エムアップ Research Memo(3):ファンビジネスを軸に持株体制で成長を加速

2026年7月27日 13:03

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記事提供元:フィスコ

*13:03JST エムアップ Research Memo(3):ファンビジネスを軸に持株体制で成長を加速
■会社概要

2. グループ体制
同社グループは、2020年4月1日より持株会社体制に移行している。エムアップホールディングス<3661>の傘下には、Fanplus、(株)チケットプラス、(株)Dear U plus、(株)Creative Plus、(株)VOLZ、(株)VR MODE、(株)THE STAR JAPAN、(株)Roen Japanの8つの事業会社(連結子会社)が存在する。各社の独自性や迅速な意思決定を重視しながら、グループシナジーの創出と収益源の多様化を実現する体制となっている。

3. 沿革
同社は、現 代表取締役の美藤宏一郎氏によって、携帯電話端末及びPC端末向けの有料コンテンツの提供及び通信販売を行うことを目的として、2004年12月に設立(本社は渋谷区)された。

携帯電話の普及やIT環境の進展に伴って携帯コンテンツ市場が拡大するなか、「着うた」を中心に同社の業績も順調に推移した。特に、キャリアの新サービス提供が同社の業績に大きく影響した。2006年10月には、同社がコンテンツプロバイダーとなる携帯電話キャリア公式サイトとして、メロディコールを提供する「アーティスト公式コール」を開設した。また、2007年2月には、アーティストやタレントに関連するファッションを中心に取り扱うセレクトショップ「ROYAL Roc」の携帯電話キャリア公式サイトを開設し、eコマース事業を開始した。さらに、同年7月には、「アーティスト公式デコメ」をキャリア公式サイトとして開設し、音楽以外のコンテンツ分野にも進出した。

同社にとって大きな転機となったのは、2008年9月に、「GLAY MOBILE」をキャリア公式サイトとして開設し、ファンクラブサイトの運営を開始したことである。芸能界に精通した同社の特徴が生かせる分野であるとともに、ロイヤリティの高いファン層を課金会員として囲い込むことで、技術や市場動向の影響を受けづらい安定的な事業基盤を確立することができた。特に、ファンクラブサイトからCD、DVD、アーティストグッズの直販サイトに誘導することで、eコマース事業とのシナジー効果を発揮できたことが同社の成長をけん引することになった。

2012年3月に東証マザーズに上場し、同年5月には、アドウェイズ<2489>より、韓流サイトなどを運営していた(株)アドウェイズ・エンタテインメントの全株式を取得して子会社化(2013年5月に吸収合併)。2013年9月に東証1部に市場変更となった。また、2018年10月にはEMTGの完全子会社化により電子チケット事業にも参入。2020年4月1日には持株会社体制へ移行した。

■企業特徴
会員数の拡大が業績の伸びをけん引する収益モデル
同社は、会員数の拡大が業績の伸びをけん引する収益モデルである。したがって、強力IP(コンテンツ)を獲得し、集客力の高いサイトを数多く保有するとともに、会員の退会率を低く抑えることで会員基盤を積み上げ、さらに「EC事業」や「電子チケット事業」との連携を含めて、会員1人当たりの単価を高める仕組みを導入することが成功の秘訣と言える。また、会員となるファンはアーティストの活動、人気により増加することがほとんどであり、会員獲得のためのコストを抑制できるところに大きな特徴がある。同社は、以下に掲げる強みを生かすことで他社との差別化を図るとともに、効果的な価値創造を実現している。

(1) 強力IPを獲得し、集客力の高いサイト運営を実現する仕組み
同社は、レコード会社をはじめとする音楽業界等のコンテンツホルダー出身者が多いことから、芸能界に精通していることに加え、これまでのコンテンツ制作に携わってきた経験が、集客力の高いアーティストやタレント、キャラクター等の獲得やコンテンツ発掘、サイト企画に有利に働いている。また、ファンクラブサイトにはオリジナル特典を付与することで、コアなファン層を会員として取り込むとともに、会員期間が長いほど恩恵を受ける仕組みや、関連するコンテンツやオリジナル特典の継続的な提供により退会率を低く抑え、会員基盤の積み上げを図っている。

(2) 様々なコンテンツ分野の人気サイトを運営してきた実績
会員制サイトの運営やeコマースをはじめ、多岐にわたるカテゴリーやジャンルで公式サイトを幅広く運営してきたことがノウハウの蓄積や信頼につながり、コンテンツホルダーからコンテンツを獲得する際の強みとなるとともに、リスク分散にもなっている。また、その多くはキャリアの公式メニューの上位サイトにランキングされている。

(3) シナジー効果を発揮する複合的な事業モデル
「ファンサイト事業」を中心として、「EC事業」や「電子チケット事業」を複合的に展開することにより、相互にプラスの効果を生み出すシナジーが発揮されている。特に、ファンクラブサイトからCDやDVD、アーティストグッズ等のeコマースへの誘導や、電子チケット及びチケットトレードサービスとの連携は、コアとなるファン層に直接リーチする新しいチャネルを創造するとともに、1人当たりの単価の向上にも貢献している。また、会員向けのチケット先行販売や会員限定販売、チケットトレードにおける会員向けプレミアムサービスなどが、会員獲得のための有効な施策にもなっている。さらに、将来的には新技術(Web3.0、NFTなど)を活用した次世代ファンビジネスとのシナジー効果にも期待ができる。

(4) 「電子チケット事業」の優位性
「電子チケット事業」については、スマートフォン画面にスタンプを押す電子チケットアプリやチケットトレードセンター機能に優位性がある。特に、チケットトレードセンター機能を生かした二次流通市場の創出は、会員を囲い込むインセンティブになるとともに、政府や業界が進める不正転売対策にも貢献するものである。他社との連携を図りながら、今後のデファクトスタンダードになる可能性が高い。さらに顔認証による強固な本人確認や各領域のニーズに応える機能進化などにより優位性をさらに強めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)《HN》

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