル(約2,788〜3,116円)で取引されており、2025年9月のIPO価格である40ドルから約56%下落している。Appleとの提携発表は、上場後に低迷してきた株価を1日だけ大きく押し上げた形だ。Morningstarのアナリストは、同社の「ビジネスモデルはまだストレス局面で検証されていない」とし、「現在の低い延滞率は、ストレス局面における損失率を予測する指標として不十分である可能性がある」と指摘した。2025年第1四半期には、Klarnaの消費者向け信用事業における損失が前年同期比17%増加した。
Klarnaの投資家向け発表によると、次回の主要な決算発表は8月18日に予定されている。投資家は、Appleとの提携がGMVと収益性に及ぼす影響について、初期の兆候が示されるかどうかに注目することになる。
■月額払いでは見えにくい総コスト
Apple Upgradeが訴求するのは、高価なハードウェアを利用する際の月々の支出を抑えられる点だ。Appleが「前例のない」メモリーチップ不足を理由としてMacBookとiPadを最大300ドル(約4万9,000円)値上げした年に、費用を36カ月に分散すれば、購入時に示される月々の金額は小さくなる。Tim Cook氏はメモリーを巡る危機を「100年に1度の洪水」と表現し、AIデータセンターの増設によってDRAMの生産能力が民生用電子機器向けから奪われていることが原因だと説明した。調査会社TrendForceによると、DRAM価格は2026年第1四半期に98%上昇し、当四半期にはさらに58〜63%上昇すると予測されている。
しかし、月々の支払額が小さいことと、総コストが低いことは同じではない。
1,299ドル(約21万3,000円)のMacBook Airを、2つのケースで考えてみよう。一括払いまたは従来型の分割払いローンで購入し、5年間使用した後、例えば400ドル(約6万6,000円)で売却または下取りに出せば、実質的な負担額は約899ドル(約14万7,000円)となる。一方、36カ月のリース終了時に端末を返却し、すぐに次のモデルをリースすると、リース料が横ばいまたは上昇するとの前提では、同じ5年間の総コストはほぼ確実に一括購入時の負担を上回る。この差は、AppleCare+を別途購入しなければならないことで、さらに広がる。
このプログラムが最も適しているのは、2年ごとにハードウェアを更新し、端末を資産として保有することを重視せず、多額の初期費用を支払わずに月々の金額をできるだけ抑えたい人だ。反対に、リース期間を超えて端末を使い続ける人、対象外となる法人・教育向けの購入者、またはiPhone Upgrade Programのように支払いを終えた端末を資産として手元に残したい人にとっては、魅力が小さい。
IDCのアナリストであるNabila Popal氏は6月、iPhone 18 ProおよびPro Maxが今秋に登場し、前世代より最大200ドル(約3万3,000円)値上げされる可能性があると予測した。これが現実になった場合、1,199ドル(約19万7,000円)のiPhone 17 Pro Maxに対する200ドルの値上げは、24カ月のApple Upgradeリースでは月々の追加負担として分散される。原文では、その増加幅を月額約5ドルと試算しており、Appleが値上げを受け入れやすくするために重視している数字だとしている。
■Appleのフィンテック事業からの撤退とKlarnaへの移行
Apple Upgradeは、Appleによるフィンテック分野での試行錯誤の一章を締めくくるものでもある。Appleは2023年、子会社のApple Financing LLCを通じて構築・運営する4回払いのBNPLサービス「Apple Pay Later」を開始した。しかし、1年に満たない2024年6月にサービスを終了した。BNPL商品をクレジットカードと同様の消費者信用規制の対象とする可能性があったCFPBの監視強化が、その理由として挙げられた。
同じ時期、Appleは、より野心的なハードウェアサブスクリプションプログラムも水面下で中止していた。これは2022年から開発され、顧客が毎月一定額を支払うことで、端末と複数のサービスをまとめて利用できるようにする計画だった。社内テストの段階まで進んだと報じられたものの、ソフトウェアの複雑さ、規制上の問題、通信事業者との摩擦を理由に断念したとされている。
Appleは2つの自社運営の取り組みから撤退し、その基盤を実績のある外部事業者へ委ねた。Klarnaは2024年10月、米国と英国の利用者がApple Payで支払う際に選べる分割払いオプションとなり、すでにAppleとの関係を築いていた。Apple Upgradeは、この関係をハードウェア販売の中核的な仕組みにまで広げる。
Apple Pay Laterの終了後、CFPBを巡る規制環境も変化した。トランプ政権下の米消費者金融保護局は、BNPL事業者をクレジットカード発行会社と同等に位置付けた2024年の規則について、執行を優先しない方針を発表した。これにより、Apple Pay Later終了の一因となった連邦レベルの規制圧力は弱まっている。
■Affirmが失うものと業界が得るもの
2024年にApple Payとの決済連携を実現したAffirmは、Appleハードウェアの中心的なファイナンスパートナーではなく、複数ある選択肢の一つという立場になる。Affirmが報告した、2026年3月に終了した同社2026年度第3四半期の流通取引総額は約116億ドル(約1兆9,024億円)で、Klarnaの米国GMVのおよそ3分の1に当たる。AffirmとApple Payの連携は引き続き利用できるが、ハードウェアリースの主要事業者に選ばれることは、それとは構造的に異なる次元の提携である。
AppleとKlarnaの取り決めは、Appleほどの規模を持つ企業が、全ハードウェア製品の主要なファイナンス基盤として外部のフィンテック企業を起用する初めての事例となる。単なる購入時の決済オプションではなく、従来の分割払いプログラムすべてを置き換える唯一の選択肢として位置付けられるからだ。BNPL業界にとっては、同サービスが発祥時の主な対象だったファッションや家具の分野を大きく超え、高価格帯の消費者向けテクノロジー製品にまで広がったことを示している。この動きは、ほかの大手ハードウェアブランドでも同様の提携を促す可能性が高い。
■登録前に確認すべきこと
Apple Upgradeは7月28日(火)に米国で始まる。記事公開時点でAppleは、月額料金、金利の有無、契約終了時の残価、返却端末の損傷に対する請求額、早期アップグレード手数料の詳しい仕組みを公表していない。利用を検討している人は、サービス開始に合わせて開示されるとみられるこれらの条件を確認する必要がある。
iPhone 18の発表が予想される時期の6〜8週間前に、このプログラムが登場するのは偶然ではない。Appleは、近年でも特に高額になる可能性があるiPhoneの新製品サイクルを前に、ファイナンス基盤を整えている。Apple Upgradeの経済的な意味は、iPhone 18の価格が判明すれば、さらに明確になる。Proモデルの200ドル値上げが現実になった場合、リースと購入のどちらを選ぶかは、月額リース料には表れない数字に左右される。それは、iPhone 18 Proが2年後の中古市場でいくらの価値を持つか、そして利用者がその価値を受け取れるかどうかだ。
■注目ポイントQ&A
●Apple Upgradeと従来のiPhone Upgrade Programの違いは何ですか?
2015年に始まったiPhone Upgrade Programは分割払いローンで、24カ月かけて端末代金を支払い、完済時に所有権を得る仕組みでした。AppleCare+も月々の支払いに含まれていました。一方、Apple Upgradeはリースです。契約期間中の法的な所有者はKlarnaで、終了時には残価を支払って買い取る、返却する、または新しいモデルへアップグレードする、のいずれかを選びます。リースの月額料金は同等の分割払いローンより低くなる可能性がありますが、複数世代の端末を継続して利用する場合の総コストは通常高くなり、支払いによって端末の所有権を取得していくこともできません。
●Apple UpgradeにはAppleCare+が含まれていますか?
いいえ。盗難・紛失補償付きのAppleCare+が月々の支払いに組み込まれていたiPhone Upgrade Programとは異なり、Apple Upgradeにはハードウェア保護プランが自動的に含まれません。偶発的な損傷や盗難に備えたい場合は、AppleCare+を別途購入する必要があります。9to5Macが詳しく分析しているように、これは重要な違いです。補償に加入せず、リース中の端末を紛失したり盗まれたり、修理不能なほど破損させたりした場合、手元にない端末について月々の支払いを続け、さらにリース終了時の残価も支払うことになります。
●Apple UpgradeでiPhoneをリースするのは、一括購入するよりも安いですか?
端末をどのくらい使い、契約終了時にどうするかによって異なります。2年ごとにアップグレードし、リース終了時に端末を返却する場合、リースなら月々の負担を抑えられ、多額の初期費用も必要ありません。一方、端末を4〜5年使う場合は、一括購入、または従来利用できた分割払いローンの方が、ほぼ常に総コストを低く抑えられます。いずれ支払いが終わり、中古市場で価値を持つ端末が手元に残るためです。また、リースにはAppleCare+が含まれないため、実際の費用を比較する際は、その料金も別途加える必要があります。
●登録後、Klarnaでの私のデータや購入履歴はどうなりますか?
Klarnaは、信用評価、アカウント管理、買い物に関する提案のパーソナライズを目的として、プラットフォームを通じて消費者データを収集します。独立した分析では、この点が同社における主なプライバシー上の懸念として指摘されています。Klarnaは金融データを加盟店と直接共有しないと説明していますが、リース契約の一環として購入情報はKlarnaへ送られます。Klarnaはストックホルムに本社を置くスウェーデン企業で、欧州ではGDPRの適用を受けます。米国事業には米国のプライバシー法が適用されますが、現時点では欧州ほど包括的な連邦レベルの保護はありません。利用者は登録前に、Klarnaの米国向けプライバシーポリシーでデータの取り扱いを確認できます。
元記事: Apple Upgrade Launches Tuesday: Monthly Payments Drop, but Device Ownership Does Too
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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