『マリオカート ワールド』無料アプデで新ルート2種が追加、さらに6種追加予定も判明。オープンワールドならではの効率的なコンテンツ拡充手法とは

2026年7月3日 22:36

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記事提供元:Tech Times

(Nintendo UK)

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任天堂は2026年7月1日、『マリオカート』シリーズ史上最速のペースで売れているNintendo Switch 2向けタイトル『マリオカート ワールド』の無料アップデート「バージョン1.7.0」を配信開始した。このアップデートでは、人気の「ノックアウトツアー」モードに「ドリルラリー」と「ブーメランラリー」の2つの新ルートが追加されたほか、フォトモードの機能拡張やバランス調整、不具合修正が行われている。さらに、ゲーム内のインターフェースからは今後少なくとも6つの新ルートが追加される予定であることが明らかになっている。

■追加された2つの新ルート「ドリルラリー」と「ブーメランラリー」の詳細

今回のアップデートにより、ノックアウトツアーのルート数は従来の8つから10個へと増加した。追加された2つのルートは、いずれも既存のノックアウトツアーを1つ以上クリアしているプレイヤーであれば、追加料金なしで選択可能になる。

「ドリルラリー」は、マップ東部の「ワリオシップヤード」から北西部の「クッパ城」まで、マップを斜めに横断するルートだ。「ワリオシップヤード」「DKスノーマウンテン」「ダンデライオン・デプス」「マリオサーキット」「ほねクッパ・バーンアウト」「クッパ城」の6つのコースを経由する。

一方の「ブーメランラリー」は、「ソルティ・ソルティ・スピードウェイ」と「ホイッスルストップ・サミット」を結ぶ曲線的なルートで、マップを往復するように走る。「プクプクフォール」「モーモーカントリー」「チョコレー島」「マリオブラザーズ・サーキット」を通り、最終目的地の「ホイッスルストップ・サミット」へと至る構成だ。

また、今回のアップデートではマップ上の「空飛ぶ船の砦」と「クッパ城」を繋ぐセクションに新しいジャンプ台が追加された。これにより、対戦で頻繁に使われる主要なルートに新たなショートカットが生まれている。

■なぜ新ルートを「無料」で提供できるのか? 技術的な背景

任天堂がノックアウトツアーの新ルートを無料アップデートとして提供できる背景には、本作が従来の『マリオカート』シリーズとは異なる技術的アプローチを採用しているという理由がある。

過去のシリーズ作品では、各コースは独立して読み込まれる個別のデータ(アセット)として存在していた。そのため、新コースを追加するには、地形のモデリング、テクスチャの作成、ライティング処理、そして読み込みシーケンスの構築をゼロから行う必要があった。例えば『マリオカート8 デラックス』の「コース追加パス」では48コースが追加されたが、これには数年にわたる多大な開発努力が必要であり、有料DLCとして販売された。

しかし、『マリオカート ワールド』は根本的に異なるモデルで動作している。本作は単一のシームレスなオープンワールドを描画しており、すべてのコースとそれらを繋ぐ道が、ロード画面を挟むことなく1つの繋がった地理的空間に同時に存在している。この野心的なアーキテクチャを実現するため、任天堂の開発部門(任天堂企画制作本部:EPD)は2020年に開発プラットフォームを初代Nintendo SwitchからSwitch 2へと移行せざるを得なかった経緯がある。初代ハードウェアでは、このシームレスな世界を描画し続ける要求スペックを満たせなかったためとされている。

つまり、ノックアウトツアーの「ルート」とは、新しく作られたコースではなく、すでにゲーム内に存在する地形の中に設定された「新しいチェックポイントの順序」に過ぎない。今回追加された「ドリルラリー」も、もともとゲーム世界に存在していた土地を走るものであり、バージョン1.7.0で行われたのは「これら6つのコースを脱落ありの競争ルートとして繋ぐ」という編集上の設定である。地形データはすでに構築済みであるため、従来のDLCコースパックに比べてアセットの制作コストは極めて低く、これが任天堂が無料アップデートとして提供し続けられる理由となっている。

この仕様について、ゲームメディアも発売当初から注目していた。海外メディアのVGCはレビューにおいて「『マリオカート64』が4人対戦に対応して以来の、シリーズにおける最大の進化」と評している。また、Gaming Bibleのレビュアーは「シリーズ史上最高の新モード」と称賛しつつも、2025年6月の時点で「プレイヤーがこのモードに費やす時間に対して、初期の8ルートというラインナップは少なすぎる」と指摘していた。

■対戦プレイヤー向けのバランス調整と不具合修正

バージョン1.7.0では、新ルートの追加以外にも、対戦環境に影響を与える細かな調整が行われている。

まず、加速性能が低いキャラクターやマシンのステータスが上方修正され、すべてのモードでの実用性が向上した。これにより、対戦で使用されるキャラクターやマシンの選択肢が広がるとみられる。また、最高速タイプのキャラクターのグライド(滑空)速度が引き上げられた。

さらに、カメックの魔法やキラーに被弾した直後、すぐにジャンプ(ホップ)して復帰できるよう変更された。これまでは被弾後に強制的な硬直時間があり、プレイヤーの間で不満の声が上がっていた仕様だ。スリップストリームの挙動も調整され、効果が発動する前にブレーキをかけることで、スリップストリームのチャージをキャンセルできるようになり、より意図的なコントロールが可能になった。アイテムボックスの配置バランスも、通常レースとノックアウトツアーの両方で見直されている。

一方で、オンラインプレイ中に発生している切断問題については、今回のパッチノートで明示的な言及はなかった。海外メディアNintendoLifeのコミュニティコメントによると、高速回線を使用しているユーザーの間でも、依然としてこの問題が発生しているとの報告がある。

■「サービス終了」が相次ぐゲーム業界における任天堂の戦略

今回のアップデートは、ゲーム業界全体のトレンドという観点からも興味深い。発売後も継続的なコンテンツ追加によって収益を上げ続ける「ライブサービス型ゲーム(GaaS)」は、2025年から2026年にかけて持続可能性の危機に直面している。2021年の『Anthem』の開発中止に始まり、2024年には『Concord』が発売からわずか2週間でサービスを終了。2026年3月には『Highguard』がサービスを終了し、2026年6月にはBungieが『Destiny 2』のライブアップデートを完全に終了することを発表した(ゲーム自体のプレイは可能)。

これに対し、任天堂の『マリオカート ワールド』におけるアプローチは、一般的なライブサービスモデルとは構造的に異なる。本作は79.99ドル(約12,878円、1ドル=161円換算)というフルプライスのプレミアムタイトルとして販売されている。そして、発売後に追加された新しいバトルモードや「チームノックアウトツアー」、「ボム兵バトル」、そして今回のバージョン1.7.0でのルート追加にいたるまで、すべて無料で提供されている。バトルパスやシーズンパス、有料のキャラクターやコースのDLCは一切販売されていない。

この手法は、これまでの任天堂作品を踏襲したものだ。『あつまれ どうぶつの森』では数年にわたり無料の季節アップデートが行われ、『スプラトゥーン3』でも追加コンテンツが無料で提供されてきた。任天堂の収益は、ゲーム内課金ではなく、ハードウェアの販売(Switch 2の同梱版では実質的なキラーソフトとして機能している)、オンラインプレイに必要な「Nintendo Switch Online」の加入、そしてゲーム自体の初期購入費用から得られている。オープンワールドという構造を採用したことで、開発コストを抑えつつ無料アップデートを継続するという、従来のレースゲームでは難しかったサイクルが実現している。

■フォトモードの拡張とその他の変更点

バージョン1.7.0におけるもう1つの大きな追加要素が、フォトモードでの「ステッカー配置機能」だ。プレイヤーはレース中に集めたステッカーを、ポーズメニューから撮影したスクリーンショットに貼り付けることができる。既存のフォトモード用フレームと組み合わせることも可能だ。この機能はタッチ操作に加え、Switch 2のハードウェア機能である「Joy-Con 2」のマウス操作にも対応している。

その他の主な変更点は以下の通りだ。

・ライバルの上に乗った(踏みつけた)後の挙動を調整し、着地後のダッシュ時間が延長された。

・ライバルが保持している「スーパークラクション」が視認できるようになり、防御側の動きを先読みする要素が加わった。

・タイムアタックにおいて、既知のバグ(不正なゴールタイム)を含んでいたゴーストデータが、予告なくランキングから削除される場合がある(任天堂のパッチノートによる)。

・タイ語への対応が追加された。

■今後のアップデート予定について

海外メディアGame Rantの報道によると、バージョン1.7.0のノックアウトツアーメニューには、今回追加された2つのルートの横に、さらに6つの空きスロット(プレースホルダー)が表示されている。これにより、任天堂が少なくともあと6つのルートを追加する計画であることが、ゲーム内のインターフェース上でも確認できる。ただし、これらのルートがいつ配信されるかなどの具体的な日程は発表されていない。

海外メディアRestart.runの分析によると、任天堂の大型アップデートはこれまで「1.5.0」「1.6.0」「1.7.0」といった整数第二位の更新時に主要なコンテンツを追加し、その間のマイナーアップデートで不具合修正を行う傾向がある。このパターンが維持される場合、次のノックアウトツアールートの追加は「バージョン1.8.0」以降になると予想されるが、任天堂からの公式なスケジュール発表はない。

プレイヤーからは、ルートの追加だけでなく、マップ自体を拡張する新コースや、キャラクターの追加衣装、新キャラクターの登場を望む声も上がっている。しかし、これらについての発表は現時点ではない。任天堂が確実に進めているのは、オープンワールドの構造を活かして効率的に提供できる、ノックアウトツアーのルート拡張である。

任天堂の決算発表によると、『マリオカート ワールド』は2026年3月31日時点で1,470万本を売り上げており、2位の『Donkey Kong Bananza』に3倍以上の差をつけてSwitch 2で最も売れているタイトルとなっている。また、本作は「The Game Awards 2025」で最優秀スポーツ/レースゲーム賞を受賞している。

■注目ポイントQ&A

●ノックアウトツアーの新ルート追加によって、新しいコースも増えるのですか?

いいえ、増えません。「ドリルラリー」と「ブーメランラリー」は、すでにゲーム内に存在するコースを新しい順序で繋いだルートです。本作は個別のコースを都度読み込むのではなく、1つの繋がったオープンワールドとして描画しているため、新ルートの追加は「既存のチェックポイントをどう繋ぐか」という設定の追加であり、新しい地形データを制作するものではありません。そのため、有料DLCではなく無料アップデートとして効率的に提供されています。

●現在、ノックアウトツアーのルートはいくつあり、今後いくつ追加される予定ですか?

バージョン1.7.0の時点で、初期の8ルートに今回の2ルートが加わり、合計10ルートになりました。任天堂は今後のアップデートでさらに少なくとも6つのルートを追加することを明示しており、最終的には少なくとも16ルートになる予定です。ただし、今後の追加ルートの配信時期は発表されていません。

●『マリオカート ワールド』で有料DLCの販売予定はありますか?

現時点で有料DLCの発表はありません。これまでに配信された新しいバトルモードや「チームノックアウトツアー」、今回の新ルート追加などはすべて無料で提供されています。オンラインプレイには「Nintendo Switch Online」への加入が必要ですが、ゲームのコンテンツ追加自体に追加料金は発生していません。なお、予告されている6つの追加ルート以降の計画については開示されていません。

●新ルートの「ドリルラリー」と「ブーメランラリー」を遊ぶための解放条件はありますか?

既存のノックアウトツアーのラリーを少なくとも1つクリアしている必要があります。この条件を満たした状態でゲームをバージョン1.7.0にアップデートすると、ノックアウトツアーのメニューに自動的に追加されます。追加の購入手続きなどは不要です。

元記事: Mario Kart World Adds Two Free Knockout Tour Routes, Eight More Confirmed

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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