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フォースタートアップス:トリプルバガー候補、中期経営計画を上方修正
*14:19JST フォースタートアップス:トリプルバガー候補、中期経営計画を上方修正
フォースタートアップス<7089>が5月8日に発表した決算は、極めて好調な滑り出しとなった。2028年3月期を最終年度とする中期経営計画も上方修正されている。1年前の決算時の時価総額は34億円、そこから3倍高となるV字回復を遂げている。その勢いのままに中計達成が視野に入ってくれば、時価総額150億円を下限として、成長スピードに応じた評価だと300億円を上回る可能性もある。現状、時価総額は103億円(株価1,569円)となる。
■企業概要
同社は企業向け人材紹介を中核とした成長産業支援事業を展開している。事業セグメントは、スタートアップ向け人材紹介を中核とするヒューマンキャピタル事業、スタートアップ情報プラットフォーム「STARTUP DB」や行政連携を行うオープンイノベーション事業、そして自社勘定投資へ移行したベンチャーキャピタル事業の3領域で構成される
主力のヒューマンキャピタル事業は、スタートアップ企業等への人材紹介サービスが収益の柱で、成長産業の発展を多角的に支えるコンサルティングサービスなども展開している。手数料は転職者の理論年収に料率を乗じて算出され、意思決定層(ハイレイヤー)に特化した支援により平均決定年収は約900万円と、高い水準を維持している。顧客はForbes起業家ランキングに代表される注目起業家やスタートアップで、強固なエコシステムネットワークが最大の強み。タイミー等の上場企業やUPSIDER等の大型EXIT企業などの豊富な実績を有し、求める幹部人材像を的確に把握した効果的な支援を実行している。2026年3月期は組織の筋肉質化により1人あたり決定件数が0.54件へ大幅に向上。
オープンイノベーション事業では、日本のスタートアップ・エコシステムの発展を目的に、(1)行政・自治体の関連事業を行う「アクセラレーション」、(2)26,000社以上のスタートアップ企業情報を網羅した「STARTUP DB」、(3)成長産業カンファレンス「GRIC」の3つのサービスを展開している。「アクセラレーション」では、内閣府が定めた拠点都市を中心に数多くの事業受託や支援実績を有し、地方創生や国策の推進に深く貢献している。「STARTUP DB」は、新規事業創出を目指す大手企業やCVC/VCのほか、金融機関、調査会社等に幅広く導入されている。
ベンチャーキャピタル事業は、子会社のフォースタートアップスキャピタル合同会社等を通じて展開され、グループの成長産業支援をより強固にすることを目的とする。中核のヒューマンキャピタル事業の人材支援先へ投資を実行することで、企業の成長を多角的にバックアップするとともに 、将来的なキャピタルゲインなど非連続な金融収益の獲得を狙う。これまで運用してきた「1号ファンド」では計10社への投資組入を完了。今後はファンド組成を行わず、自社の強みを最大限に活かせる「自己勘定投資スキーム」へ全面移行する。
■業績
2026年3月期通期の売上高は前期比42.6%増の5,268百万円、営業利益は同147.3%増の1,120百万円と大幅な増収増益となり、過去最高業績を達成した。ベンチャーキャピタル事業で評価損101百万円を計上した一方、全事業で生産性向上に取り組んだ結果、収益性が向上している。季節性の影響こそあるものの、第4四半期のみで前期の通期営業利益を上回る結果となった。全社で生産性改善に取り組んだ結果、事前の修正予想も上回る極めて好調な着地となっている。主力のヒューマンキャピタル事業では、売上高が前期比43.3%増の4,476百万円、セグメント利益が同53.9%増の2,013百万円と大幅増収増益を達成した。通期にわたる生産性改善により、高い受注単価を維持したまま決定件数が増加。「社員1人あたりの人材紹介決定数(生産性)」は前期の0.43件から0.54件へと大きく向上し、組織代謝に伴う筋肉質な体制への移行がグループ全体の収益性向上を強力に牽引した。また、オープンイノベーション事業も売上高が前期比38.9%増792百万円、セグメント利益が同152.3%増の237百万円と好調。『STARTUP DB』の着実な会員拡大等が寄与した。強固な一次情報のネットワークを活かしたスタートアップM&A仲介事業の本格化など、新たな成長基盤の構築にも注力している。
2027年3月期の通期予想は、売上高が前期比21.5%増の6,400百万円、営業利益が同25.0%増の1,400百万円と、大幅な連続増収増益を見込む。足元の好調な事業状況を背景に中期経営目標も上方修正されており、国策の追い風を受けながら前倒しでの成長加速が続く中で、今期の業績がさらに上振れるか注目しておきたい。
■市場環境と成長戦略
市場環境としては、社会課題の解決策の1つとして「スタートアップ支援」が重要視される中、政府が掲げる「スタートアップ育成5カ年計画」といった国策が強力な追い風として継続している。スタートアップの創出・成長や、大企業とのオープンイノベーション推進が持続的な経済成長の鍵とされており、2027年度に10兆円規模の投資を目指す方針にブレはない。また、マクロ的な労働人口の減少を背景に人材確保や採用難易度は上昇し続けており、EIXT環境の変化やAIの発展も相まってハイレイヤー人材の流動化はさらに加速している。専門性の高い幹部人材を求める企業の採用意欲は極めて旺盛であり、今後も市場規模の拡大が続く可能性は高い。
このような環境下で、同社はスタートアップ企業のミドル・ハイレイヤー人材を中心に支援しており、業界内における圧倒的な支援実績と強固なブランド認知度を誇っている。支援実績を持つスタートアップとの関係は上場後も継続するため、顧客層がグロース市場の企業から日系大企業へと多角的に広がっていく強固な成長モデルを確立している。また、長年培ってきたヒューマンキャピタルやオープンイノベーションのノウハウに加え、既に保有している「STARTUP DB」の26,000社以上の企業データなど、同社にしかアクセスできない一次情報とエコシステム内の濃密なネットワークそのものが、競合に対する高い参入障壁となっている。
直近の2026年3月期決算では、営業戦略の転換と組織代謝が進んだことで筋肉質な体制への移行に成功し、「社員1人あたりの紹介決定数(生産性)」が0.43から0.54に向上、最高益の更新によって再成長軌道への回帰を証明した。2027年3月期以降は、さらなる生産性向上に加え、非連続な成長をもたらす第2の柱として「スタートアップM&A仲介事業」の本格的な収益化へ舵を切っている。IPO難易度の上昇を受けて戦略的M&Aの潜在市場(TAM)が年々拡大する中、既存事業の広大な顧客基盤を活かした高精度なマッチングを推進する方針だ。2028年3月期までの中期計画を上方修正し(最終年度の売上高は5,687~6,192百万円→7,680~8,000百万円、営業利益は853~1,238百万円→1,536~2,000百万円)、2031年3月期までのプライム市場昇格を見据えた解像度の高い成長ロードマップを掲げる同社の動向には、今後も強く注目しておきたい。《YS》
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