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ルーマニア、侵入ドローンを3日連続で撃墜 AI迎撃システム「MEROPS」も配備

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ルーマニア空軍は、自国空域に侵入したドローンを3日連続で撃墜した。これまで受動的な監視にとどまっていたNATO東翼の防空体制が、能動的な迎撃へと転換したことを示している。背景には法整備の進展に加え、安価なAI迎撃ドローンシステム「MEROPS」などの導入がある。ただし、この週末の撃墜にMEROPSが関与したかどうかは確認されていない。
■3日連続の撃墜、計4機を迎撃
ルーマニア空軍は日曜日(26日)、ドナウ川河口付近の黒海上空で、ロシアの「シャヘド(Shahed)」型とみられるドローンを撃墜した。同国のF-16戦闘機がNATO空域への侵入機を迎撃・破壊したのは、これで3日連続となる。これは、欧州東翼が受動的な監視から能動的な実力行使による防衛へと移行したことを示す、これまでで最も明確なシグナルである。ルーマニアのニクショル・ダン大統領は、現地時間午前10時13分、ルーマニア領海内にあるスリナ北東約12キロのスリナ―キリア海域上空で迎撃が行われたことを確認し、一連の領空侵犯を「容認できず、耐え難い」と非難した。ルーマニア外務省はロシア大使を召喚し、「度重なる違反」だと表明した。
ロシアは、これら3件のいずれについても公にコメントしていない。コメントする機会はこれまでに33回あった。ルーマニア国防省によると、ロシアが2022年2月にウクライナへの全面侵攻を開始して以来、ロシアのドローンがルーマニア空域へ不法に侵入した回数である。そのほとんどは追跡されたものの、空域から退出するか墜落するまで見守られていた。しかし、この週末は違った。その違いは政治的なものだけでなく、技術的なものでもあった。
日曜日のドローンは、NATOの指揮下で運用され、フェテシュティ空軍基地から緊急発進したルーマニア軍のF-16戦闘機2機によって黒海上空で撃墜された。最初に撃墜が確認されたのは金曜日で、開戦から4年でルーマニアが自国空域内におけるドローン迎撃に成功した初の事例となった。土曜日にも2回目の迎撃が行われた。ここ数週間、NATO同盟国との連携によるルーマニアのドローン撃墜は計4件に上る。この週末の3件に加え、5月にはリトアニアから出撃したルーマニア配備のF-16の操縦士が、エストニア空域上でドローンを撃墜している。
ダン大統領の発表によると、ルーマニアの初期調査では、金曜日のドローンが「ロシア連邦がウクライナに対する侵略戦争で使用している」シャヘド型の一方向攻撃ドローンであることが確認された。土曜日と日曜日のドローンについては、現在も調査が続いている。NATO欧州連合軍最高司令部(SHAPE)のマーティン・オドネル報道官も、日曜日の機体について「ロシア由来とみられる」と述べた。
これらの迎撃の法的根拠は、ルーマニア議会が可決し、イリエ・ボロジャン暫定大統領が署名して成立した法律にある。この法律は、許可なくルーマニア空域へ侵入した無人航空機を「破壊、無力化、または制御下に置く」権限をルーマニア軍に明確に与えている。政府は長年、ドローンによる侵入が繰り返されても、この権限の行使に消極的だった。
■ロシアによる「閾値以下」の作戦:33回の侵犯が示すもの
33回に及ぶドローンの侵入は、偶然に起きるものではない。ロシアによる領空侵犯を追跡しているアナリストは、NATO空域への侵入を2022年に4回、2023年に5回、2024年に6回、2025年には18回記録している。The Fulcrumが2026年2月に公表し、NATOのプレスリリースや戦争研究所(ISW)の作戦評価と照合した体系的レビューは、この年間200%の増加を「偶発的な波及ではなく、意図的な作戦」と表現した。この200%の増加は統計的にも戦略的にも重要であり、偶発的な航法誤差ではなく、NATOの探知基準、対応時間、交戦への政治的意思を継続的に探るものだった。
現在の事件が起きている地理的条件を見れば、その仕組みが分かる。ロシアは、ドナウ川デルタ沿いにあるウクライナの港湾施設へのドローン攻撃を激化させている。イズマイールやレニといった都市は、ウクライナのインフラ、ルーマニアの領海、黒海の航路が接近する狭い地域に位置する。こうした標的へ向かうシャヘド型ドローンは、その飛行経路の設計上、ルーマニア空域をかすめる回廊を通過することになる。航法誤差によって境界を越えたのか、意図的な経路選択だったのかにかかわらず、戦略的な効果は同じである。もっともらしい否認の余地を残しながら、低コストでNATO空域を繰り返し試すことができるからだ。
5月下旬には、この作戦の影響が目に見える形で表れた。ロシアの「ゲラン2(Geran-2)」ドローンがルーマニアのガラツィにある集合住宅を直撃し、民間人2人が負傷した。ロシアのドローン攻撃によってNATO領内で負傷者が出たことが確認された初の事例だった。6月には、黒海沿岸のコンスタンツァ港にある石油ターミナル付近で、水上ドローンが自爆した。こうしたパターンを受け、ブカレストはドローン迎撃を可能にする法的枠組みと、それを実行する装備の両方について整備を加速させた。
■ルーマニアのドローン撃墜方法:MEROPSとF-16の組み合わせ
金曜日の最初の撃墜で中心的な役割を担ったのは、ルーマニアのF-16だった。ルーマニアのレーダーがスリナの東約20キロでドローンを探知した後、計4機の戦闘機が緊急発進した。内訳はルーマニアのF-16が2機と、NATOの領空警戒任務で配備されているイタリアのユーロファイター・タイフーンが2機だった。F-16のうち1機が空対空ミサイルで標的を攻撃し、ブザウ県パディナ村付近の無人地域上空でシャヘドを撃墜した。ルーマニアの国防関連報道によると、日曜日の迎撃にはイタリア軍機は参加せず、フェテシュティから発進したF-16が対応した。領空への侵入から迎撃まで約5分だった。
しかし、ルーマニア空域で運用されている技術のうち、戦略的により重要なのが「MEROPS」である。ルーマニアが2026年6月24日、国家防空体制へ正式に組み込んだAI誘導式の迎撃ドローンシステムだ。主にドナウ川沿いの回廊へ配備されており、度重なる侵入が発生している地域と重なる。
MEROPSは、ロシアによる2022年の侵攻後、元Google最高経営責任者(CEO)のエリック・シュミット氏が設立し、資金を提供した米国の防衛技術スタートアップ、Project Eagleによって開発された。同社はその後、Perennial Autonomyへ名称を変更し、Apple、SpaceX、Googleの出身エンジニアとともに、元米国防総省イノベーション責任者のウィル・ローパー氏を迎え入れた。最近では、米陸軍の対ドローンタスクフォース「JIATF-401」から、上限5億ドル(約820億円、1ドル=164円換算)の契約を獲得した。
このシステムの構成は、シャヘドへの対処に特化して設計されている。地上管制ステーション、移動式発射プラットフォーム、AS3 Surveyor迎撃ドローンが一つの統合ユニットとして機能する。Surveyorは全長約0.9メートルの固定翼ドローンで、最高速度は時速約282キロに達し、シャヘド136の巡航速度である時速約185キロを上回る。搭載AIが熱画像、無線周波数探知、レーダーを組み合わせ、自律的に標的を発見・追跡する。このため、従来の防空システムの性能が低下するような、GPSや無線通信が妨害された環境でも機能する。
Surveyorの価格は1機あたり約1万4,500~1万5,000ドル(約238万~246万円)である。これに対し、パトリオットPAC-3迎撃ミサイルは1発390万~530万ドル(約6億3,960万~8億6,920万円)であり、F-16の1回の出撃にも撃墜対象となるドローンの数倍の費用がかかる。迎撃に失敗した場合、Surveyorはパラシュートを展開し、回収して再利用できる。運用に必要な人員は、指揮官、操縦担当者、技術者2人の計4人で、システムはピックアップトラックで展開できる。
こうした仕様を支える運用実績は豊富である。MEROPSは2024年半ば、ウクライナ軍による機密扱いの運用に投入された。ルーマニアが正式に導入するまでに、Perennial Autonomyのドイツの生産パートナーであるTwentyfour Industriesは、Surveyorがウクライナで4,000機を超えるロシアのドローンを撃墜したと報告した。米陸軍第10防空・ミサイル防衛コマンドの司令官、カーティス・キング准将は記者団に対し、このシステムがウクライナの防空部隊によって破壊されたシャヘド型ドローン全体の「控えめに見積もって」40%を占めると述べた。二次的な防空手段ではなく、主要な役割を果たしているということだ。
■シャヘド136:旧式のプロペラ式ドローンがNATOを悩ませる理由
ルーマニアが現在撃墜している兵器は、技術的には比較的単純な機械である。シャヘド136は、ロシアがタタールスタン共和国のアラブガ経済特区で「ゲラン2」の名称により国内生産している。仕様上は全長3.5メートル、翼幅2.5メートル、総重量約200キログラムのデルタ翼型一方向攻撃ドローンである。後部に搭載されたMado MD-550ピストンエンジンが2枚羽根の推進式プロペラを駆動し、最高速度は時速約185キロに達する。ドイツのアウトバーンを走る自動車をわずかに上回る程度の速度だ。標準弾頭の重量は50キログラムで、ロシアは2024年以降、90キログラムの大型弾頭型も配備している。
低速、低高度、小さなレーダー反射断面積という組み合わせにより、高速で飛行する戦闘機やミサイルの追跡を主眼に設計された従来の防空レーダーにとって、シャヘド136は実際に探知・追跡が難しい標的となる。その誘導システムはGNSS航法と予備の慣性航法を組み合わせている。ロシアが改良したゲラン2には、精度と妨害耐性を高めるため、GLONASS、4Gモデム、Starlink端末、AIを用いたコンピュータービジョンも追加されている。撃墜された機体の残骸分析では、Texas Instrumentsのプロセッサー、AlteraのFPGA、Analog Devicesの無線周波数モジュール、ポーランド製の燃料ポンプなど、機体の各所から西側製部品が確認されている。第三国のサプライチェーンを通じて組織的に制裁を回避していることを示す証拠である。
ロシアは2026年初頭の時点で、アラブガにおいて1日約170機のゲラン2を生産していた。国内生産費は1機あたり2万~5万ドル(約328万~820万円)と推定され、大量投入による消耗戦の経済性は攻撃側に明らかに有利である。ルーマニア国境に近いウクライナの港湾都市へ十分な数を発射すれば、ロシアが法外とは考えない費用の範囲内で、その一部がNATO空域へ侵入することになる。
■NATO同盟国がルーマニアを支援
ベルギーのマクシム・プレヴォ外相は、日曜日の侵犯について「ロシアの戦争が欧州の安全保障にもたらし続けている脅威を、強く思い起こさせるものだ」と述べ、NATO東翼部隊の一員としてベルギー軍兵士300人がルーマニアに駐留していることを確認した。NATO SHAPEのオドネル大佐は、この連続撃墜を同盟によるより広範な装備強化の一環と位置付け、「今回の撃墜は、NATO、ルーマニア、その他の国々が、同盟および各国の防空能力を強化するため、地上配備型迎撃システムの取得を積極的に進めている中で起きた」と述べた。さらに「NATOは常に警戒を続け、いかなる脅威からも自らを守る準備ができている」と付け加えた。
ルーマニアは、この防空層を単独で構築しているわけではない。ポーランドもルーマニアとともに、NATO東翼へMEROPSを配備した。リトアニアは2026年4月22日、Perennial AutonomyからMEROPS Surveyor迎撃機48機を購入し、同システムを配備する最新のNATO加盟国となった。7月にはNATOのマルク・ルッテ事務総長が「Drone Edge Initiative」を発表した。NATO全体の対ドローン能力、ドローン調達、操縦者訓練に5年間で400億ドル(約6兆5,600億円)を投じる構想である。
ルーマニアも2026年6月、イスラエルのRafael Advanced Defense Systemsと、20億ユーロ超、約23億ドル(約3,772億円)規模の多層防空パッケージに関する別の契約を締結した。MEROPSによる近距離迎撃とパトリオットによる長距離防空の間を埋める、移動式の短・中距離システムが追加される。
■ルーマニアの操縦士と迅速な判断:5分間が意味するもの
日曜日の迎撃には、注目すべき点が一つある。シャヘドがルーマニア空域へ侵入してから、ルーマニアのF-16が撃墜するまでに要した時間は約5分だった。行動すべきかどうかをまだ議論している部隊ではなく、権限と装備を与えられ、訓練を重ねた部隊の行動を示している。
比較すると、迎撃を可能にする法律が整備される前の2025年9月に起きた侵犯では、ルーマニアのF-16戦闘機2機が、ゲラン2が自ら空域を離脱するまで1時間近く追跡していた。当時の抑制的な対応と、この週末における5分での迎撃との対比は、ブカレストの姿勢がどれほど変化したかを正確に示している。
2026年4月、ルーマニアの黒海沿岸にあるカプ・ミディア防空訓練場で実施されたMEROPSの試験では、確認済みの制約も明らかになった。評価中、1機の迎撃ドローンが機動する標的との交戦に失敗した。ただし、シャヘド136は通常、激しい回避機動を行わない。その低速のデルタ翼型飛行特性は回避ではなく航続距離を重視しているため、試験で交戦に失敗した標的と、実際のシャヘドとの飛行特性の違いは限定的である。この週末の撃墜にMEROPSが単独で関与したのか、F-16によるものだったのかについて、ルーマニア国防当局は確認していない。
確認されていることは、3機のドローンが撃墜され、3件の調査が進み、ロシア大使が召喚されたということだ。そしてNATO東翼は、最初の30回の侵犯には用いなかった手段、すなわちミサイルによって33回の侵犯に応じた。
■注目ポイントQ&A
●MEROPS対ドローンシステムはどのように機能し、なぜ従来のミサイルより優れているのですか?
MEROPSは、AI誘導式の迎撃ドローン「AS3 Surveyor」を使い、シャヘド136のような飛来するドローンを物理的に迎撃・破壊します。従来の地対空ミサイルでは、パトリオットPAC-3が1発390万~530万ドル(約6億3,960万~8億6,920万円)かかるのに対し、Surveyorは1機約1万4,500~1万5,000ドル(約238万~246万円)です。Surveyorは、搭載AIが処理する熱画像、無線周波数センサー、レーダーを使って標的を追尾するため、GPSや無線通信が妨害されている環境でも機能します。迎撃に失敗した場合はパラシュートを展開して安全に着陸し、回収して再利用できます。2万~5万ドルのドローンを阻止するために500万ドルではなく約1万5,000ドルを費やすという費用構造の逆転が、米陸軍が2026年のイラン紛争初期に、MEROPS迎撃機1万3,000機を1機1万5,000ドルで購入した理由です。
●なぜルーマニア空域にロシアのドローンが頻繁に侵入するのですか。以前から起きているのですか?
はい。ルーマニア国防当局は、2022年2月から2026年7月までに、ロシアのドローンによるルーマニア空域への侵入を33回記録しています。金曜日までは、ルーマニアが自国空域内でドローンを撃墜したことはありませんでした。侵入が起きるのは、ロシアがウクライナのインフラ、特にドナウ川デルタ沿いの港湾施設に対して継続的にドローン攻撃を行い、標的へ向かう飛行経路がルーマニア領空をかすめるためです。安全保障アナリストは2025年だけで18件の侵入を記録しており、2024年から200%増加しました。複数の独立したレビューは、これを一連の航法上の事故ではなく、NATOの対応を試す意図的な作戦と位置付けています。
●ルーマニアが撃墜したシャヘド136とは、どのようなドローンですか?
シャヘド136はイランが設計した一方向攻撃ドローンで、ロシアが「ゲラン2」の名称で国内生産しています。全長3.5メートル、重量約200キログラムで、最高速度は時速約185キロです。標準型は50キログラムの高性能爆薬弾頭を搭載し、2024年以降はロシアが90キログラムの大型弾頭型も配備しています。低速、低高度、小さなレーダー反射断面積の組み合わせにより、従来型レーダーでは探知が難しい標的です。ロシアはウクライナのエネルギーインフラ、港湾施設、人口密集地に対する大規模な一斉攻撃に使用しています。2026年5月下旬には、ルーマニアのガラツィにある集合住宅を直撃し、民間人2人が負傷しました。国内生産費は1機2万~5万ドル(約328万~820万円)、生産ペースは1日約170機と推定されています。このためロシアは、自国にとって許容可能な費用で大規模なシャヘド攻撃を長期的に継続できます。MEROPSに代表されるドローンによるドローンの迎撃モデルが、NATOの防衛コストの面で戦略的に重要となる理由です。
●ルーマニアがドローンの撃墜を開始したことは、NATO全体にとって何を意味しますか?
ルーマニアが受動的な監視から能動的な実力行使へ移り、3日連続でドローンを撃墜したことは、NATO加盟国が侵入する敵対的なドローンを合法的に迎撃し、ロシア政府から公の反応がない中でも、直ちに事態がエスカレートしない可能性を示しています。この前例は重要です。ロシアが4年間にわたってNATOの国境を探るために利用してきた「閾値以下」の行動に対し、北大西洋条約第5条の発動やロシアとNATOの直接対決を招かない、相応の軍事的対応があり得ることを示唆するからです。ポーランドやバルト三国など東翼の加盟国にとって、ルーマニアのF-16が重大な地政学的危機を招くことなく3日間で3機を撃墜した事例は、今後の行動モデルになり得ます。今後ロシアが、ドローンの攻撃経路をルーマニア空域から遠ざけるのか、別の形で事態をエスカレートさせるのかが焦点となります。
元記事: Romania Shoots Down Third Shahed in Three Days as AI Drone Killer Proves Out
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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