ミロク情報サービス、27年3月期は営業・経常増益で連続増配予想、クラウド・サブスク型収益モデルへの移行が進展

2026年7月9日 07:46

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ミロク情報サービス<9928>(東証プライム)は財務・会計ソフトをベースとするERPソリューションを展開している。25年3月期~29年3月期を対象期間とする「中期経営計画Vision2028」では成長に向けた6つの基本戦略として、会計事務所ネットワークNo.1への戦略、中堅・中小企業向け総合ソリューション・ビジネス戦略、統合型DXプラットフォーム戦略、クラウド・サブスク型ビジネスモデルへの転換、グループ連携強化によるグループ会社の独自成長促進、戦略実現を加速する人材力・経営基盤強化を推進している。そして27年3月期営業・経常増益で連続増配予想としている。サブスクリプションモデルの推進によってストック収益が積み上がることが予想され、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。高配当利回りなども評価材料であり、戻りを試す展開を期待したい。

■財務・会計ソフトをベースとするERPソリューションを展開

 財務・会計ソフトをベースとするERPソリューションを展開している。具体的には、会計事務所(税理士・公認会計士事務所)と、その顧問先企業である中堅・中小企業向けに、財務・会計ソフトなどの業務用アプリケーションソフト開発・販売、汎用サーバ・パソコン・サプライ用品販売、運用支援・保守サービス、経営情報・コンサルティングサービスなどを展開している。会計事務所が抱えている課題を解決することで中堅・中小企業の支援に繫がるソリューションを強みとして、全国約8400の会計事務所ユーザーおよび約10万社の中堅・中小企業ユーザーを有している。

 M&A・アライアンス・グループ再編関連では21年1月にブロックチェーン・プラットフォーム開発のToposWareと資本提携、21年6月に税務・会計を中心としたコンテンツ提供や士業事務所の経営支援サービスを提供するKACHIEL(カチエル)と資本業務提携、21年9月にアナリティクス・コンサルティングサービスやAI開発・運用を行うセカンドサイト社と資本業務提携、22年2月に子会社DX Tokyoを設立、22年9月に顧客管理・営業支援システム開発・販売のBizMagicを子会社化、25年4月にフィンテック関連サービスを展開する子会社MJS Finance & Technologyを吸収合併した。25年10月にはシンガポールのクラウドERP企業であるSynergix社を連結子会社化した。本格的なグローバル展開に向けて事業基盤を強化する。

■中堅・中小企業向けERPシステムが主力

 主力の中堅・中小企業向けERPシステム「MJSLINKシリーズ」は、デロイト トーマツ ミック経済研究所の「基幹業務パッケージソフト(ERP)の市場展望2023年度版」における中規模企業向けERP部門で2年連続売上高1位、富士キメラ総研の「ソフトウェアビジネス新市場2023年版」における中小規模企業向けERP・パッケージ・数量に基づく調査で1位、矢野経済研究所の「2024 ERP市場の実態と展望」における年商50億円未満の企業向け財務・会計管理ソリューションのライセンス売上高シェアで09年から15年連続1位となり、トリプルで1位を獲得している。

 22年4月には中堅企業向け新ERPシステム「Galileopt DX」の提供を開始、22年7月には子会社トライベックが中小企業向けDXプラットフォームサービス「Hirameki7」の提供を開始した。23年7月には「Hirameki7」の累計導入社数が1万社を突破した。

 25年11月にはSaaS型クラウドERP新製品「LucaTech GX Lite」の提供を開始した。中小企業を対象としたサブスクリプション型の「LucaTech GX Lite」から提供を開始し、主に中規模企業向けの「LucaTech GX Standard」および主に中規模企業向けの「LucaTech GX Premier」の2つの上位エディションも順次展開予定である。

 26年3月には中小企業・小規模企業向けクラウドサービス「かんたんクラウド会計」「かんたんクラウド給与」をリニューアルした。26年4月には、オンライン型ファクタリングサービスを展開するOLTAと業務提携し、中小企業向けクラウドファクタリングサービス「楽たすクラウドファクタリングpowered by OLTA」の提供を開始した。

■ストック型のサービス収入が増加基調

 26年3月期の売上高は、フロー型のシステム導入契約売上高が242億14百万円(ハードウェアが56億48百万円、ソフトウェアが107億94百万円、ユースウェアが77億71百万円)、ストック型のサービス収入が211億64百万円(会計事務所向け総合保守サービスTVSが26億53百万円、クラウド・サブスク等のソフトウェア使用料収入が101億円、企業向けソフトウェア運用支援サービス収入が61億61百万円、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入が17億84百万円、サプライ・オフィス用品が4億63百万円)だった。その他は35億46百万円だった。

 中堅・中小企業向けERP製品のサブスクリプション型への移行促進により、ソフトウェア使用料収入などストック型のサービス収入が増加基調である。なおサービス収入のうち企業向けソフトウェア運用支援サービス収入は、売り切り型の契約企業へのソフト保守サービスであり、サブスクリプション型契約においてはソフト保守料に含み、ソフトウェア使用料収入に集計される。このため売り切り型からサブスクリプション型への移行に伴い売上高が減少傾向の形となる。

 システム導入契約売上高の販売先別売上高構成比は企業向けが53.1%、会計事務所向けが34.6%、その他が12.3%、企業向け売上に占める新規企業比率は35.5%だった。サービス収入売上高のうちソフトウェア使用料(クラウド・サブスク等)の比率は47.7%、ソフトウェア・ハードウェアの保守・運用等の比率は52.3%だった。

 26年3月期のERP事業におけるサブスクリプション指標は、主力ERP製品サブスクリプション契約社数が6518社、主力ERP製品サブスクリプション比率が36.5%、主力ERP製品の契約継続率(12カ月平均)が99.2%、主力ERP製品のARPU(26年3月期末時点のソフト使用料課金収入の平均値)が873 千円、第4四半期の主力ERP製品のARR(サブスク・IaaS)が56億94百万円、そして第4四半期のソフトウェア使用料全体のARR(サブスク・IaaS)が114億59百万円だった。

■クラウド・サブスク型収益モデルへの移行を加速

 24年5月に「サステナビリティ2030」および24年度~28年度を対象期間とする「中期経営計画Vision2028」を策定した。中期経営計画の経営目標値については、最終年度29年3月期売上高600億円、経常利益120億円、経常利益率20%、ROE18%を掲げている。内訳はMJS単体(ERP事業)が売上高500億円で経常利益100億円、グループ会社(DX・PF事業を以外)が売上高90億円で経常利益10億円、MJSグループDX・PF事業が売上高25億円で経常利益10億円としている。

 成長に向けた6つの基本戦略として会計事務所ネットワークNo.1への戦略、中堅・中小企業向け総合ソリューション・ビジネス戦略、統合型DXプラットフォーム戦略、クラウド・サブスク型ビジネスモデルへの転換、グループ連携強化によるグループ会社の独自成長促進、戦略実現を加速する人材力・経営基盤強化を推進する。

 MJS単体(ERP事業)では、高度なワンストップソリューションやDXコンサルティングによる新規顧客獲得・顧客基盤拡大、SaaS型ERP製品の開発・拡販とサブスプリクション型モデルへの移行、カスタマーサクセスによる顧客生涯価値の最大化実現を推進する。グループ会社(DX・PF事業を以外)では、グループ内での位置づけ・役割(業績貢献、先行投資、グループ開発体制強化など)を再定義したうえで、グループシナジー最大化を目指す。MJSグループDX・PF事業では、中小企業向けDXプラットフォームサービス「Hirameki7」のコンテンツ拡充とサービス有償化の向上などを推進する。

 収益力向上施策としては、増収増益基調を維持しながら、MJS単体におけるサービス収入(サブスク型)比率を24年3月期実績の40%から29年3月期の60%へ引き上げる計画としている。29年3月期におけるサブスクリプション目標は、主要ERP製品サブスクリプション契約社数が24年3月期比370%増の15000社、ARRが同530%増の110億円、ソフト使用料全体のARRが210%増の200億円、主力ERP製品サブスクリプション比率が60%としている。

■サステナビリティ経営を推進

 サステナビリティ経営に関しては、22年5月にサステナビリティ基本方針を策定し、取り組むべき重要課題(マテリアリティ)の特定、サステナビリティ委員会の設置を発表した。基本方針はDX推進による地球環境への貢献、会計事務所と中小企業の経営革新や成長・発展を支援、多様なプロフェッショナル人材が活躍する働きがいのある職場づくり、健全成長のためのガバナンスの強化としている。

 24年5月には「サステナビリティ2030」を策定し、主な指標目標として31年3月期の女性管理職比率21%、女性採用比率50%、男性育児休業取得率85%などを掲げた。25年3月には「MSJグループカスタマーハラスメントに対する基本方針」を制定した。25年10月には同社初となる「統合報告書2025」を発行した。26年4月には人権方針およびDE&Iポリシーを策定した。26年6月には5期連続で給与水準の引き上げ(ベースアップ)を実施したとリリースした。今期の対象となる一般職社員の平均昇給率は政府目標の5%を上回る6.73%となった。

 また26年1月にはJリーグ「東京ヴェルディ」と、26年2月~6月に開催される明治安田Jリーグ百年構想リーグならびに2026シーズンにおいて、CSRパートナー(スポンサー)契約を継続した。今年で19シーズン目となる。26年6月にはWEリーグ「日テレ・東京ヴェルディベレーザ」と、2026/27シーズンユニフォームパートナー契約を更新した。今年で16シーズン目となる。

■27年3月期営業・経常増益で連続増配予想

 27年3月期の連結業績予想は売上高が前期比10.0%増の538億円、営業利益が8.3%増の72億30百万円、経常利益が7.4%増の73億80百万円としている。親会社株主帰属当期純利益については前期計上の投資有価証券売却益が剥落して11.0%減の48億10百万円としている。配当予想は前期比5円増配の65円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は40.5%となる。

 売上高の計画は、フロー型のシステム導入契約売上高が5.8%増の256億08百万円(ハードウェアが5.2%増の59億41百万円、ソフトウェアが6.3%増の114億79百万円、ユースウェアが5.4%増の81億87百万円)で、ストック型のサービス収入が13.4%増の240億09百万円(会計事務所向け総合保守サービスTVSが2.1%増の27億10百万円、クラウド・サブスク等のソフトウェア使用料収入が24.6%増の125億85百万円、企業向けソフトウェア運用支援サービス収入が3.9%増の64億円、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入が7.0%増の19億08百万円、サプライ・オフィス用品が12.8%減の4億04百万円)、その他が17.9%増の41億81百万円としている。

 ERP製品のサブスクリプション指標の計画は、主力ERP製品サブスクリプション契約社数が22.7%増の8000社、ARPUが1.2%減の862千円、ARRが21.2%増の69.0億円としている。

 システム導入契約売上高については、主力ERP製品の売り切りからサブスク型への移行やクラウド製品の拡販に伴ってソフトウェア売上の減少が見込まれる一方で、25年10月に子会社化したSynergix社(シンガポール)が寄与するほか、ハードウェアおよびユースウェアの伸長により、全体として増収を見込む。サービス収入では主力ERP製品のサブスク型への移行が順調に進展する。なおサブスク比率(金額ベース)については、前期(36.5%)が想定以上に加速したため、当期は収益性の最適化の観点から約30%に設定している。ソフトウェア運用支援サービス収入は、サブスク契約増によりソフト使用料に移行するため減少傾向となるが、当期はSynergix社の寄与を見込んでいる。

 27年3月期も増収、営業・経常増益で連続増配予想としている。親会社株主帰属当期純利益は前期計上の投資有価証券売却益が剥落して減益だが、ストック収益の積み上げによって売上原価・販管費の増加を吸収する。サブスクリプションモデルの推進によってストック収益が積み上がることが予想され、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は下値固め完了して反発の動き

 株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。高配当利回りなども評価材料であり、戻りを試す展開を期待したい。7月8日の終値は1827円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS160円63銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の65円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1106円61銭で算出)は約1.7倍、そして時価総額は約590億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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