PEPFAR資金削減の影響、HIV治療を受ける子供が7.7万人減少 AIDS 2026で報告

2026年7月28日 16:49

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記事提供元:Tech Times

ブラジルのリオデジャネイロで開催中の第26回国際エイズ会議(AIDS 2026)の正式開幕を前に、米国のPEPFAR(大統領エイズ救済緊急計画)の資金・政策変更に伴う深刻な影響を示すデータが発表された。2025年度には、PEPFARの支援を受けてHIV治療を受ける子供が世界で7万7,163人減少し、少なくとも1,714のHIVサービス施設が閉鎖されたという。HIVの予防・治療技術がかつてないほど進歩する一方、それを必要とする人々に届けるインフラが危機に直面している現状が浮き彫りになった。

■活動家の抗議とデータが示す現実

7月26日日曜日、AIDS 2026の正式開幕前に、保健活動家らがリオデジャネイロのリオセントロで開かれたプレカンファレンスセッションで、ジェフ・グラハム米国グローバル・エイズ調整官代理の演説を数分間中断した。活動家らは「うそをつけば人々が死ぬ。今すぐPEPFARを復旧せよ」と声を上げた。

これは突発的なパフォーマンスではなかった。7月26日から31日まで「Rethink. Rebuild. Rise.」をテーマに開催される第26回国際エイズ会議の正式開幕に先立って公表された2つの査読付き研究が、活動家らが訴える被害を具体的な数字で示している。2025年度にPEPFARの支援を受けてHIV治療を受けた子供は、2024年度より77,163人少なく、PEPFAR事業の混乱に直接関連する14.2%の減少となった。また、PEPFARからの支払いの打ち切りや遅延を受け、世界で少なくとも1,714のHIVサービス施設が閉鎖された。会議の正式な開会式は米国東部時間(ET)7月27日月曜日の夕方(日本時間7月28日朝)に予定されている。UNAIDS(国連合同エイズ計画)は同日午後1時(日本時間7月28日午前2時)からの記者会見で、「United to End AIDS」報告書を発表する。

現在の状況を象徴するのは、HIVをめぐる科学がかつてないほど進歩している一方で、その成果を必要とする人々に届けるためのインフラがかつてないほど脆弱になっているという逆説だ。

■1年間でHIV治療を受ける子供が7万7,163人減少

ハイデルベルク・グローバルヘルス研究所とクリントン・ヘルス・アクセス・イニシアチブのラモナ・ゴドボレ氏が分析した小児治療データは、HIVの負担が大きい21カ国のPEPFARプログラム記録を調べたものだ。21カ国のうち20カ国で減少が記録され、同じ期間における子供の治療者数は、成人よりも速いペースで減少した。国際エイズ学会(IAS)のプレカンファレンス向けプレスリリースによると、絶対数で最も大きく減少したのは南アフリカで、PEPFARの支援を受けてHIV治療を受ける子供が30,880人減り、2024年度比で45%減少した。研究者らによると、南アフリカ、ウガンダ、ハイチ、ザンビア、ケニアの5カ国では、PEPFAR支援施設で治療を受ける子供が従来から減少していたという背景だけでは説明できないほど、過去の推移から外れた減少が確認された。

Managed Healthcare Executiveの報道によると、米国国務省はこれらの調査結果に異議を唱えた。南アフリカの数値は過去の傾向と一致しているとしたうえで、南アフリカが「PEPFARの支援よりも国家主導の人種差別を優先している」と非難した。これに対し研究者らは、国務省が示したデータは、治療状況が概ね安定していた2025年度の1四半期だけを切り取ったものであり、通年で見ることで初めて明らかになる大幅な減少を覆い隠していると指摘した。

2026年4月に公表された国務省自身のデータも、その主張を複雑にしている。PEPFARが支援するHIV検査は2,370万件から1,960万件に減少した。抗レトロウイルス療法(ART)を新たに開始した人は16%、PrEP(曝露前予防)を新たに開始した人は41%、PEPFARの予防プログラム一式を修了した思春期の少女は86%、それぞれ減少した。これらは米国政府のPanoramaデータシステムに基づく数値である。

■1,714の施設が閉鎖

2つ目の研究である「PEPFAR Pulse Study」は、amfARの公共政策部門が、ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院、Funders Concerned About AIDS、Data Etcと共同で実施した。46カ国でPEPFARの資金提供を受ける166の組織を調査している。

調査によると、PEPFARからの支払いの打ち切りや遅延を受け、少なくとも1,714のHIVサービス施設が完全に閉鎖された。その内訳には、1,010の公衆衛生施設、325のサービス提供拠点、126のドロップインセンターが含まれる。事業実施パートナーの半数以上に当たる52%は、少なくとも1件の助成を打ち切られていた。また、77%は米国の新たな政策要件に従うため、活動を制限するよう求められた。

最も大幅な削減を受けたのは予防サービスで、予防関連支出は2024年度から2025年度にかけて51%減少した。PEPFAR Pulse Studyの報告書によると、予防サービスを提供していた組織のうち、73%がキーポピュレーション向けサービスを少なくとも1つ停止し、67%がアウトリーチ活動を停止した。さらに43%は、コンドームの配布やPrEPの提供を含む予防活動を少なくとも1つ恒久的に終了した。

Pulse Studyの調査結果を発表したamfARのエリーゼ・ランキエヴィッチ氏は、「最近の米国による資金提供と政策の変更がPEPFARプログラム全体に広範な混乱を引き起こし、地域の組織やHIV感染リスクが最も高い人々が最も深刻な影響を受けていることを、証拠は示している」と述べた。

IAS会長でAIDS 2026共同議長のベアトリス・グリンシュテイン教授は、「科学は急速に進歩し、HIVの予防と治療に、より強力な手段をもたらしている。しかし、そうした成果も、それを必要とする人々に届かなければ命を救えない。そのためには、強固で安定した資金と、揺るぎない政治的関与が必要だ」と述べた。

■米国政府の主張と反論

グラハム氏は日曜日の演説で反論した。PEPFARの資金を受け取る条件として、保健分野以外の協定への署名を強要された政府はなく、すべての覚書(MOU)は保健分野だけに関するものだと説明した。米国が資金受領国の政府に求めているのは、共同投資だけだという。

グラハム氏は、2025年12月に最初にMOUへ署名したケニアをモデルとして挙げた。BusinessDay South Africaによると、米国が2030年までの5年間に15億3,000万ドル(約2,509億円、1ドル=164円換算)を拠出すると約束する一方、ケニアは8億5,000万ドル(約1,394億円)の国内投資を約束している。

AllAfricaの報道によると、グラハム氏は、米国は議会が2026年向けに計上したグローバルヘルス資金をすべて支出する意向であり、管理コストを削減する一方、現場の医療従事者、医薬品、患者ケアにより多くの資金を振り向けると述べた。「依存を永続させるのではなく、各国が自らの課題を解決する能力を構築できるよう支援している」と説明した。

Treatment Action Campaignの事務局長であるアネレ・ヤワ氏は、これに真っ向から反論した。「米国政府は、自らが引き起こしている、現在進行中の世界的な公衆衛生上の緊急事態について責任を問われなければならない」と述べた。

Health GAPのエグゼクティブディレクターであるアジア・ラッセル氏は、政権が「PEPFARとグローバルヘルス資金の変更によって公衆衛生上の緊急事態を生み出し」、「世界で最も脆弱な立場にある人々の一部について、HIVの予防、検査、治療へのアクセスを減少させた」と非難した。

議論の余地がないのは、議会が2025年度のPEPFAR予算として60億ドル(約9,840億円)を承認したことである。一方、行政管理予算局(OMB)が利用可能にしたのは29億ドル(約4,756億円)だけで、残額は「未配分」とされ、追加の支出計画を条件としていた。NBCとKFFの報道を引用したPEPFARのWikipediaページによると、独立系アナリストや議会スタッフは、この差額について、立法府が計上した資金を事実上留保する行為だと説明している。

■資金を回復すれば被害を修復できるのか

この疑問は、AIDS 2026で示されたデータが実際に証明していることの核心に関わる。しかし、会議冒頭で示された数字だけでは、この問題は十分に浮かび上がってこない。

PEPFARは、米国が管理する二国間支援システムとして構築されており、受領国へ直ちに引き継げる仕組みにはなっていなかった。閉鎖された1,714のサービス施設には、その後別の仕事に就いた訓練済みの医療従事者、使われなくなった施設、途絶えた組織的なサプライチェーンが伴っている。予算を元に戻しただけで、閉鎖された診療所が自動的に再開するわけではない。

2025年10月のAP通信の報道によると、南アフリカではUSAID資金の凍結を受け、2025年2月以降、約8,000人の医療従事者が解雇された。こうした人々が政策転換を待ち続けているわけではない。同国はその後、2025年10月に1億1,500万ドル(約189億円)の経過措置としてのつなぎ資金を受け取ったが、対象期間は6カ月だけだった。

PEPFARの再編をめぐる議論では、ある構造的な事実もほとんど取り上げられてこなかった。トランプ政権の政策課題の多くに影響を与えた保守派の政策構想「プロジェクト2025」でさえ、PEPFARを「米国で最も成功した援助プログラム」と評価していた。そのため、PEPFARの混乱はイデオロギー上の一貫性だけでは説明できない。CSISの分析を引用したPEPFARのWikipedia記事によると、米国政府の内外を問わず、どの移行計画も想定していなかった特異な政策転換だった。

会議に参加した活動家らは、MOUの交渉において、鉱物資源へのアクセスを含む保健分野以外の条件が、資金提供の暗黙の前提として盛り込まれた事例を記録している。グラハム氏はこれを否定している。MOUの文面も交渉記録も公開されていないため、現時点では双方の主張を外部から検証できない。

2025年7月にLancet HIVへ掲載されたモデリング研究は、PEPFARを完全に中止した場合、最大1,075万件の新規HIV感染と293万人の追加死亡が生じる可能性があると推定した。研究者らは、この規模を大規模な武力紛争や世界的なパンデミックになぞらえている。

■週1回投与のHIV治療薬の仕組みと意義

7月29日水曜日、会議のレイトブレーキングセッションで、ISLEND-1およびISLEND-2試験の完全な第3相データが発表される。これは、メルクとギリアドが2026年7月21日に発表した、世界初の週1回経口HIV治療薬となる可能性がある治療法について、これまでで最も詳細な臨床結果となる。Contagion Liveによると、メルクのイスラトラビル2mgと、ギリアドのレナカパビル300mgを組み合わせた1錠の治療薬である。

週1回投与を薬理学的に可能にする理由を理解するには、それぞれの薬剤の作用を確認する必要がある。イスラトラビルは、ヌクレオシド系逆転写酵素トランスロケーション阻害剤であり、鎖の伸長を阻害する従来のNRTIとは異なる作用機序を持つ。逆転写酵素のトランスロケーションを選択的に阻害し、即時型と遅延型の双方の鎖終結を引き起こすことで、HIVの複製を阻害する。トランスロケーション阻害による持続的で緩やかな作用は、週1回投与を可能にするほど長い薬物動態学的半減期を実現する要因の一つである。

レナカパビルは、同種初となるカプシド阻害剤であり、HIVのタンパク質性の殻であるカプシドを標的とする唯一の承認済み抗レトロウイルス薬である。核内への移行やウイルス粒子の組み立てなど、ウイルスのライフサイクルにおける複数の段階でカプシドの機能を阻害する。

レナカパビルは、NRTI、NNRTI、インテグラーゼ阻害剤、プロテアーゼ阻害剤など、既存の薬剤クラスとはまったく異なるタンパク質を標的とする。このため、既存の抗レトロウイルス薬との交差耐性は知られていない。この交差耐性の特徴は重要だ。レナカパビルを基盤とする週1回の治療法は、原理的には、従来の薬剤クラスに対する耐性が蓄積した患者にも効果を示す可能性がある。

2026年6月に発表された主要結果では、両試験とも48週時点で主要評価項目である非劣性を達成した。ISLEND-1では、ISL/LENへ切り替えた参加者のうち、48週時点でHIV-1 RNA量が50コピー/mL以上だった人の割合は0%だった。ビクタルビを継続した参加者では0.3%で、非劣性基準を満たした。

ISLEND-2は、ISL/LENと複数の標準治療レジメンを比較した。HIV-1 RNA量が50コピー/mLを超えた参加者は、ISL/LEN群では0.3%、標準治療群では1.3%だった。ギリアドとメルクは、これらのデータを各国・地域の規制当局への承認申請の基礎とする方針を示している。

同じ水曜日のセッションでは、HIVのPrEPとして半年に1回注射するレナカパビルを評価したPURPOSE 1およびPURPOSE 2第3相試験について、52週間の非盲検延長データも発表される。レナカパビルはすでにYeztugoの製品名で米食品医薬品局(FDA)の承認を受けている。

7,178人年を超える追跡データが蓄積されたPURPOSE 1の延長期間では、毎日服用する経口PrEPから切り替えた参加者を含め、レナカパビルを使用した参加者に新たなHIV感染は確認されなかった。両試験で延長期間への参加資格があった人の95%以上が、レナカパビルの継続またはレナカパビルへの切り替えを選択した。実臨床に近い集団における高い治療継続性を示す兆候といえる。

ISLENDとPURPOSEから浮かび上がるのは、治療と予防の双方で、開発の中心が毎日の経口投与から長時間作用型の治療法へ移行しているという臨床像だ。障害はもはや科学だけではない。それは、会議で示された説明責任に関するデータが指摘した問題と同じである。承認された薬剤を、現在治療を受けていない920万人のHIV陽性者への実際の予防・治療効果へつなげるための資金とサービス提供インフラだ。

■AIDS 2026の今後の予定

会議の正式な開会式は、米国東部時間(ET)7月27日月曜日の夕方(日本時間7月28日朝)に予定されている。Washington Bladeの会議プレビューによると、開会式の登壇予定者には、UNAIDS事務局長のウィニー・ビヤニマ氏、WHO事務局長のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス氏、IAS会長のベアトリス・グリンシュテイン氏、南アフリカのマトゥメ・ジョセフ・パーラ副保健相、次期国連「健康への権利」特別報告者のマリアンジェラ・シマン氏、ホワイトハウス国家エイズ政策室の元ディレクターであるフランシスコ・ルイス氏が含まれる。

UNAIDSは、正式な開会式に先立ち、米国東部時間7月27日午後1時(日本時間7月28日午前2時)の記者会見で、2025年を対象とする年次HIVデータ報告書「United to End AIDS」を発表する。この報告書は、2025年に起きた資金提供の混乱の全体像と、その結果として新規HIV感染が増加した国について、UNAIDSの公式データで初めて示すものになると見込まれている。

火曜日には、WHOがHIV、ウイルス性肝炎、性感染症に関するグローバル・ヘルス・セクター戦略の中間評価を発表する。公衆衛生上の脅威としてのエイズを2030年までに終結させるという目標に向け、世界が順調に進んでいるかを折り返し時点で評価するものだ。

UNAIDSの会議プログラムによると、木曜日の全体会議では、ノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ氏が、不平等とパンデミックリスクの関係について講演する。現在のデータが示唆する通りであれば、このセッションには検討すべき実証的な材料が数多くあることになる。

■読者が取るべき行動

会議冒頭で示された2つの数字、すなわち77,163人の子供と1,714の施設は、政策専門家だけに関係する抽象的な数値ではない。3つの立場にある人々に、具体的な意味を持つ。

PEPFAR受領国でHIVとともに生きる人:PEPFAR Pulse Studyの調査対象となった46カ国のいずれかに住んでいる場合は、自身が利用する治療施設の運営状況を確認してほしい。閉鎖された1,714の施設には、地域の主要なHIVケア拠点だった公衆衛生施設が多く含まれる。国別の閉鎖施設マップはまだ公開されていないため、各国の保健省や地域のHIV支援・権利擁護団体が、より新しい情報を持っている可能性がある。

資金提供者と財団の意思決定者:科学的進歩とサービス提供インフラとの構造的な隔たりが、査読済みの研究によって数値化された。科学の側では、週1回のHIV治療薬が承認に近づき、半年に1回注射するPrEPはすでに承認されている。特に、従来の傾向から外れた減少が確認された南アフリカ、ウガンダ、ハイチ、ザンビア、ケニアの5カ国について、国レベルのHIVインフラへ重点的に慈善資金を提供することは、推測ではなく、具体的に確認された不足に対応するものとなる。

米国の政策立案者と有権者:議会は2025年度のPEPFARに60億ドルを計上したが、行政府が利用可能にしたのは29億ドルだった。この差を埋めるために必要なのは、計上予算の全額執行、MOUの透明性確保、二国間交渉で保健分野以外の条件を設けないことの明示である。これは技術的な複雑さの問題ではなく、立法府による監督の問題だ。

■注目ポイントQ&A

●PEPFARの混乱により、いくつのHIVサービス施設が閉鎖され、どのような施設が含まれていますか?

PEPFAR Pulse Studyによると、PEPFARからの支払いの打ち切りや遅延を受け、少なくとも1,714のサービス施設が完全に閉鎖されました。この調査は46カ国の166のパートナーを対象とする、PEPFAR事業実施組織について初の大規模調査です。

閉鎖施設には、1,010の公衆衛生施設、325のサービス提供拠点、126のドロップインセンターが含まれます。ドロップインセンターは、セックスワーカー、男性と性交渉を持つ男性、トランスジェンダーの人々、薬物を注射する人々などのキーポピュレーションにサービスを提供していました。これらは単なる補助的な施設ではなく、多くが地域の主要なHIVケア拠点でした。施設の閉鎖は、訓練済みの人材、物理的なインフラ、組織的なサプライチェーンの喪失を伴うため、資金を回復しただけで自動的に再開するわけではありません。

●なぜHIV治療を受ける子供が77,163人減ったのですか?米国政府の説明は信頼できますか?

ハイデルベルク・グローバルヘルス研究所とクリントン・ヘルス・アクセス・イニシアチブの研究者が、HIVの負担が大きい21カ国のPEPFARプログラムデータを分析しました。その結果、2025年度にPEPFARの支援を受けてHIV治療を受けた子供は2024年度より77,163人少なく、世界全体で14.2%減少したことが分かりました。

国務省は、この減少は過去から続く傾向によるものだと説明し、特に南アフリカのデータについて、実際の治療者数減少ではなくデータ上の制約を反映したものだとして異議を唱えました。これに対しAIDS 2026の研究者らは、国務省の主張は1四半期だけを切り取ったデータに基づき、通年の状況を見えにくくしていると反論しました。また、南アフリカ、ウガンダ、ハイチ、ザンビア、ケニアの5カ国における減少は、過去の推移だけでは説明できないとしています。国務省自身が報告した2025年度のデータでも、ARTを新たに開始した人が16%、PEPFARの予防プログラム一式を修了した思春期の少女が86%減少しています。

●週1回投与のイスラトラビル/レナカパビル錠は、既存の毎日のHIV治療と何が違うのですか?カプシド阻害剤はどのように作用しますか?

ビクタルビを含む現在の標準的なHIV治療レジメンでは、毎日薬を服用する必要があります。飲み忘れは、ウイルス抑制効果を損なう可能性があります。Contagion Liveの分析によると、ISL/LENの組み合わせは、イスラトラビル2mgとレナカパビル300mgからなり、両薬剤の薬物動態学的半減期が非常に長いことを利用して、週1回の服用でウイルス抑制を維持するよう設計されています。

イスラトラビルはヌクレオシド系逆転写酵素トランスロケーション阻害剤で、即時型と遅延型の双方の鎖終結を引き起こすという、従来のNRTIとは異なる作用機序でHIVの複製を阻害します。

レナカパビルは、同種初となるカプシド阻害剤です。ウイルスが遺伝物質を包むために形成するタンパク質性の殻であるカプシドの働きを、核内への移行やウイルス粒子の組み立てなど、HIVのライフサイクルの複数の段階で阻害します。カプシドは既存の抗レトロウイルス薬とは異なる標的であるため、レナカパビルについて、NRTI、NNRTI、インテグラーゼ阻害剤、プロテアーゼ阻害剤との交差耐性は知られていません。このため、従来の治療法に対して多剤耐性を持つ患者にも効果を示す可能性があります。

第3相試験では、この組み合わせが48週時点でビクタルビに対する非劣性基準を満たしました。完全なデータは7月29日のAIDS 2026で発表され、各国・地域の規制当局への承認申請に使用される予定です。

●米国がPEPFARの資金を直ちに回復した場合、被害は元に戻りますか?

自動的に、あるいは短期間で元に戻るわけではありません。閉鎖された1,714の施設には、使われなくなった物理的なインフラ、別の仕事へ移った訓練済みの医療従事者、途絶えた組織的なサプライチェーンが伴っています。南アフリカだけでも、USAID資金の凍結を受け、2025年に約8,000人の医療従事者が解雇されました。

PEPFARは20年以上にわたり、米国が管理するシステムとして構築されてきました。受領国が直ちに引き継げるプログラムとして設計されていたわけではありません。MOUを通じた再編モデルは、受領国がサービス提供を国内の財源と行政インフラへ移せることを前提としています。しかし、プログラムの設計上、完全な自立に必要なインフラは構築されていませんでした。

2025年のLancet HIVのモデリング研究は、PEPFARを完全に中止した場合、最大1,075万件の新規HIV感染と293万人の追加死亡が発生する可能性があると推定しています。研究者らは、その影響を世界的なパンデミックや大規模な武力紛争になぞらえました。資金が部分的に回復したとしても、数カ月で損なわれたインフラの再建には数年を要する可能性があります。

AIDS 2026は2026年7月26日から31日まで、ブラジル・リオデジャネイロのリオセントロ・コンベンション&イベントセンターで開催され、全面的なオンライン参加にも対応する。特記がない限り、記事内の時刻はすべて米国東部時間(ET)である。会議のセッションはブラジリア時間(BRT、UTCマイナス3時間)で行われ、BRTはETより1時間進んでいる。

元記事: PEPFAR Cuts Left 77,000 Fewer Children on HIV Treatment as AIDS 2026 Opens in Rio

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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