PBシステムズ Research Memo(7):下期は4つの重点施策を推進し、売上高30億円台の回復を目指す(1)

2026年6月11日 11:07

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記事提供元:フィスコ

*11:07JST PBシステムズ Research Memo(7):下期は4つの重点施策を推進し、売上高30億円台の回復を目指す(1)
■ピー・ビーシステムズ<4447>の今後の見通し

1. 2026年9月期の業績見通し
2026年9月期の業績見通しでは、売上高が前期比13.9%増の3,000百万円、営業利益が同96.3%増の245百万円、経常利益が同97.8%増の251百万円、当期純利益が同93.0%増の165百万円の計画を据え置いている。2026年9月期を「成長への再スタートの年」との位置付ける方向性は変わらず、引き続き2事業それぞれ3本の柱からなる成長戦略を進める(戦略詳細は後述)。市場環境の変容への適応、及び持続的な成長と人財基盤の強化を背景に、同社は現在、「新規顧客数の増加」を最優先目標として掲げている。この戦略のねらいは、旺盛な需要が見込まれるターゲット市場や大手企業との取引において実績をさらに積み上げ、市場プレゼンスを確固たるものにすることにある。同時に、若手エンジニアに対して多種多様な実務経験の機会を提供することで、稼働率の最適化と技術力の底上げを同時に図るねらいも大きい。人財面においては、若手層を積極的に登用する組織拡大の方針を堅持し、ベテラン層からの技術伝承を軸としたOJTにより、組織全体の戦力化を一段と加速させる。また、営業力の抜本的強化策として、エンジニアからセールスエンジニアへの配置転換を進めている。これにより、同社の強みである技術力を顧客に対して余すことなく訴求できる体制を構築し、技術と営業が高度に融合した独自の顧客開拓モデルの確立を目指す構えだ。

計画達成に向けた下期の重点施策としては(1) 受注残の確実な売上計上(2) パイプラインの確実なクロージング(3) 役務売上を一層拡大(4) 首都圏営業の強化の4つが挙げられる。半導体部材不足に伴うハードウェアの納期遅延という不透明な市場環境に対し、同社は多角的なリスクヘッジと攻めの施策を講じている。まず、調達面においては、メーカーやディストリビューターとの関係深耕を一段と進める一方、見積有効期限の短縮などを通じて顧客の早期意思決定を促し、調達リードタイムの確保に注力している。また、AIを活用した商談の見える化を強化することで、新規案件の獲得に注力しつつ、成約確度の極めて高い案件へリソースを徹底的に集中させる方針だ。収益構造の面では、ハードウェアの納期遅延による影響を補完すべく、利益率の高いプラットフォーム実装などのSI案件の構成比を引き上げる戦略をとる。同案件の拡大傾向は下期も継続する見通しであり、同社においてもその進捗に強い手応えを得ているもようだ。営業戦略については、トップ営業の活動領域を首都圏へ拡大するのと同時に、セールスエンジニアを東京営業部へ配置転換することで、首都圏における高度な技術提案と営業の完全一体化を実現する。この体制強化により、首都圏での顧客基盤を拡大させるねらいである。

(1) セキュアクラウドシステム事業
戦略1:基幹システムのハイブリッドクラウド
基幹システムのインフラ刷新にかかる収益は、医療・金融・製造などの幅広い業種の需要を取り込んでおり、2026年9月期中間期全体売上の約8割を占める。2026年9月期に入り、オラクルクラウド(OCI)の導入・利用顧客が12社まで拡大している点もポジティブな材料である。今後もデータベース基盤のクラウド移行ニーズの需要獲得も続いていくと見られる。また、AI活用に関しては、食品・製造業向けシステムモダナイゼーションで、レガシーシステムのロジック解析の高速化などにより納期の短縮が実現されている。モダナイゼーション案件での横展開の動向を追っていきたい。ほかにも、情報セキュリティの観点からローカルLLM/SLM※の活用を目指し、現在ロジック解析に向けた実証実験を進めている。ハードウェアメーカーとの協業拡大に関しては、ハードウェア調達対策という意味でも、顧客需要の多いDELLとは引き続き強固な関係性を保ちつつも、多様なメーカーとも取引を進める方針である。

※ クラウドを利用せず自社内で生成AIを運用する仕組みでセキュリティや応答速度に優れている。

戦略2:サイバーセキュリティ
同社が展開する総合セキュリティ対策サービス「サイバー忍法帖」は、「一気通貫レジリエンス」を最大の特長としている。顧客の事業規模や業種ごとに異なるサイバーリスクに対し、上流のコンサルティング提案からシステムの導入、さらには運用・保守に至るまで、個別の要望に合わせて柔軟にカスタマイズした一貫対応を提供する。サイバー攻撃の入り口で防御の仕組みを構築し、24時間365日体制で監視を続け、感染の際にはバックアップによるリストアで早期復元・回復を実現する。2026年9月期中間期は、CybereasonやSophos、SentinelOneなどのEDR導入が加速し、12社と契約を結んだ結果、売上高26百万円を計上した。昨今、ウイルスの侵入口となるPC等のエンドポイント対策に加え、ネットワーク全体の挙動を監視・分析するNDRへの需要が急速に高まっている。同社は、ログ保全や監査対応が求められる高度な案件において、ダークトレースのNDRソリューションを活用し、確かな実績を上げている。また、ランサムウェア対策としてのバックアップ環境構築においても、12社への提供を通じて25百万円の売上高を計上した。警察庁の調査(2025年)によれば、被害企業のバックアップ取得率は90.5%に達する一方、実際に復元に成功したケースは20.2%と極めて低い水準にとどまっている。この乖離は、バックアップデータ自体の暗号化や消去、あるいは運用不備が主な要因である。これに対し、同社の「サイバー忍法帖」は、攻撃を受ける直前の状態へ確実に回復させるまで責任を持って伴走する。

戦略3:スマートファクトリー
人手不足などを背景とした製造業のDX需要を睨み、工場のスマート化を推進する。Wi-Fi環境整備では、大手製造業向け工場ネットワーク刷新案件で無線AP(アクセスポイント)導入を推進中だ。複数拠点を対象とした展開であることから、導入後の保守管理等によるストック収益の拡大にも寄与している。また、遮蔽物の多い工場特有の環境に対応すべく、障害物に強いAP技術を持つベンチャー企業との協業も検討しており、技術的な課題解決力のさらなる向上を図っている。ローカルLLMやSLM活用に向けては、AI導入の第一弾としてダークトレースの製造業向けAI型ネットワーク監視システムを導入した。これにより、異常検知やトラフィックの可視化を実現した。フルスマートファクトリー化へのアプローチとしては、モニター環境の導入や工場用タブレットの一括販売など、現場デバイス整備という「入口」の需要を着実に取り込んでいる。さらに、現在は複数工場の基盤一括刷新(ハードウェア、ネットワーク、セキュリティの統合設計・構築)を推進中だ。これは将来的なIoT活用やデータ連携を見据えた、拡張性の高い通信基盤の構築に向けたものである。なお、2026年3月に西日本シティ銀行と、顧客紹介と商談機会創出を目的に業務連携したが、福岡県を中心とした九州地域でのスマートファクトリー案件の発掘を目指すもので、今後その効果に期待が高まる。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)《HN》

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