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リップル「RLUSD」が日本で承認、初の海外発行米ドルステーブルコインとして金融庁の同等性評価をクリア
日本の金融庁は、リップル社が発行する米ドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」を「第4種電子決済手段」として承認した。これは、改正資金決済法における厳格な同等性評価を海外発行のステーブルコインとして初めてクリアした事例となる。同トークンはSBI VC Tradeの「VCTRADE」で提供が開始されたが、1回あたり100万円の取引上限があるなど、今後の機関投資家向けユースケースの拡大には課題も残されている。
■日本初の海外発行米ドルステーブルコイン「RLUSD」の承認
日本の金融庁は、リップル社の米ドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」を「第4種電子決済手段」として承認した。これは、改正資金決済法における厳格な同等性評価を海外発行のステーブルコインとして初めてクリアした事例となる。同トークンは、SBI VC Tradeが運営する「VCTRADE」プラットフォーム上で、個人および機関投資家向けに提供が開始された。
同日、日本経済新聞は、Circle(サークル)と野村ホールディングスが2027年のサービス開始を目指し、USDCをベースにしたデジタル資産決済サービスで合意したと報じた。これにより、日本は2つの主要なグローバル米ドルステーブルコインに対して同時に門戸を開いたことになる。
RLUSDの時価総額は約17億ドル(約2,754億円、1ドル=162円換算)であり、Tether(テザー)のUSDT(約1,860億ドル/約30兆1,320億円)やCircleのUSDC(約740億ドル/約11兆9,880億円)と比較すると規模は小さい。しかし、今回の承認が持つ最大の意味は、日本が海外のステーブルコイン発行体向けに、規制準拠の明確なテンプレートを確立したことにある。
■日本の新たな「同等性評価」とは何か、なぜ重要なのか
日本の資金決済法は2022年6月に改正され、電子決済手段の枠組みが2023年6月に施行、さらに2026年6月1日には新たな改正法が施行された。この最新の改正により、適格な海外ステーブルコイン(日本法上の「信託型」海外電子決済手段)が、グレーゾーンではなく公認の決済手段として活動できる正式な法的経路が整備された。
この経路を利用するためには、海外の発行体が自国の規制環境について、準備金、消費者保護、発行体監督の面で日本の基準と「機能的に同等」であることを証明する必要がある。RLUSDがこの基準をクリアできたのは、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の規制下にあるリップル社の子会社Standard Custody & Trust Companyが発行しており、米ドル預金と短期国債で1対1で裏付けられ、デロイトによる独立した月次監査を受けているためである。金融庁は、NYDFSの規制が日本の枠組みと機能的に同等であると判断した。
これにより、発行側はNYDFS、流通側は日本の金融庁という二国間のコンプライアンス構造が実現した。Presto Researchのアナリストであるリック・マエダ氏は、日本は「コンプライアンスを極めて重視している」と指摘し、RLUSDが提示した実績が大きな意味を持つと述べている。リップル社が確立したこのコンプライアンスのテンプレートは、他の海外発行体にとっても再現可能な青写真となる。
■なぜ日本でのRLUSDはXRP LedgerではなくEthereumで稼働するのか
技術的な詳細として、VCTRADEで上場されたRLUSDはEthereum(イーサリアム)ネットワーク上でのみ稼働する。SBI VC Tradeは、XRP Ledgerや他のネットワーク上のRLUSDの入金は受け付けないとしている。
RLUSDはXRP LedgerとEthereumの両方でネイティブに発行されており、どちらも同じ準備金で裏付けられている。しかし、2026年中頃時点で、RLUSDの総供給量の約80%がEthereum上に存在している。機関投資家向けの流動性やDeFi(分散型金融)の構成可能性がEthereumに集中しているため、既存の管理・監査インフラが整っているEthereumでの上場が、規制承認への最短ルートだった。
Ethereum上のRLUSDは、UUPS(Universal Upgradeable Proxy Standard)アーキテクチャを採用したERC-20トークンであり、ユーザーに新しいトークンアドレスへの移行を強いることなくスマートコントラクトの改善やセキュリティパッチを適用できる。新規発行や消却などの重要操作には、カスタムマルチシグ契約を通じた複数の承認署名が必要となる。
一方、XRP Ledgerは高速な決済と低手数料を特徴とし、クロスボーダー決済に適している。機関投資家の利用拡大に伴い、将来的にはXRP Ledgerへの上場も自然な流れだが、初日としてはEthereumが現実的な選択肢だった。
■取引ごとに課される「100万円」の上限とその背景
日本でのRLUSDローンチには、1回あたりの送金上限が約100万円(約6,200ドル)に制限されるという構造的な制約がある。決済やトークン化、担保管理などの機関投資家向けユースケースを想定するステーブルコインとしては、この上限の説明が必要となる。
この上限は資金決済法の区分を反映している。同法において、電子決済手段は主に2つのカテゴリに分類される。RLUSDのような海外信託型ステーブルコインを含む「資金移動型」は、1回の取引および残高に100万円の上限が課される。一方、日本のライセンスを持つ信託銀行が直接発行する「信託銀行型」はこの上限が免除される。
RLUSDのローンチと同日、SBIグループはシンガポールのStartale Groupと共同開発し、SBI新生信託銀行が発行する日本初の信託銀行裏付けの円ステーブルコイン「JPYSC」を発表した。JPYSCは国内の信託銀行型であるため、取引上限はない。日本の規制枠組みは、国内発行の信託銀行型ステーブルコインに構造的な優位性を与えている。
したがって、日本におけるRLUSDの当面の役割は、上限以下の決済やトークン化(SBIの既存ルートを通じた東南アジアへの個人向け海外送金など)に限定され、リップル社が最終的に目指す大口の機関投資家間決済には、法的な分類の変更や日本の信託銀行を通じた発行構造の再構築が必要となる。
■1日で構築されたマルチステーブルコイン米ドルインフラ
2026年6月25日、Nikkei Asiaは、Circleと野村が日本企業向けのUSDCベースの決済・クロスボーダー送金サービスを2027年開始に向けて計画していると報じた。企業はブロックチェーンを介して円をUSDCに変換し、ほぼリアルタイムで外貨決済を行えるようになる。対象は、日次取引高が約4,400億ドル(約71兆2,800億円)に上る日本の企業の輸出入および外国為替部門である。
これら2つの発表は、日本が単一の承認トークンを受け入れるのではなく、複数のステーブルコインによる米ドル決済エコシステムのインフラを構築していることを示唆している。RLUSDは決済やトークン化、担保管理向け、Circleと野村のサービスは企業の外国為替決済向けと、互いに補完的な役割を果たす。両者はすでに日本の規制枠組みの中に同時に組み込まれている。
■TetherやUSDCとの準備金構造の違い
RLUSD'sの準備金は、BNYメロンが分別管理する口座に保管されている。独立系会計事務所のデロイトが月次証明書を公開し、準備金が流通量を上回っていること、およびNYDFSの基準を満たしていることを確認している。2026年5月下旬時点で、RLUSDの流通量は約17億3,100万ドル(約2,804億円)に対し、準備金は約18億3,300万ドル(約2,969億円)だった。
Tether(時価総額約1,860億ドル)は歴史的に月次ではなく四半期ごとの証明書を公開しており、準備金構成に対する懸念が続いてきた。CircleのUSDC(時価総額約740億ドル)は月次証明書を公開しており、2025年3月からSBI VC Tradeを通じて日本で承認されている。
RLUSDにとって、準備金の透明性は強力なアピールポイントとなる。野村とLaser Digitalの調査で、機関投資家が「銀行発行のステーブルコインを最も信頼する」と回答した市場において、デロイトが証明する準備金構造は、非銀行系発行体として提示できる最大の強みである。
■日本市場でRLUSDが証明すべき課題
規制の承認は第一歩に過ぎず、市場への普及とは異なる。野村とLaser Digitalが日本の投資専門家518人を対象に実施した調査では、63%がステーブルコインの実用性を認めているものの、信頼度は依然として銀行発行 of コインに偏っている。RLUSDは銀行ではなく暗号資産インフラ企業であるリップル社が発行しているため、日本の機関投資家が最も重視する「発行体の属性」において不利な立場にある。
また、競合も存在する。USDCは2025年3月から日本で利用可能であり、すでに同じプラットフォームを通じて機関投資家向けの流通インフラを構築している。さらに、日本の3大メガバンク(MUFG、SMBC、みずほ)はProgmatプラットフォームを通じて共同で円ステーブルコインを開発しており、2027年3月までの銀行間取引開始を目指している。
リップル社のステーブルコイン担当SVPであるジャック・マクドナルド氏は、公式発表でRLUSDの日本での役割を「決済、トークン化、担保管理の架け橋」と表現した。この位置づけが、機関投資家向けに十分な取引量と流動性をもたらすことができるかどうかが今後の焦点となる。
■注目ポイントQ&A
●日本の「第4種電子決済手段」とは何ですか?
日本の資金決済法において、法定通貨で裏付けられ、同等額で払い戻し可能なステーブルコインに適用される区分です。「第4種」は海外の信託型電子決済手段を指し、2026年6月1日施行の府令で正式化されました。自国の規制が日本の基準と機能的に同等と認められた海外発行ステーブルコインが、日本のライセンスを持つプラットフォームで取引可能になります。RLUSDはこの区分で承認された初の海外発行米ドルステーブルコインです。
●なぜ日本でのRLUSDはXRP LedgerではなくEthereumで稼働するのですか?
RLUSDの総供給量の約80%がEthereum上に存在しており、機関投資家向けの流動性やDeFiの構成可能性が集中しているためです。既存の管理・監査インフラが整っているEthereumでの上場が、規制承認への最短ルートでした。RLUSDは両ネットワークでネイティブに発行されており、将来的にはXRP Ledgerへの上場も想定されていますが、初日は実用的な選択肢としてEthereumが選ばれました。
●1送金あたり100万円の上限は、RLUSDの普及に影響しますか?
はい、短期的には影響します。100万円(約6,200ドル)の上限は、資金決済法における「資金移動型」の電子決済手段(RLUSDが該当する海外信託型など)に適用される規制です。国内の信託銀行が発行する「信託銀行型」はこの上限が免除されます。そのため、RLUSDの日本での当面の用途は、上限以下の個人向け海外送金や小規模なトークン化決済などに限定される見通しです。
●Circleと野村のUSDCに関する合意は、RLUSDのローンチとどう異なりますか?
Circleと野村の合意は、2027年の開始を目指す日本企業向けのUSDC決済サービスに関するものです。SBI VC Tradeを通じて個人・機関投資家双方に提供されるRLUSDとは異なり、こちらは企業の輸出入や外国為替決済などの国際送金をターゲットにしています。両者は競合というよりも、日本におけるマルチステーブルコイン決済インフラとして互いに補完し合う関係にあります。
元記事: Ripple RLUSD Wins Japan Approval: First Foreign Dollar Stablecoin to Clear JFSA Equivalence Test
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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